アップルは小型化したMac miniの次期モデルを11月8日に発売する(アップルのニュースリリースより)
【シリコンバレー=中藤玲】
米アップルは29日、片手で持ち運べる小型のデスクトップパソコン「Mac mini」の新モデルを11月8日に発売すると発表した。
処理性能を高めた最新の半導体「M4」や「M4 Pro」を搭載し、自社の生成AI(人工知能)サービス「アップルインテリジェンス」を使える。
Mac miniはディスプレーやキーボードが別売りとなるデスクトップ型のパソコンだ。M4を搭載した新モデルの価格は599ドル(日本での価格は税込み9万4800円)から。すでに予約注文の受け付けを始めた。
大きさは12.7センチメートル四方で高さは5センチメートル、重量は670グラムと片手でも持ち運べる小型サイズになっている。半導体の電力効率を高めたことで、「設置スペースは以前のデザインの半分以下」(同社)としている。米CNBCによると、外観の大幅な再設計は2010年以来という。
M4を搭載したモデルは、M1を使ったものよりもCPU(中央演算処理装置)の処理速度が最大1.8倍になった。表計算ソフト「エクセル」の計算が最大1.7倍早くなる。28日に提供を開始したアップルインテリジェンスに対応し、まずは文章の自動要約などが可能になる。
Mac miniは05年に、ウィンドウズのパソコンから乗り換える人向けに、既存のモニターやキーボード、マウスでMacを使えるようにするための戦略商品として生まれた。創業者の故スティーブ・ジョブズ氏が「BYODKM」(bring your own display, keyboard and mouse)と銘打った。現在はアプリ開発者などが好んで使うことが多い。
アップルは28日にはM4を搭載したデスクトップパソコン「iMac」の次期モデルも発表しており、生成AIを使えるパソコンのラインアップを増やして需要をてこ入れする狙いがある。
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日経記事2024.10.30より引用