生産開始当初に比べると生産能力は10倍になる(マクセルのコイン形リチウム電池)
マクセルは肌に貼り付けるタイプの血糖測定器で使うコイン電池を増産する。今後2年で20億円を投じ、生産能力を3倍に高める。
糖尿病患者の増加に伴い、測定器の引き合いも強まる見通し。定期的に交換が必要な電池を安定供給する体制を整える。
増産するのは連続式血糖測定器(CGM)のセンサーに使うコイン形リチウム電池。2026年度までに小野事業所(兵庫県小野市)で新たな生産ラインを稼働させる。23年にも生産能力を増強しており、生産を始めた21年に比べると能力は10倍になる。
糖尿病の治療で血糖値を測定する際は、指先に針を刺して血液を採取する方法が一般的。ただ、血糖値の変動を確認できず、1日に何度も針を刺す必要がある。CGMは針のついたセンサーを体に貼り付けて使うため変動を自動で記録でき、需要が高まっている。
CGMの30年の世界市場は23年比で6割増えるとの見方がある。センサーは1〜2週間で交換が必要になることから、使い切りタイプの電池の需要も高まる見通しだ。
マクセルはCGM用電池で世界シェア15%を占める。生産能力の増強で販売を拡大する。売上高は28年度に40億〜50億円と現在の約3倍の水準を目指す。
糖尿病は世界的な課題となっている。国際糖尿病連合(IDF)によると、21年の患者数は約5億3700万人。成人の10人に1人が患者という計算になる。有効な対策を講じなければ、45年には7億8300万人まで増える恐れがある。
日経記事2024.07.06より引用