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[8.4 ロンドン五輪準々決勝 日本3-0エジプト マンチェスター]
44年ぶりのベスト4だ。U-23日本代表は4日、ロンドン五輪準々決勝でU-23エジプト代表と対戦。前半14分、FW永井謙佑のゴールで先制すると、数的優位に立った後半にはセットプレーからDF吉田麻也、FW大津祐樹が追加点。守備陣も4試合連続の無失点に抑え、3-0の完封勝利を飾った。銅メダルを獲得した1968年のメキシコ五輪以来、11年ぶりの4強入り。7日の準決勝に勝てば、五輪史上初の決勝進出、さらには初の銀メダル以上が確定する。
3大会ぶりの8強入りを果たし、マンチェスターのオールドトラフォードに乗り込んだ日本は7月26日のスペイン戦(1-0)と同じ先発メンバーで臨んだ。ターンオーバーした1日のホンジュラス戦(0-0)からは先発6人を変更。DF徳永悠平、MF扇原貴宏、MF東慶悟、MF清武弘嗣、永井が2試合ぶりに先発し、スペイン戦で左足首を捻挫したDF酒井宏樹も3試合ぶりに復帰した。
立ち上がりから日本が果敢に攻め込んだ。開始1分、永井の左サイドからのクロスに清武がヘディングで合わせ、ファーストシュート。前半7分には扇原の絶妙なスルーパスから東が左サイドを抜け出した。マイナスの折り返しはゴール前でDFにクリアされたが、立て続けにゴールに迫った。
セットプレーからもチャンスをつくる。前半7分の左CK。ショートコーナーから清武のクロスにDF鈴木大輔が頭で合わせる。同10分にはPA左からのFKのチャンスに扇原が鋭いクロスボールを入れたが、ゴール前の大津、鈴木にはわずかに合わなかった。
試合の主導権を握る日本が先制に成功する。前半14分、清武が相手陣内でプレッシャーをかけ、ボールを奪うと、素早く右サイドからアーリークロス。GKとDFの間を狙ったグラウンダーの折り返しに永井が全速力で走り込む。前に飛び出してきたGKよりも一歩早く追いつき、ゴール前に抜け出すと、無人のゴールに右足で流し込んだ。
2試合ぶり今大会2点目となる先制点を奪った永井。得点後はガッツポーズを見せ、チームメイトと喜んでいたが、直後に左太腿を押さえてピッチにうずくまった。シュートを打った際、後方からDFヘガジが遅れてチャージ。この接触で負傷したとみられ、一度はテーピングを巻いてプレーに戻ったが、前半20分、自らベンチに向かって×印を出し、再びピッチに倒れ込んだ。攻守両面でチームを引っ張るエースの痛すぎるアクシデント。スタッフに肩を借りてピッチをあとにし、FW齋藤学と交代した。
これで試合の流れが一変した。エジプトがボールポゼッションを高めて中盤を支配し、日本は防戦一方となる。それでも前半27分、右クロスに合わせたFWアブトレイカのヘディングシュートはゴール左へ。同30分にもDFファティの折り返しからFWモタエブが狙ったが、シュートは枠をそれた。
フィニッシュの精度を欠くエジプトに救われる日本。守備陣も粘り強いディフェンスで苦しい時間帯に耐え続けた。すると前半41分、再び高い位置で清武がボールをカット。パスを受けた東がゴール前に抜け出す齋藤に絶妙なスルーパスを通した。齋藤はPA手前ぎりぎりの位置で後方からDFサードに倒され、FKを獲得。サードは決定的な得点機会の阻止で一発退場となった。
数的優位に立った日本は再びリズムをつかむ。前半44分、大津が右サイドで粘ってドリブル突破。そのままシュートまで持ち込んだが、GKにキャッチされた。前半45分にはゴールを空けて飛び出したGK権田修一がクリアし切れず、ヒヤリとする場面もあったが、MF山口螢が体を入れてボールを奪い、大きくクリア。そのまま1点リードで後半に折り返した。
10人のエジプトに対し、日本はポゼッションを高め、じっくりパスを回していく。2点目を取って試合を決定づけたいが、最後の崩しの部分に工夫がなく、なかなかチャンスをつくれない。それでもエジプトの反撃には守備陣が体を張って対応。集中力を切らさなかった。
後半19分、東が左足を痛め、ピッチに倒れ込む。担架で運び出されると、いったんはピッチに戻ったが、同26分、DF酒井高徳と交代した。またもアクシデントによる交代。酒井高は中盤の左サイドに入り、清武がトップ下に回った。
試合は拮抗した展開が続く。エジプトは後半32分、MFエル・ネニーが強烈なミドルシュートを放つが、GK権田がセーブ。グループリーグ3試合を無失点で切り抜けてきた守備陣がこの日も安定感を見せると、そのディフェンスを統率する吉田が貴重な追加点を奪った。
後半35分、右サイドからのFK。扇原がまたいで清武が右足でゴール前に折り返すと、ニアサイドに走り込んだ吉田が体を投げ出す。豪快なダイビングヘッドで角度を変え、ゴール左へ流し込んだ。
セットプレーを生かし、2-0。リードを広げると、再びセットプレーからダメを押した。後半38分、左サイドでFKを獲得すると、扇原が素早いリスタート。清武からリターンを受けると、左足でゴール前に正確なクロスを上げ、大津がヘディングシュートを叩き込んだ。
3-0と試合を決定づけると、守備陣は最後まで集中力を切らさない。最後までゴールを許すことなく、これで4試合連続の無失点。攻守がかみ合い、メキシコ五輪以来、44年ぶりのベスト進出という快挙を達成した。