ロゴス古書

 年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず 

夜神楽

2007年08月19日 | 随想・日記

 

 神楽を観にお昼過ぎに家を出た。

途中高速道路の上り線は混雑していたが、

下りは空いていたので、思ったよりも早く着いた。

知人から「先祖のお墓のお参りには、何時も来ないがたまには来たら」と

午前中の進呈著書の中のお手紙を見て、急な旅立ちであった。

朝、池之端の蓮を見て、昼ごろまでゴロゴロしていたのだが、

「風屋日記」で、「今晩神楽を行なう」と読み、どうしても見たくなっての事だった。

花巻に着いてから六軒ほどの家を回り、急いで神楽の会場へ。

高いテントの下での、少し薄暗い電球の明かり、幻想的で神楽舞が引き立って観えた。

土間にゴザを引いた舞台であった。

神楽殿の場所とはちがい、いにしえの舞いさながらの一時、無限郷に浸って還った。

 


「満蒙開拓団の戦後」を見る

2007年08月12日 | 随想・日記

 今日のPM7時からの、NHK-HV特集「地獄を見たから生きてこられた△満蒙開拓団の戦後」をみた。

戦前の中国・満州への日本の関連で、興味深くみられた。

先日の朝日新聞 8月5日(日)の読書欄に、「著者にあいたい」■「イーハトーブと満州国」賢治と莞爾が夢見た変革が載っていた。この記事をお読みになられた方も多いことだろう。

石原莞爾も宮澤賢治も、法華経の信者で、「田中巳之助先生著 日本国體の研究」からの両人とも強い影響が受けられたという。

田中智学は、この「日本国体の研究」で、日本国体の保持と世界連盟の擬案、平和会議の提唱を説いているのである。また次のようにも「日本君民の儀表是也、乃神乃聖の天業、万世一系億兆一系億兆一心の顯蹟」と強く主張するのである。詳しい事は他日に譲るとして、莞爾は東条に左遷されたりなどもするのであるが、しかし紛れも無く中国への侵略に加担した軍人である。莞爾も田中も時代に生きた人物であるが、モリスの「夢」とは程遠い。 

 今の政治家にアジアのこれからのビジョンに多いに考えてもらいたい事柄である。

 

 


無何有郷だより

2007年08月12日 | 古書

 

 

       ウィリアム・モリス 作

       無何有郷だより    布施 延雄譯

         発行所  至上社      大正十四年十一月十八日発行

    (壺中の天地で触れたいと思います)              


南部詞資料

2007年08月08日 | 随想・日記

 

 

 

            南部詞資料

 高橋捷夫著  つゞれこたゑ 南部詞資料

 発行所     豊島書房

 昭和五十六年八月十三日 初版発行

 

 この本は宮澤賢治全集の編集に携われた 堀尾青史氏が推薦文をお書きに

なっていたと記憶する。「町の民俗」等に記されている固有名詞や、地方語と古語

との関連が書かれていて大変参考になる。

 

 「近代美術十二講」は見つからないが、発行所が分かりましたので書いておきます。

大正十三年のベルグソン著 広瀬哲士訳  笑の哲学 東京堂刊行 の広告欄に

載っていました。

  早稲田大学教授 森口多里著  近代美術十二講 四六版口絵四十二枚

                                  定価 三圓  とある。又

   十九世紀迄の西洋美術を書いたものは沢山あっても、現代の意味深い諸運動や傾向を

  一括して記述したものは欧米にも見当たらない、本書はラフアエル前派、印象派、後期印

  象派、立体派、幾何学派、ヴオテイシズム、未来派、表現派、ダダイズムに至る諸運動

  の理論と意義及び各派の画家と其作品につき明快に講述したるもの、苟くも現代の美術

  を鑑賞せんとする人々の必読すべき名著である。

     何方さまかこの本の読後観をお見かけしましたなら、お教えお願い致します。

 

   (著者略歴)

     明治三十八年 岩手県紫波郡に生まれる

     高校教師(国語・漢文)

     元遠野高等学校教頭            


町の民俗 Ⅲ

2007年08月07日 | 随想・日記

  

                            町の民俗

 

 森口多里さんの「町の民俗」は昭和五十四年八月三十日に「新訂増補」として

(株) 歴史図書社 から出版されています。その後も再販されていますので、古書店で

よく見かけられた著書です。横道に逸れるのですが、わたくしは森口の著書で最初に読んだ

本は、「近代美術十二講」だったと思う。今はどこかにかくれて見当たらないのです。

 「新訂・増補版の序」に、「近代美術十二講」に触れていませんので一言書きました。

  この「町の民俗」の目次の(章)だけでも書いておきましょう。

  

  第一章 自然・歴史・伝説

  第二章 衣・食・住

  第三章 年中行事

  第四章 出産・葬俗・祝儀

  第五章 余録

 

 森口氏は前にも書きましたが「ミンッァ」の方です。

言うなれば「旧伊達藩」の方です。

 べつに「伊達藩」だ・「南部」の人間だと区別する事も無いのですが、

大正の頃までは 「フフン・これはチョッと ウン伊達の方か?」と感じられる事も有ったようです。

 こちらは森口さんより新しい方ですが、どうでしょう、参考までに~~。

 

 藤原善一著 「ムラの移り変わり」ー岩手・農村の生活白書ー

発行所 (株)日本経済評論社 昭和五十六年二月十日発行

 「常民叢書」の一冊で -古老の岩手民俗の手記ー(岩手県紫波郡矢巾町)

となっています。こちらは紛れも無く「南部藩」です。

 

 ここで郷土研究をするつもりもないのですが、最近宮澤賢治フアン{失言訂正 研究者です}が

ドラマなどの影響もあろうか、あまりにも熱心なので一言蛇足を記しました。

 「花巻市史」や二子小学校の校長さんをおやりになった 菊地敬一著「みちのくの世界考」は

賢治の時代に最もちかいのではないでしょうか。

 

  藤原嘉藤治氏の晩年には、新保 満著 「村が栄える条件ー岩手県志和の変貌ー」が

わたくしのお薦めです。

 

   藤原(嘉)藤治  (新)保 満  カッコ内の字が間違えていました。かぐら川さん

   ご指摘ありがとう御座いました。 {訂正日 8月14日}