つづき
我が家の庭に祖母がダリアや「ナガラベット」を植えていた。
小生が「ナガラベット」をグラジオラスだと言っても、誰も信用することはないだろう。
そんな考えから前回「町の民俗」の著者森口氏の著書を引き合いに出させてもらった。
「ナガラベット」(ナガラ別當)=グラジオラスは《唐菖蒲》(鳶尾科)
昭和の十年頃の我が家の庭の畑との境目に、色々な花が植えてあったが、
そのうちの花に祖母の言う「ナガラベット」があった。グラジオラスである。
色は三色程あったと思う。紅色、黄、紫紅色は斑点があったのを覚えている。
我輩の子供のころは庭の花や野草などは、男子の興味を持つものではない、
と言った雰囲気の時代であった。 賢治の「下ノ畑」の北側の外台川原は、
牧草用の草原(クサハラ)で、演習ごっこの最適の場所であった。シロツメ草やアカツメ草が
びっしりと生えていた。そこは枝振りの良い一本松を中心にして一面蔽っていた。
また北上川の土手近くは、オオマツヨイグサが大きく伸びて次から次えと咲く
黄色の満開の景色が懐かしく思い出される。少年の時は植物に興味はなかった。
戦後盛岡に汽車で通い始めた時、友達に誘われて山の散策に連れて行かれた。
それまでは全く興味がなかった。
「賢治とモリスの館」で、ナガラベットを、「盛岡に問いあわせている」とのことだが、
どんな返事があったのであろうか。 はいけませんですかね
つづく