ロゴス古書

 年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず 

漢詩入門

2010年06月15日 | 随想・日記

 

 栗原敦著 「宮沢賢治 透明な軌道の上から」の『「文語詩稿」試論』に、賢治の文語詩との連関で、栗原氏の「漢詩入門」の見事な解明解説があります。氏の「試論」で最も大事な前後を省略して、「漢詩入門」の所の一部を紹介いたします。

 

  メモとも落書きともつかぬ見すごされ勝ちな「兄妹像手帳」第二〇〇頁の記述がクローズ・アップされて来る。この頁には、上方に「文語文典」と「漢詩入門」の二語が線でぐるりと囲まれ、その左に「漢詩入門」と書いて線で抹消したものや、その下に「漢詩入」(ママ)や「門」の文字、右側に「匪」「虎」「匪狗」などの文字が散らしてある。

 注目すべきはもちろん「文語文典」と「漢詩入門」で、・・・・・(392頁より)〈大事なところが続くのですが以下略 〉

  「雑メモ」の解読研究解明も見事です。「京橋銀座西一一  立命〔?〕」などは、「新校本」では新しくなっていることでしょう。

 賢治についは素人のわたくしですが、賢治のどの「手帳」を「全集」でみても、魅力がいっぱいっまっている感じです。

 

 

 


教文館

2010年06月13日 | 随想・日記

 

 兄妹像手帳(48頁)に、「教文館 京橋 二五二」の記述があります。

 この手帳は、二百数十頁にわたり、多趣の興味を惹く内容がみられます。

 わたしにはこの手帳は、賢治の作品をひもとくエッセンスが多く含まれていると考えている一つの手帳です。

 さて、178頁に、「 銀座 四七六九 」と記されています。「《筆記具》藍インク」とあります。

 この「銀座」のメモと48頁には、何か関連性があるのでしょうか。

 他の事に、教文館に問い合わせましたが、今のところ返事がありませんが、ご存知の方が居りましたならお教えお願い致します。

 

     追記   京橋 二五二 は 電話番号である 

    渡部満社長様よりご連絡を戴きました。お礼を申し上げます。(6/17日)

 

                              


栽培學汎論(チランチンつづき)

2010年06月02日 | 自然科学

 

 安田貞雄著 植物生理学的 栽培學汎論  養賢堂発行 昭和8・6・5 訂正三版に

   [乙]化学的刺激

 §104 発芽に対する化学的刺激

 〈前文略〉 高橋及び大根両氏〈註〉がチランチンB・チランチンC・ウスブルン・ウベルチンについて其発芽に対する影響を調べた結果、種子消毒の効果は認むるも発芽の刺激に対しては良好の結果を示す事もあり、又逆に発芽を害する事もあって結局坊間に宣伝される様な効果は認められぬと云う。(175頁)

  〈註〉高橋及大根;各種浸漬剤に関する実験。勧業模範場彙報。7.1927.

 毒性もさることながら、宣伝効果に違い、作物増収の効果が認められず、ほどなくチランチンは社会から消えていった。

  (写真画像ではよく見えませんが安田は盛岡高等農林学校教授 農學士 となっている)

 


広告(チランチンつづき)

2010年06月02日 | 自然科学

 

 大正十四年頃と思われる宣伝用パンフレットが、数多く出ていた。

ある説明パンフレットに、チランチンの毒性について以下のような説明文がみられます。

  十八 「チランチン」液に浸した籾や麦は動物に毒でありますか

 答 決して毒ではありませんが念の為一度水で洗っておやりなさい

   つづく