栗原敦著 「宮沢賢治 透明な軌道の上から」の『「文語詩稿」試論』に、賢治の文語詩との連関で、栗原氏の「漢詩入門」の見事な解明解説があります。氏の「試論」で最も大事な前後を省略して、「漢詩入門」の所の一部を紹介いたします。
メモとも落書きともつかぬ見すごされ勝ちな「兄妹像手帳」第二〇〇頁の記述がクローズ・アップされて来る。この頁には、上方に「文語文典」と「漢詩入門」の二語が線でぐるりと囲まれ、その左に「漢詩入門」と書いて線で抹消したものや、その下に「漢詩入問」(ママ)や「門」の文字、右側に「匪」「虎」「匪狗」などの文字が散らしてある。
注目すべきはもちろん「文語文典」と「漢詩入門」で、・・・・・(392頁より)〈大事なところが続くのですが以下略 〉
「雑メモ」の解読研究解明も見事です。「京橋銀座西一一 立命〔?〕」などは、「新校本」では新しくなっていることでしょう。
賢治についは素人のわたくしですが、賢治のどの「手帳」を「全集」でみても、魅力がいっぱいっまっている感じです。