ロゴス古書

 年年歳歳 花相似たり
 歳歳年年 人同じからず 

甘藷類の栽培法(たまなるいのつくりかた)

2011年02月13日 | 随想・日記

     

    

 

         稲垣乙丙著  通俗 作物栽培學新書 完 

  明治四十三年二月十五日初版 大正七年六月十日第17版発行

 

 この書は改版はなされていないようです。 農芸大辞林よりも三年程新しい。こちらも菊判で1152頁の大冊書です。

 古書ですから詳細は省略しますが、

   第四編 重要作物の栽培法 

   第二章 蔬菜類の栽培法 

   第百九節 甘藍類の栽培法(たまなるいのつくりかた)1033~1036頁に詳細に記されています。 

 球葉甘藍にキヤベージとルビがふられていて、種類も記されています。

 重要と思はれるのは1034頁の、栽培=甘藍(たまな)の種を採るには の記載でしょう。従来日本では種の採り方が難しいとされてきました。高価な輸入種が主だったからです。

 しかし、賢治の畑で作られていた頃には、日本自前のたまなの種は生産がされていた。以前他のブログに記した本の前の頁には、滝沢から生産されたキャベツが、貨車で積まれていた写真が出ていました。

 農芸大辞林にも、キャベージの生産方法が載っていますので、そちらのほうが簡略に記されていますので、国立国会図書館の方でもごらんになれます。

 

 

   ※ごぞんじとは存じますが、近代デジタルライブラリーが出ましたなら「農芸大辞林」と入力して「検索」で開き、後は頁数でご覧下さい。 追記 デジタル版の写真はシロクロでした。

 


農芸大辞林

2011年02月13日 | 随想・日記

 

  

  

明治四十年の発行です。

 この辞書は、「もくじ」92 「ほんぶん」857 「農界偉績」42 「農業各種統計」64 『農事関係法規」139各頁で、他に家畜や鳥・昆虫・害虫の写真等が「もくじ」前に出ている大冊です。

 明治の時代をかいまみるにはちょっとした良い辞書であるので、小生にとっては大変参考になる辞書です。農事関連法規も出ていますが、自家用「醤油」(もろみ)に税金を課していたなんて知りませんでしたが、農産物の規格法令も出ている。米の検査基準等も出ていますが、明治の変革期も過ぎて法整備や各統計も整備された時代であったのでしょう。「化学本論」にも似た楽しい本です。

 以前外の所のブログで「キャベジ」を記したことが有りますが、この辞書で調べましたなら、ちょっと骨が折れたことを思い出しました。こんなことがあったんです。「キャベジ」では見つからないんです。「さんとーさい」や「はくさい」はすぐに見られますが、「キャベージ」(182頁)は出て来ません。

 なんとこんなふ~です。 「たまな」[甘藍]カンラン及キャベージを見よ。(483頁)とある。また「かんらん」[甘藍]キャベジを見よ。(152頁)と出ているんです。出て居た所は、なんと「はぼたん」[甘藍](643頁)の所でした。  

  つづく