稲垣乙丙著 通俗 作物栽培學新書 完
明治四十三年二月十五日初版 大正七年六月十日第17版発行
この書は改版はなされていないようです。 農芸大辞林よりも三年程新しい。こちらも菊判で1152頁の大冊書です。
古書ですから詳細は省略しますが、
第四編 重要作物の栽培法
第二章 蔬菜類の栽培法
第百九節 甘藍類の栽培法(たまなるいのつくりかた)1033~1036頁に詳細に記されています。
球葉甘藍にキヤベージとルビがふられていて、種類も記されています。
重要と思はれるのは1034頁の、栽培=甘藍(たまな)の種を採るには の記載でしょう。従来日本では種の採り方が難しいとされてきました。高価な輸入種が主だったからです。
しかし、賢治の畑で作られていた頃には、日本自前のたまなの種は生産がされていた。以前他のブログに記した本の前の頁には、滝沢から生産されたキャベツが、貨車で積まれていた写真が出ていました。
農芸大辞林にも、キャベージの生産方法が載っていますので、そちらのほうが簡略に記されていますので、国立国会図書館の方でもごらんになれます。
※ごぞんじとは存じますが、近代デジタルライブラリーが出ましたなら「農芸大辞林」と入力して「検索」で開き、後は頁数でご覧下さい。 追記 デジタル版の写真はシロクロでした。