(このブログはラクガキ絵です。幼い2・3歳のラクガキ絵とまったくおなじです)
上記写真の本「近世 無機化学」と宮澤賢治が大正七年に父政次郎あて書簡[68{6月九日}葉書]に記されてある オストワルド原著・フィンドレイ英訳 「無機化学原理」とどの程度のちがいがあるのか、わたくしにはわからない。賢治は約六ヶ月後の書簡[93{十二月初め}保坂嘉内あて}には、 日下部氏、物理汎論 上下 ・無機化学、(非金属元素)等を「今年中に読もうと思ってゐる本」とあるところをみると、この分厚い本はまだ読んでいなかったのか。それから手紙であるから英訳本なのか池田菊苗訳の上記の本なのかも解らないが、このころの賢治の書簡などから感じられるのは、福島章氏がいうようにメランコリーの状態のせいであったのか。
(新修 宮澤賢治全集 第十六巻)より
賢治研究者の著書には、オストワルドについては片山の「化学本論」からとみられるのであるが、何故かこの「無機化学」はとりあげられていない(宮澤賢治イーハトヴ学辞典 658p)。賢治は読んでいなかったせいなのか。