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今まで、ドメーニコ・スカルラッティ(1685-1757)の作品をピアノで演奏したのを聴いていいと思ったことがなかった。どうしても、通る道なので自分でも弾いてはきたけれど、その時も面白さが今一つぴんとこなかった。これはチェンバロの作品だよなぁ!とこのレコードを聴くまで思っていた。(実際、チェンバロの演奏では彼の作品のよさ、面白さが伝わってくると思う)
これは、ホロヴィッツが1964年にニューヨークで録音したもの、彼は1903年生まれなので61歳の時の録音ということになる。
彼のスカルラッティは友人からこのレコードを借りるまではうかつにも聴いた事がなかった。とにかく最初の曲からピアノで弾くスカルラッティっていいじゃん!と思わせてしまう。その音楽の美しさ、音の美しさ、何ともいえない軽快、軽妙に繰り出される音の流れ。ホロヴィッツのスカルラッティはほんとに魅力的でピアノでもこんなに弾くことができるのだとしみじみ感じさせられた。
スカルラッティが彼の生前に出版された曲集の中で呼びかけた言葉「あなたがもし素人の愛好家であろうと、専門家であろうと、この曲集の中に意味深長な音楽的な思想を期待せず、むしろ楽しい創意にとんだ音楽の遊びを期待して下さい」
まさに・・!!
曲目はA面:L.424、241、188、118、349、465、B面:L.21、203、22、164、187、391
ついで、といっちゃあ恐れ多いんですが、やはりこれをピアノで弾くのは・・・と思っていたが聴いてみると素晴らしい
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いいものは楽器とかじゃなく(当たり前だけど)いいんですね
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