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【神社・史跡】全国でここだけ!珍しい“文字道祖神”と内部に隠された双体道祖神~高野八幡神社@山梨県北杜市小淵沢町 小淵沢

2022-09-06 | 神社・仏閣
JR小淵沢駅より南西へ1.5キロほど七里岩の縁へと至る森の中に高野八幡神社は鎮座しています。
ここには、とても珍しい文字道祖神があると言った情報から訪れたものです。

まず鎮座している場所ですがGoogleマップのナビを頼りに訪れるととんでもない場所に案内されてしまいますのでご注意ください。
北杜市公民館高野分館を目安に訪れれば、楽に訪れることが出来ます。
(写真右の小道を入ります。突き当りに石鳥居が見えて来ます。車は公民館に停車された方が賢明です。徒歩5分ほどです。)
我々が訪れた際、Googleマップのナビを使い案内された場所は、裏山の畑の一画で獣道を頼りに藪をかき分け辺りを付けて登って行ったのですが、あとから楽に訪れることが出来る事を知り、つくづく事前調査は必要と反省した事は言うまでもありません(^^;
高野八幡神社 石鳥居 
拝殿 入母屋造瓦葺 境内は、ゲートボール場として利用されている様でした。
拝殿内部 廻り舞台がありました。
高野八幡神社の廻り舞台・太鼓 現地案内板
拝殿自体が回り舞台だったのは、以前相模原の石老山を訪れた際に、麓の大石神社にもあった事を思い出しました。


本殿は拝殿の奥に祀られているようで、特に建物は無く北側には石祠が並んで祀られているだけでした。

祭祀:誉田別命 
由緒:往古築前国宇佐八幡宮より御分霊を勧請し字西天神八幡森に祭祀して八幡大神と称した。元禄十二年三月社殿火災により焼失したため、字前久保渕岳山高福寺境内に移祀した。其の後維新の神仏分離令に依り氏子一同協議の上現在地に奉遷する。寛文六年検地の際高四斗八升除地となり明治六年社地の内二反二畝が上知され残る二反六畝二〇歩が現在地になり明治八年村社に列す。 (山梨神社庁より)

目的の文字道祖神は、境内の北側の一画にありました。
高さ80㎝、横70㎝ほどのなかなか興味深い四角い石塊です。
正面に亀甲文字の様な字体で書かれた「道祖神」の文字が彫られています。
そして下部に10センチほどの逆ハート型?の穴が開いています。

背後より

 平成11年度に発行された北巨摩郡市町村文化財担当者会 発刊「八ヶ岳考」の報告書には、この文字道祖神を以下の様に紹介しています。
高野八幡神社拝殿北側所在の文字道祖神
 八幡神社拝殿北側にある文字道祖神で、この道祖神について「山梨県の道祖神」の中で、著者の中沢厚氏は「珍しい一個の文字道祖神が小淵沢町高野に鎮座している。甲斐駒ヶ岳と対峙して、眼下に釜無川を見下ろすような八幡神社の右手の山林中に、双神像と、これも道祖神であろう一神像かあり、その問に位置した石塊がそれである。
縦八十センチ、横六十七センチ、角ばった大石の一面に、書体で道祖神の三字を彫ってある。その道祖神の神の字のすぐ下に十センチ弱の小穴が一つ開いている。覗いてみると石塊は空洞らしく、かすかに明るいのはおそらく空洞は下部に抜けているのであろうが、大石塊だから、動かぱこそ調べるわけにはいかぬ女性の胎内を意味する。
かかる空洞石こそそれだけで道祖神の資格充分というわけである。ここでなお興味のあるのは刻まれた三文字の形である。
亀甲文風な特異な筆運びは、「道」の字と「神」の字を部分的に女陰形に表し、「祖」の字の且を男根形に書いているのである。
御念のいった、かかる文字碑は今のところ県内でただ一つである」と述べられていて、書体の文字道祖神は数が少なく貴重である。(引用:八ヶ岳考p86より)

ここで、着目したいのは下部に開けられた穴の存在と道祖神と書かれた文字の一節です。
まず下部にある穴ですが、この状態で中を覗いても真っ暗で何も見えません。
しかし、内部に明かりを灯してみると…。

なんと!内部には双体道祖神が祀られているではありませんか!
内部は、説明文にあるような「空洞」ではなく、双体道祖神が祀られている事が判明しました。
10㎝ほどの小穴からでは、iPhoneのカメラではどうやっても写真が双体にならず、女性のお顔が同時に拝顔出来ません。そこで写真をニコイチにしてみました。

無理やりではありますが、仲良く双体となりました。
つづいて、説明文に書かれた三文字の「道祖神」ですが…。

著者の中沢氏は、道祖神の❝道❞の「首」部分が女陰を。❝祖❞の「且」が男根を現しているとの事ですが…。
どうでしょう!?ちょっと無理があるように思えます。
内部に双体道祖神がある事は彼は確認されていない事からこの辺りは、少々こじつけっぽく感じてしまいます。
しかし内部に隠された形で祀られている双体道祖神。全国でも類例がなくとても貴重な石造物と言えるでしょう。
【マップ】


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