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科学未来館のイベント参加

2006-04-09 | パソコン・ガジェットなど
9日、未来館で開催された「特別レクチャー 超音速の飛行を目指して-超音速実験機の飛行実験より-」のイベントに参加して参りました。
次世代の輸送手段として宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進めている次世代超音速機技術の研究開発の一環で、昨年10月に行われたオーストラリア ウーメラ実験場で小型超音速実験機(NEXST-1)による飛行実験の概略と解説。飛行データの解析の説明が紹介されました。講師は、JAXA航空プログラムグループ超音速機チーム長。工学博士大貫 武 ( おおぬき たけし)氏。
会場には、実際にテストに使われた実験機(NEXST-1)の実物が展示され、以前から興味のある分野だっただけに楽しみにしておりました。


「NEXST-1の機体内部」センサーなどぎっしりつまっているのがわかる

超音速飛行の実用は、すでに1970年代に開発されていた技術で、誰もが知っているフランス・イギリス共同開発で、鳴り物入りで登場した「コンコルド」が有名。しかし、騒音問題から航路は陸路は通れず、受け入れ空港も限られ搭乗定員の割には、燃費が悪いためどこの国も受け入れず、結局就航は、2003年で幕を閉じてしまいました。しかし、超音速機が実用化されれば、日本-アメリカ間をわずか5時間余りで移動でき日帰りの海外出張も可能になります。
確かにコンコルドがポシャり、インターネットの普及で世界の情報は自宅にいながら手に入るようになりました。今すぐに必要な技術かと問われれば、疑問視される事も多いようです。しかし、新幹線がそうであったように、いずれ超音速機が普通に飛ぶ時代が訪れる時代が来ることを想定し、JAXAでは研究開発を続けているそうです。そんな中での飛行実験だったので予算的な問題を含めいろいろな問題点があったそうですが、今回の成功は、世界から注目されており確実に次へのステップに繋がったようです。
レクチャーの中で特に面白かったのが今回の実験機の空力問題に使われた設計方式が「逆問題設計法」の手法を用いたことについて興味を持ちました。今までの設計では、構造上の問題点にのみ手法を凝らし工夫していたのに対し摩擦係数をデーターとしてPCに与え理想的な圧力分布を求めそこから空力に最も適する 形状を求めるという画期的な手法を用いたという点です。
参考URL 「超音速自然層流翼設計のための逆問題設計法の研究」

実験で得られたデータは、世界から特に注目されているそうです。何でも、今までまともに研究されていなかった分野なんだそうで、1970年代すでに商業化に成功していた超音速旅客機コンコルドが飛んでいたはずの割には、ちょっと考えられない事ですが、確かにもっと深く問題点を掘り下げてさえいれば、受け入れられていたかも知れません。やはり、今の一番の課題は、ソニックブームによる騒音問題がテーマだそうです。ソニックブームとは、超音速で飛ぶ飛行体が引き起こす爆発音ですが、低減する有効な手段としては、やはり機体の形状を工夫することが一番だそうですが、いまだ有効な理論は確立されておらず超音速飛行の一番の問題点と言えるようです。

JAXAの今後の展望としては、まず、一番の問題点でもあるソニックブームの低減と離着陸時騒音低減、高度システム統合技術(自立型(離陸~着陸))のジェットエンジンを搭載した飛行テストを続け、2020~以降 次世代超音速旅客機の実現を目指していくそうです。

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