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鳥居との出会い

2006-03-19 | 鳥居見聞録
ここ数年、ライフワークとして「鳥居散策」があります。そもそも自分にとって一番インパクトのあった鳥居が「三柱鳥居」との出会いでした。その形状の奇抜さゆえ今では、レア鳥居(鳥居の型(…っていうのがあるんです。おいおい記述してゆきます)に反し逸脱した形状の鳥居を指します)の頂点に君臨しているが、いろいろ調べてゆくとその形状には、千差万別非常に興味深いものがありました。
神社に訪れる機会って普通の人は、正月とお祭りの日くらいだと思います。
ですが、自分達夫婦は、かなりの神社好き。休日には、わざわざ神社に参拝しに行く事もしばしば。そんな関係でいろいろ鳥居を見る機会も多く自分なりにいろいろ調べだしたら「鳥居」のルーツというのは、今でもはっきりした事が分かっていないようで、こんな身近で良く見るものなのに不思議でした。
そもそも日本で一番古い鳥居というのが山形県にあるのですが(参照URL 高房神社の石鳥居~烏帽子石日本一の石鳥居) 残念ながらそこからは、何も答えは見出せませんでした。
鳥居のルーツに関しては、鳥居研究の草分け「根岸栄隆」の説が一般的なのでいろいろな所で書かれていますがご紹介しておきます。(引用の中には、追記された部分もあります。)

(1)インドのストゥーバ(仏舎利をおさめた仏塔)の前にあるトラーナという門があるが、この形状が鳥居に似ており、また、トラーナという音もトリイに似ている事からこれが鳥居の起源であるという説

(2)中国で宮城や陵墓の前に建てられた華表〈かひょう〉という門が鳥居の起源だとする説。華表の字に「とりい」という訓をあてることもあり、華表というのは鳥居の中国語訳にもなっている。

(3)日本では古くから2本の柱の上部に注連縄を渡した注連柱というものがあり、これが鳥居の原型だとする説

(4)『古事記』に次のような神話がある。天照大神が天岩戸に隠れた時に、神々は天岩戸の 前で「常世の長鳴き鳥(ニワトリの古称)」を鳴かせて岩戸を開き、大御神を引っ張り出そうとした。この鳥を止まらせるために作った止まり木が鳥居の起源であるという。現在でも止まり木に鶏を止まらせて鳴き声を競う神事が各地で行なわれているのは、この故事にちなんだものである。このことから「鳥の止まり居るところ」というのが鳥居の語源であると いう。また鳥居を通って神域に入っていくということから、「通り入る」という言葉から転化したとも言われている。
(以上 日本石材工業新聞 第1663号より 引用)
 
いずれにしても鳥居は俗界と神域を区画する結界として太古の昔から神社には欠かす事の出来ない存在だったものと考えられているみたいです。平安時代の『延喜式』には、各神社が社格に応じた鳥居を構えるようにとの記述もみられるのですが「社格に応じた鳥居」というのが今で見られる様々な鳥居の形状になっているのではないかと推測できます。

鳥居のルーツを一通り述べたところで次回は、鳥居の構成部品を紹介してゆきます。
(写真:京都 大寧軒の三柱鳥居) つづく

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