“何度も泣きました” “言葉の持つ力に感動!!元気が出るお仕事小説”
文庫本の帯にそんなことが書いてあります。原田マハの45万部突破のベストセラー『本日は、お日柄もよく』を読む。
まあ泣こうと思って読んだんじゃないけど、通勤電車の中で3度は泣いちゃいました。
帯に偽りなし^^;
恋ごころを抱いていた幼なじみ厚志の結婚式に出席している、失意の二ノ宮こと葉。
退屈なスピーチが続く中、突然襲ってきた睡魔でスープに顔を突っ込んでしまう。
顔を洗いにいったん披露宴会場の外に出る。
ロビーに戻り、長椅子に座ると小さな笑い声が聞こえてきた。
一目で出来ると思わせるその女性は、眠気を誘ったスピーチに、次々とダメ出しをする。
しばらくして会場の中に戻ったが、あの女性が何者なのか気になり、あたりを見回してみるがみつからない。
そこへ新郎の知人として紹介された女性が壇上に立つ。
それが伝説のスピーチライター久遠久美との出会いだった。
偶然の出会いからスピーチライターという仕事することになる主人公。
挫けそうになりながらも、周りの仲間たちのサポートにより成長していく。
よくあるパターンのお仕事小説。
ただスピーチライターという仕事を、テーマにあげることに感心する。
だってほんとうに読者を感動させるスピーチを作らなければ、この話が成立しないんだから。
普段何気なく使っている言葉に秘められた力。
感情を揺さぶり、励まし力づけてくれる言葉。
ワードのチョイスや話し方のテクニックなんかがたくさん出てきて、普通にスピーチのノウハウ本にも使えそうだ。
でも私はそんなことより、単純に素晴らしいスピーチを聴いた時のような感動が心地よかった。
別に私はスピーチ力を付ける必要もないんだけど、何か心に残るフレーズを書いてみたいという、おこがましい欲求が沸々と湧いてきてしまう。
この読後の自らのモチベーションが上がる感じもまた素晴らしい。
ちなみにこの作品、もうTVドラマ化されてました。
主人公のこと葉を比嘉愛未さんが演じるという、嬉しいキャスティング。
こういう作品こそAmazonプライムで出してくんないかなあ。
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