さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

さっちゃんの手術は無事終了しました。そして術後、15分間の面会を病室のベッドで許されました

2021-12-06 23:00:03 | 大腿骨転子部骨折
今日10時49分、僕はA病院に電話を入れました。
さっちゃんの今日の手術が予定通り行なわれるかどうかを確認するためです。
日曜日の血液検査の結果が芳しいものでなかったら、延期される可能性もあったからです。
結果は予定通りの実施。

手術は1時半からの予定ですから、病院へは1時くらいに着きたいなと思っていました。
ただ、先週確認したところ、「そんなに早く来なくても、ギリギリでも大丈夫」と言われました。
ですから、1時15分ころに病院に到着するようにしました。
午後にはにわか雨が降る可能性もあるとのことで、自転車ではなく電車で行くことにしたのです。

病院の裏側の副玄関から入り、防災センターで手の消毒と体温測定をします。
僕の顔を覚えられていたせいなのか、何の書類も書かずに通してくれました。
(その書類はナースステーションで書くことになりましたが)
4階のナースステーションの前で待ちます。

1時半、さっちゃんがベッドに乗って病室から出て来ました。
僕はまだそばに寄ることは出来ません。
さっちゃんの運ばれて行くベッドから10mほど離れた場所で見送りました。
看護師さんが「さっちゃん、目を開けて。ご主人が来てくれてるよ」と言ってくれます。
さっちゃんの頭の位置が何となく分かる程度ですが、僕はさっちゃんに向かって呼びかけ、手を振ります。
でも、さっちゃんは目をつむったままのようです。

さっちゃんは2階の手術室へ行き、僕は4階のフロアで待つことになりました。
2時50分、看護師さんから呼ばれて、僕は2階の手術室隣りの待合室に案内されました。
そこで、医師からレントゲン写真を見せられ、手術が予定通り無事に終了したことを告げられました。

しばらくその待合室で待っていると、3時3分、さっちゃんのベッドが手術室から出て来ました。
さっちゃんは静かに目を閉じていました。
さっちゃんと僕とはそれぞれ別のエレベーターで4階に行きます。
4階のフロアで少し待っていると、看護師さんが僕を呼び、さっちゃんの病室まで連れて行ってくれました。
4人部屋の窓側のベッドです。

看護師さんは僕を案内してくれると、すぐにその場から離れて行きました。
1週間ぶりの僕とさっちゃん、二人だけの空間です。
僕はさっちゃんの額から髪の毛へと何度も何度も撫ぜてあげます。
「さっちゃん、僕だよ」
そう言っても、さっちゃんは目を閉じて静かなまま。
「さっちゃん、よく頑張ったね。大丈夫?」
頭をずっと撫ぜ続け、同じ言葉を繰り返しさっちゃんに投げかけ続けます。
すると、さっちゃんは少しずつ反応してくれるようになりました。
小さな声で、何やら喋ってくれます。
そして、目も開けてくれました。
でも、またすぐに閉じてしまいます。
ちょっとだけ薄っすらと目を開けてくれます。
「さっちゃん、よく食べるんだよ」
「さっちゃん、よく寝なさいね」
「さっちゃん、明日からリハビリ頑張ってね」
「さっちゃん、どこか痛くはないの?」

僕はさっちゃんにいろんな言葉を投げかけます。


▲15:15。さっちゃんは目を開けてもすぐに閉じてしまいます。眠たいのでしょうか? 疲れているのでしょうか? 目は閉じていても、何やら小声で喋り続けていました。(いつもは目鼻を消すのですが、この写真では、せっかく目を開けてくれたので)

15分間の面会時間はすぐに終了してしまいます。
毎日、15分間だけでもいいので、こんな風に会わせてくれればいいのに、と思ってしまいます。
さっちゃんは僕のことが分かっていたんでしょうか?

面会終了を告げに来た看護師さんが僕に「マスクはしてくださいね」と言います。
僕はさっちゃんに僕の顔を見せようとマスクを外していたのです。
僕は看護師さんに微笑みながら言いました。
「僕の顔を忘れられたら嫌ですからね」
コメント
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