今週の月曜日、月に一度の相談員・S田さんとの面談がありました。
僕は実に久し振りのハードな山行の影響で、月曜日と火曜日は疲労感に沈んでいて、ブログでの報告どころではありませんでした。
水曜日になって、食欲も通常の感じに戻って来ました。
ですから、やっとここにご報告できます。
面談がスタートするとすぐに、S田さんが言うんです。
「さっちゃんは最近笑顔をよく浮かべるんですよ!」
「なんて素敵な笑顔なんでしょう!」
「あんな表情をする人なんですね」
そう、そう、そうなんですよ!
さっちゃんの笑顔は最高なんですよ!
僕も「我が意を得たり」と嬉しくてたまりません。
認知症が重くなるにつれ、笑顔を浮かべることは少なくなりましたけれど、たまに浮かべる笑顔の素敵さは増したような気がしていました。
それが大腿骨骨折で入院し、肺炎で救急搬送され、立つことも起き上がることも、自分で食べたり飲んだりも出来なくなりました。
自力では何も出来なくなって、表情も失われてしまいました。
老健入所時は、体に触られると「いや!」という言葉だけは発していたそうです。
最近は「口腔ケアしましょうね」とかスタッフさんが声掛けすると、「は~い」と応えるんだそうです。
まあ、もちろん毎回そうだとは限らないと思いますけれど。
S田さんがおっしゃるには「ここでの生活(人や環境)に慣れてきたようですね」とのこと。
介護の方のコメント:発語も多くなっている。笑顔も多く見られている。
PTのコメント:リハビリ中、身体に触れるのに強い拒否はなくなり、アイコンタクトや笑顔が増えたようです。
STのコメント:入所時に比べ、声かけに対し笑顔で何か話したり、頷きがみられたりと表情豊かになっています。
老健での生活に慣れてきたというのも、体調の安定があるからだと思います。
体温、脈拍、血圧等も安定していますし、排便状況もまずまずのようです。
経鼻経管による栄養や水分の摂取も順調なようです。
鼻からの管は常時エヘン虫を感じてるようなものなのに、さっちゃんは一度も外そうとはしないそうです。
S田さんは「外すことが良くないことだと分かってるんでしょうね」と言います。
「それはどうなんだろう?」と、僕には分かりませんけどね。
僕は疑問に思っていた次の点も聞いてみました。
それは老健は3ヶ月間が入所期間の限度なんじゃないか、ということです。
それ以上入所し続けるためには、途中で別の病院へ入院して、いったん退所として改めて入所し直すなどの対応をするのではないか?
そんな風に僕は漠然と思っていたんです。
それは、遅くとも3ヶ月後にはさっちゃんは退所して、僕との生活が始まるんだ、と希望的観測の裏付けでもあったのです。
でも、なかなか胃瘻造設手術の日程も決まりませんし、そんな楽観論は砕かれてしまいましたけれどね。
ただ、老健自体が病院と家庭の橋渡しのような役割をするのですから、「長居は無用」のような基本的考え方があると思っていました。
そんな風に考えていた僕に対する、S田さんの答えは以下のようなものでした。
「要介護1の方には3ヶ月以内という目安はあります。でも、要介護2~5の方にはそのような目安はありません」
そうなんですね。
3ヶ月間というのは無理でも、どちらにせよ短期間だとばかり僕は思っていました。
でも、少し長期戦になる可能性も考慮しなければならないようです。
他にも幾つかのことを話し、聞きました。
S田さんは胃瘻造設手術のことを医師に聞いて確認してくれるようです。
S田さんと別れ、I老健から帰りながら、僕は涙が滲んで来ます。
さっちゃんの笑顔が復活していることが嬉しくてたまりません。
直接、あの笑顔を見たくて仕方ありません。
だけど一方で、老健での生活に慣れるのに反比例して、僕のことを忘れているんじゃないかと寂しくなってしまいます。
僕に対していちばんの笑顔を向けて欲しいと願ってしまいます。