デイサービスから早く帰って来て、軽く昼食を食べると、さっちゃんは布団の中へ。
デイの日はいつもより早く起きてますし、いろいろと体も動かしていますから、ゆっくり休んだ方がいいでしょう。
機嫌は引き続きあまり良くないみたいです。
そして、「私は帰る」みたいな言葉を発します。
さっちゃんがよく発する言葉で、どうやらさっちゃんが思っている自分の家へ帰ることのようです。
さっちゃんにとっての自分の家には、さっちゃんの母親はどうやら確実にいるみたい。
さっちゃんの心の中のイメージがあるんでしょうね。
そんな言葉を発していたのに、僕はひとつミスを犯してしまいました。
玄関にチェーンを掛けなかったんです。
最近、さっちゃんが「家に帰る」モードになると、チェーンを掛けることにしてるんです。
さっちゃんはチェーンを外すことが出来ませんから。
そのモードになっても実際に外へ出ることはほとんどないんですが、たまに玄関へ行くことがあります。
そして、チェーンを掛けないまま、僕はトイレへ。
その最中に、さっちゃんが玄関に来て、出かけたような音が聞こえました。
14:15ころのことです。
トイレから出ると、僕は部屋の中にさっちゃんがいないことを急ぎ確認し、
玄関から出て、僕とさっちゃんがいつも使っている出口が見下ろせる場所へ行きました。
それほど時間が経ってないので、そこから出てくるさっちゃんが見えても可笑しくありません。
でも、出て来ません。
もう、そこから見える範囲の外へ出てしまったようです。
僕は下まで駆け下り、駅やスーパーへ行く道が見通せる場所まで走りました。
でも、見えません。
再び駆け上がり、部屋に残されている服から、今着ている服を確認したり、
いま履いている履物を確認。
黄色いTシャツにライトブルーでチェックのシャツ、
薄茶色(実際は薄苔色)の7分丈のズボンに黒いサンダル。
そして、部屋の鍵は開けたままにして、自転車をエレベーターに載せました。
時刻を確認すると、まだ14:15からは10分と経っていません。
さっちゃんが一番よく歩いている道、それはスーパーへの道です。
まず、そこを探しました。
家から15分くらいかかるところまで自転車で来ましたが、見つかりません。
そこから家から駅への道に回り込みました。
駅近くから家に向かって自転車をこぎます。
太陽も照り付けていて、汗びっしょり!
でも、さっちゃんの姿は見つかりません。
いったん、家へ戻ってみようと思いました。
ひょっとしたら、さっちゃんが帰って来てるかもしれませんし。
14:34、家のすぐ手前で、電話がかかってきました。
デイサービスからです。
この日、さっちゃんは眼鏡を忘れてきたので、そのことでかかってきたようです。
さっちゃん担当のケアマネさんからでした。
眼鏡を届けに行くということを告げるケアマネさんに僕は
「さっちゃんが家から出てしまって、見つからなくなりました」と報告します。
ケアマネさんは自分もこれからそちらで一緒に探す、そう言ってくれます。
とにかく僕は近所を探しまくらなければなりません。
家では水をたくさんゴクゴク飲みました。
今度は多摩川の土手です。
この土手は散歩コースだったり、クリニックや他の買い物に行く際によく使うコースです。
まずは上流へ向かいました。
歩いて30分くらいかかるところまで行きました。
いません。
戻って、次は下流へ歩けば40分くらいかかるところまで、自転車を走らせました。
やっぱり、いません。
家へ戻り、さっちゃん不在を確認し、僕は水分の補給をします。
続いて今度はもう一度スーパーへの道を探しに行きました。
枝道もたくさんありますから、あまり自転車のスピードを上げるわけにもいきません。
周囲へも目を配りながら、スーパーまで行きました。
今回はスーパーの食品売り場もぐるりと回ってみました。
いません。
そのまま駅へと行きました。
自転車を置いて、駅の改札へ行き、さらに反対側の駅の出入り口にも行きました。
やっぱりいません。
駅から家までの道を枝道にも目を光らせながら家へ向かいました。
15:50、ケアマネさんから電話、家へ来たとのこと。
このまま進展がなければ、警察に頼んだ方がいい、そう言います。
僕もすぐそばまで戻っていたので、家で会いましょうと約束。
家に戻った僕は再再度部屋の中を確認。
さっちゃんは戻っていません。
15:57、僕は110番しました。
携帯からでも110番でいいんですね。
氏名、年齢、身長、体重、衣服、履物、髪の様子、そして病状。
自分では自分の名前や住所が言えないこと、言葉不如意で会話が成立しないこと等を告げます。
玄関を出ると、ケアマネさんがいました。
スーパーから探しながら来たそうですが、いなかったと。
ケアマネさんも多摩川土手を探してみると言ってくれました。
デイサービスのスタッフの中にも探してくれている方もおられるようです。
僕は警察が来るので、部屋からは離れられません。
何時くらいだったでしょうか?
2名の警察官の姿が近づいてくるのが確認できました。
上の廊下まで上がって来て、手を振っている僕の姿を認め、来てくれました。
電話で確認された情報をもう少し詳しく聞かれ、さっちゃんの写真も見せました。
A市の全署にその情報が回るんだそうです。
警察からは家にいて待機しておいて欲しいと言われています。
でも、ただじっとしておくことなんて出来ません。
住んでいる棟の最上階へ行き、エレベーター広場と、我が家と同じ位置にある部屋を確認。
それを全階見るつもりでした。
何階を見終わったときでしょうか?
16:31、警察から電話が!
さっちゃんが見つかった!
H橋のN社から電話があって、どうやら本人のようだと。
5分か10分後にそちらに到着すると言います。
ちょうどケアマネさんも戻って来て、そのことを報告しました。
しばらくして、警察官の姿とさっちゃんの小柄な姿が目に飛び込んできました。
僕は下まで降りてさっちゃんを迎えます。
さっちゃんも何やらまくしたてていますが、思いのほか元気。
さっちゃんなりに興奮してるんだと思います。
警察の方が差し出す2枚の書類に必要事項を記入して、警察官はすぐに帰ってしまいました。
さっちゃんとケアマネさんの3人で、しばらく部屋の中で話します。
さっちゃんもケアマネさんも水をたっぷり飲みました。
さっちゃんはケアマネさんに僕の悪口や僕への不満を延々としゃべり続けています。
ケアマネさんも「そうよね、男の人はそうよね」と相槌を打ちます。
もちろん、内容はさっぱり分かりませんが、
僕のことを「何もしない人」と言って責めているようですね。
まあ確かに、稼ぎはほとんどないし、家事もほとんどしない自分でしたからね。
これだけ元気に喋ってますから、心身のダメージはあまりないようですね。
3日後の9月13日、さっちゃんを保護して警察に連絡してくださったH橋のN社へお礼に向かいました。
家から2kmほど離れた場所です。
近所の和菓子屋さんで果物などのゼリー菓子をお礼用に買いました。
N社は世界的にも有名な会社で、その販売店なんですが、
伺うと、「10日の日はうちはお休みだなぁ」とのこと。
でも、ここは敷地がすごく広くて、関連の他社もあるんです。
幾つかの会社に聞いてくださいました。
するとどうやら陸送の会社だとのこと。
そこへ連れて行ってくださいました。
50代くらいの男性がみえて、その時の様子を教えてくれました。
広い敷地に迷い込んで、出口を探してるように見えたんだそうです。
声をかけて、いろいろ聞こうとしても、ぜんぜん要領を得ないんで、警察に連絡してくださったようですね。
こういう方の目に留まって、ラッキーでした。
そうでなければ、さらにどのくらい時間が経ったことでしょう。
こうして、9月10日の大事件三連発は終わりました。
たまたま3つが重なったので、忘れないよう書き残しましたが、
書き残しておきたい事柄は、毎日毎日起きています。
忙しくて、時間がなくて、書き残せなかったり、そのうち忘れてしまったり・・・・
さっちゃんと暮らしていると、驚かされることばかりですね。
デイの日はいつもより早く起きてますし、いろいろと体も動かしていますから、ゆっくり休んだ方がいいでしょう。
機嫌は引き続きあまり良くないみたいです。
そして、「私は帰る」みたいな言葉を発します。
さっちゃんがよく発する言葉で、どうやらさっちゃんが思っている自分の家へ帰ることのようです。
さっちゃんにとっての自分の家には、さっちゃんの母親はどうやら確実にいるみたい。
さっちゃんの心の中のイメージがあるんでしょうね。
そんな言葉を発していたのに、僕はひとつミスを犯してしまいました。
玄関にチェーンを掛けなかったんです。
最近、さっちゃんが「家に帰る」モードになると、チェーンを掛けることにしてるんです。
さっちゃんはチェーンを外すことが出来ませんから。
そのモードになっても実際に外へ出ることはほとんどないんですが、たまに玄関へ行くことがあります。
そして、チェーンを掛けないまま、僕はトイレへ。
その最中に、さっちゃんが玄関に来て、出かけたような音が聞こえました。
14:15ころのことです。
トイレから出ると、僕は部屋の中にさっちゃんがいないことを急ぎ確認し、
玄関から出て、僕とさっちゃんがいつも使っている出口が見下ろせる場所へ行きました。
それほど時間が経ってないので、そこから出てくるさっちゃんが見えても可笑しくありません。
でも、出て来ません。
もう、そこから見える範囲の外へ出てしまったようです。
僕は下まで駆け下り、駅やスーパーへ行く道が見通せる場所まで走りました。
でも、見えません。
再び駆け上がり、部屋に残されている服から、今着ている服を確認したり、
いま履いている履物を確認。
黄色いTシャツにライトブルーでチェックのシャツ、
薄茶色(実際は薄苔色)の7分丈のズボンに黒いサンダル。
そして、部屋の鍵は開けたままにして、自転車をエレベーターに載せました。
時刻を確認すると、まだ14:15からは10分と経っていません。
さっちゃんが一番よく歩いている道、それはスーパーへの道です。
まず、そこを探しました。
家から15分くらいかかるところまで自転車で来ましたが、見つかりません。
そこから家から駅への道に回り込みました。
駅近くから家に向かって自転車をこぎます。
太陽も照り付けていて、汗びっしょり!
でも、さっちゃんの姿は見つかりません。
いったん、家へ戻ってみようと思いました。
ひょっとしたら、さっちゃんが帰って来てるかもしれませんし。
14:34、家のすぐ手前で、電話がかかってきました。
デイサービスからです。
この日、さっちゃんは眼鏡を忘れてきたので、そのことでかかってきたようです。
さっちゃん担当のケアマネさんからでした。
眼鏡を届けに行くということを告げるケアマネさんに僕は
「さっちゃんが家から出てしまって、見つからなくなりました」と報告します。
ケアマネさんは自分もこれからそちらで一緒に探す、そう言ってくれます。
とにかく僕は近所を探しまくらなければなりません。
家では水をたくさんゴクゴク飲みました。
今度は多摩川の土手です。
この土手は散歩コースだったり、クリニックや他の買い物に行く際によく使うコースです。
まずは上流へ向かいました。
歩いて30分くらいかかるところまで行きました。
いません。
戻って、次は下流へ歩けば40分くらいかかるところまで、自転車を走らせました。
やっぱり、いません。
家へ戻り、さっちゃん不在を確認し、僕は水分の補給をします。
続いて今度はもう一度スーパーへの道を探しに行きました。
枝道もたくさんありますから、あまり自転車のスピードを上げるわけにもいきません。
周囲へも目を配りながら、スーパーまで行きました。
今回はスーパーの食品売り場もぐるりと回ってみました。
いません。
そのまま駅へと行きました。
自転車を置いて、駅の改札へ行き、さらに反対側の駅の出入り口にも行きました。
やっぱりいません。
駅から家までの道を枝道にも目を光らせながら家へ向かいました。
15:50、ケアマネさんから電話、家へ来たとのこと。
このまま進展がなければ、警察に頼んだ方がいい、そう言います。
僕もすぐそばまで戻っていたので、家で会いましょうと約束。
家に戻った僕は再再度部屋の中を確認。
さっちゃんは戻っていません。
15:57、僕は110番しました。
携帯からでも110番でいいんですね。
氏名、年齢、身長、体重、衣服、履物、髪の様子、そして病状。
自分では自分の名前や住所が言えないこと、言葉不如意で会話が成立しないこと等を告げます。
玄関を出ると、ケアマネさんがいました。
スーパーから探しながら来たそうですが、いなかったと。
ケアマネさんも多摩川土手を探してみると言ってくれました。
デイサービスのスタッフの中にも探してくれている方もおられるようです。
僕は警察が来るので、部屋からは離れられません。
何時くらいだったでしょうか?
2名の警察官の姿が近づいてくるのが確認できました。
上の廊下まで上がって来て、手を振っている僕の姿を認め、来てくれました。
電話で確認された情報をもう少し詳しく聞かれ、さっちゃんの写真も見せました。
A市の全署にその情報が回るんだそうです。
警察からは家にいて待機しておいて欲しいと言われています。
でも、ただじっとしておくことなんて出来ません。
住んでいる棟の最上階へ行き、エレベーター広場と、我が家と同じ位置にある部屋を確認。
それを全階見るつもりでした。
何階を見終わったときでしょうか?
16:31、警察から電話が!
さっちゃんが見つかった!
H橋のN社から電話があって、どうやら本人のようだと。
5分か10分後にそちらに到着すると言います。
ちょうどケアマネさんも戻って来て、そのことを報告しました。
しばらくして、警察官の姿とさっちゃんの小柄な姿が目に飛び込んできました。
僕は下まで降りてさっちゃんを迎えます。
さっちゃんも何やらまくしたてていますが、思いのほか元気。
さっちゃんなりに興奮してるんだと思います。
警察の方が差し出す2枚の書類に必要事項を記入して、警察官はすぐに帰ってしまいました。
さっちゃんとケアマネさんの3人で、しばらく部屋の中で話します。
さっちゃんもケアマネさんも水をたっぷり飲みました。
さっちゃんはケアマネさんに僕の悪口や僕への不満を延々としゃべり続けています。
ケアマネさんも「そうよね、男の人はそうよね」と相槌を打ちます。
もちろん、内容はさっぱり分かりませんが、
僕のことを「何もしない人」と言って責めているようですね。
まあ確かに、稼ぎはほとんどないし、家事もほとんどしない自分でしたからね。
これだけ元気に喋ってますから、心身のダメージはあまりないようですね。
3日後の9月13日、さっちゃんを保護して警察に連絡してくださったH橋のN社へお礼に向かいました。
家から2kmほど離れた場所です。
近所の和菓子屋さんで果物などのゼリー菓子をお礼用に買いました。
N社は世界的にも有名な会社で、その販売店なんですが、
伺うと、「10日の日はうちはお休みだなぁ」とのこと。
でも、ここは敷地がすごく広くて、関連の他社もあるんです。
幾つかの会社に聞いてくださいました。
するとどうやら陸送の会社だとのこと。
そこへ連れて行ってくださいました。
50代くらいの男性がみえて、その時の様子を教えてくれました。
広い敷地に迷い込んで、出口を探してるように見えたんだそうです。
声をかけて、いろいろ聞こうとしても、ぜんぜん要領を得ないんで、警察に連絡してくださったようですね。
こういう方の目に留まって、ラッキーでした。
そうでなければ、さらにどのくらい時間が経ったことでしょう。
こうして、9月10日の大事件三連発は終わりました。
たまたま3つが重なったので、忘れないよう書き残しましたが、
書き残しておきたい事柄は、毎日毎日起きています。
忙しくて、時間がなくて、書き残せなかったり、そのうち忘れてしまったり・・・・
さっちゃんと暮らしていると、驚かされることばかりですね。