みやこ海風だより

市議会報告からNPO活動、海を活用したまちづくり、文化創出のまちづくりをベースにしたつぶやきです。

市議会6月定例会を終えて

2012-06-27 11:13:20 | 議会のことなど
先週、市議会6月定例会が終わった。ホッと一息つきたいところだが、私は、後期の2年間、議会広報特別編集委員会の委員長を務めることになった。よって、今度はその議会報編集に向けての会議を行わなければならない。

さて、今回の議会では一般会計補正予算案など審議、7議案を可決した。補正は21億1260万円を増額し、累計600億4357万となった。主な歳出は、災害エフエムの聴取エリア拡大のための「エフエム演奏所及び送信所等設備設置業務」で約1億9000万円、災害危険区域以外への住宅移転に利子補給する「がけ地近接等危険住宅移転補助金」約6億1300万円、木質バイオマスを活用し再生可能エネルギーを核とした事業スキームの構築などの調査等を行う「木質バイオマス活用事業化可能性調査」(3委託事業)約1億円のほか、「防災行政無線施設難聴地域解消工事費」5000万円、仮設住宅が学校校庭に建設され児童の運動が確保できなかった赤前小学校に対する「赤前小学校仮設グランド整備工事費」1130万円などである。

このうちの災害エフエムの聴取エリア拡大についての事業は、その整備によって将来の恒久的なコミュニティ放送へ展開される見通しだ。公設民営方式によっての地域独自の情報を発信する放送局として期待が寄せられる。以下新聞記事を参照

地域独自のメディアを持つ事については、議席を得て初めての一般質問で取り上げて来た。
以下は、2010年6月定例会での私の質問でもある。
「(略)コミュニティ放送局とは、市町村単位で地域に密着した情報を提供するFM放送局です。1992年1月に制度化されたもので、地域行政、観光、生活、福祉、医療、産業、経済、そしてコミュニティ情報などの提供を通じて当該地域の振興、その他公共の福祉の増進に寄与するものです。そうしたことから地域の特色を生かした番組や、地域住民が参加したり、急を要する情報の提供などができる豊かで安全なまちづくりに貢献できる放送局となっています。災害時や緊急時にもリアルタイムできめ細かい情報が提供できるものであり、特にも宮古地域は津波災害などが想定され、それらに対する情報発信は大きな存在になり得るものです。コミュニティFM局は全国で既に240局ほど開局しています。沿岸拠点都市を目指す本市においても必要なツールであると思い、文化的で住みよいまちづくりを推進するためにも欠かすことができない地域メディアであるとも思います。このように、地域にみずからの放送局を持つということは宮古地域全体の基盤整備にもつながり、市民生活及び産業の発展に寄与できるものと思います。宮古市として開局推進への考え方があるのかお伺いします」

その時の市長答弁は「コミュニティ放送局開局の可能性については、引き続き宮古地域コミュニティ放送モデル事業を支援し、その必要性と有効性についての検証結果を注視するとともに、民間主導による開局に向けた今後の方向性が示されることを期待しております」とのこと。(※宮古地域コミュニティ放送モデル事業とは当時、NPO団体が社会実験を行っていたもの)

当時は、宮古市としては市独自で取り組む地域情報化の基盤整備には積極的ではなかった(今もだが)。しかし、この災害を契機にその有用性を理解したということは皮肉な話で、災害がなければ実現も難しかったかも知れない。いずれにしても一歩大きく前進した(事業費はすべて国負担だが)。あとは市民一体となって「みんなのラジオ」に育てていってほしい。

さて、話は長くはなってきた。
今回の定例会では2つのことを一般質問で行った。
1つは震災がれきを資源として有効活用できないか。2つ目は、やはり情報化におけるソーシャルメディアの活用を、というものだった。

震災がれきは、ブログに書いた「緑の防潮堤」のことである。がれきの広域処理をめぐっては大きな問題が起きている。受け入れ自治体には感謝しつつも、住民らの反対運動などには心が痛む思いである。しかし、私たちのがれきはあくまで津波によってのがれきであることを理解願うものである。しかしながら地元としても黙っているわけにはいかない。地元で処理するための提案として次のように質問した。
「(略)がれき処理について被災地が資源として有効活用する緑の防潮堤という考え方がある。がれきと土を混ぜて埋め、盛り土して高台を作り、土地本来の木々を植えて多層構造の森を形成し、津波から私たちの生命と心と財産を守ろうというもの。宮城県をはじめ県内では大槌町が取り組みはじめている。またエコサイクルという視点での同様の整備も注目されつつあり、がれきを活用した緑の防波堤・多目的防災林を自然海岸の背部に造成し、築堤の森と海岸を結ぶエコトーンを造るというもの。自然と共生し、対立を超えて人々が森を育てる活動につながるが、市として取り組む考えはないか」

これに対する市長答弁は「緑の防潮堤は、本市の場合、海岸部に山が迫り、地形的に津波防災を主眼とした防災林の造成をするには森林の幅が確保できず、実現は困難だ」。予想された答弁ではあるが、鎮魂の森の意味合いをもつこうした整備にも目を向けてもらいたいものだが、決まったもの(防潮堤整備)に対して変更するというのは行政には絶対ない。場所もそれなりに調査しているところもあるのだが、少しは検討してほしいものだ。
一方、野田総理は東日本大震災で発生した震災がれきの再利用について、青森県から千葉県にかけて140キロにわたる海岸防災林を作っていこうとし、これを緑の絆再生プロジェクトと名づけスタートさせる考えをしめし、今年中に50キロ作りたいと述べている。これを受けて市はどうでるだろうか。

最後にソーシャルメディアの活用についての質問。
「3月11日の震災発生以降、災害情報や安否情報などの情報共有で、ソーシャルメディアが活躍している。特に自治体や政府などからリアルタイムに発信される情報は信頼度が高く、今後、公共サービスとしてソーシャルメディアが活用されていく契機となっている。(略)その役割として継続的な情報の発信、市民からの意見収集・政策へのフィードバック・チェックなどの効果が期待される。こうしたソーシャルメディアを活用し、市民との効果的な情報共有ルートを築いておくべきだと考えるが、見解を伺う」

これに対し市は「利用者の書き込みが自由に行えることから誤った情報が伝わる可能性がある。個人情報の漏えいなど活用については慎重な検討が必要だとの素っ気ない回答だった。まだやってもいないのに、リスクだけを心配している。要は、市民の意見を主役として、情報をマネジメントすること。これが双方向の鍵となるものだ。

長文にて失礼しました。


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