月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.289 ジョン・サイクス死去

2025-01-21 22:44:54 | 墓碑銘

また悲しいニュースが入ってきました。

ホワイトスネイク、シンリジィ、ブルーマーダー等で活躍していたギタリストのジョン・サイクスが亡くなったとの事。

 

ジョン・サイクスさんが死去、がんのため 65歳 ホワイトスネイク代表作など参加 広瀬さとしJIMMYが明かした胸の内

 

自分はホワイトスネイク時代は、あまりメタルを聴いていなかったので、『白蛇の紋章』の凄さはわからなかったのですが、

デビット・カバーデイルとジミー・ペイジのユニットであるカバーデイル=ペイジの来日公演のアンコールで聴いた

『スティル・オブ・ザ・ナイト』がカッコよくて、誰の曲か調べてたどり着いた経緯があります。もっと早く聴いておくべきだったかなと。

 

 

最初に興味を持ったのは、ブルーマーダーでした。もっとも、ドラムが元ヴァニラファッジやベック、ボガード&アピスの

カーマイン・アピスだから興味を持ったのですが。でもそのサウンドは、自分の好みにも合いましたので、サイクスに興味を持ったわけです。

 

 

シン・リジィは、後になって興味を持つことに。晩年の『サンダー&ライトニング』とか。

『Please don't leave me』はサイクスの曲ですが、フィル・ライノットも参加しているバージョンがいいですね。

 

 

最近は、名前も見る事もなかったのですが、まさか癌だったとは思いませんでした。ご冥福をお祈りします。

 


NO.288 頭脳警察「絶景かな」

2025-01-18 00:34:03 | 頭脳警察、PANTA関連

某所で書いていた『パワーソング』をテーマとしたエッセイらしきものを上げてみます。一時期よく聴いていた頭脳警察の『絶景かな』を取り上げてみたものです。一般的な題材ではないですので、殆ど読まれる事はなかったのですが。

 

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長年、音楽を聴いていると、落ち込んだ時や力を出したいような時に聴いてみたくなるような曲、所謂『パワーソング』というものが何曲も浮かんでくる。
 自分が好きな曲というのは、ロックやフォーク、ニューミュージック、はたまたクラシックやジャズ、サントラやアニメソングまで、色々なジャンルにわたっている。勿論、苦手なジャンルもあるけれど。まぁ人によって色々な『パワーソング』があるという事だ。
 その中で今回は、2023年7月7日に亡くなった、自分が最も敬愛するアーチストであるPANTAに関するものをあげてみたい。

 PANTAが亡くなる寸前まで制作をしていたアルバムである『東京オオカミ』。残念ながら制作の途中でPANTAが亡くなったので、一部は未完成の部分もあるが、万が一の事を考慮してPANTAの歌入れを最優先していたので、中途半端な仕上がりではない状態なのはありがたい。PANTAの体調や体力を考慮してか、全ては新曲ではなく、昔に作った曲を再録音したものもあるのは仕方ないか。更に他の人に作詞や作曲を任せたものもあったりする。
 そのアルバムの最後に収められている曲が『絶景かな』。この曲は元々、頭脳警察結成50周年を記念して製作されたドキュメンタリー映画のエンディング用に作られた曲で、限定でシングルも発売されてもいます。

 色々な事があったけれど、今は君と一緒に見ている未来、それは『絶景かな』と。
 石川五右衛門が南禅寺で桜を見て言った言葉、『絶景かな、絶景かな……』が浮かんできたのだと、PANTAは言っています。
 PANTAはかねがね、いつかルイ・アームストロングのように『What a wonderful world』を歌えるような価値のある人間になりたいと思っていたそうです。そして『絶景かな』を録音してから、これが自分にとっての『What a wonderful world』じゃないのかと思えたそうです。晩年になってからの思い入れは強かったのだと思います。

 自分がこの曲を初めて聴いたのは、アルバム『会心の背信』にて。コロナ過真っ最中の時期の2020年9月26日に長野のライブハウスにて行われた、無観客でのライブを収録している。本来なら観客を入れてやるはずが中止になってしまったものである。別に無観客なら、わざわざ現地に行かなくてもいいと思うのだが、これはアーチスト側の拘りがあるからとの記事もありました。映像も限定で配信されていました。
 オリジナルメンバーのPANTAとトシに加えて、50周年頭脳警察でもギターを担当している澤竜次さんがサポートをしています。勿論、無観客だからといって手を抜く事はしない。最初から『革命3部作』、そして『ふざけるんじゃねえよ』といったハードなナンバーを続けざまに演奏するなど、近年屈指の演奏とレパートリーだったのが嬉しい。
 そして聴き慣れない曲が何曲かあり、その中の1曲が『絶景かな』だった。シンプルなアレンジだったが、自分の心を撃つような曲。メロディも歌詞も自分に響いた。後から限定のシングルを販売していたのを知り、当然ながらすでに入手は不可能だった。ああ、失敗したなぁと思ったのは言うまでもない。

 また、PANTAの最後のライブとなってしまったイベントでの音源、『東京三部作』、ここでも演奏されています。『会心の背信』ではアコースティックでしたが、この時はバンドバージョンで。更に音の厚みが増して、その分凄味も増した感じだ。CD化されたものは何度も聴いている。3週間後には、この世から飛び立っていったものとは思えない迫力が感じさせられた。恐らく執念、だろうな。

 そして決定的だったのは、PANTAのお別れの会ともいえる『ライブ葬』。残念ながら現地へ行くことは出来なかったのですが、ライブ配信が急遽行われるという事で、手続きをしたわけです。亡くなったアーチストに縁のあるアーチストがお別れの会にてライブ演奏をするって言う事はたまにありますが、亡くなったアーチストが演奏している映像にバンドのメンバーが演奏をシンクロさせるっていう試みは前代未聞じゃないだろうか。演奏の曲目を聴いて、前述の『会心の背信』の時の音源とわかったけれど、まさかこんな展開になるとは予想もつかなかったなぁ。
 これが完成形というべき『絶景かな』を聴いて涙が溢れそうになったのを覚えています。

 そしてアルバム『東京オオカミ』にて再録音されたバージョン。PANTA自身、全力で歌う事には無理があるので、スピード感のあるハードなナンバーはないけれど、嘗て発表された曲も再録音したりした。結果的に『絶景かな』はラストに収められたが、実はこの曲のイントロ部分では、発売中止になった事もあるファーストアルバムの1曲目の『世界革命戦争宣言』に似た感じとなっている。所謂、セルフオマージュというものか。PANTAの頭脳警察の歴史は、『世界革命戦争宣言』で始まり、『絶景かな』で終わる。何だかとても奇麗な流れだなと。

 2024年7月7日のPANTAの一周忌である日、『ライブ葬』のDVDが発売されました。PANTAにとっての最後の雄姿は、ずっと保存していきたい。
 久しぶりに見る最後の『絶景かな』。最後の最後まで『ロック屋』だと感じさせる。
 果たして自分にも『絶景かな』と言えるような日は来るのだろうか?

 

 頭脳警察『絶景かな』 2020.3.28 渋谷Lamama

 


NO.287 やっと繋がりました

2025-01-17 00:06:41 | アラカルト

年が明けてから本格的に復帰しようかと思っていた所に、思いもよらなかった通信障害のため、全く繋がりませんでした。

パソコンは勿論、スマホからも繋がらなくて、どうも打つ手がなかったです。ようやく繋がって記事が書けそうです。

今日は簡単な挨拶だけにして、明日以降から本格的に復帰をしようかと思います。

こういう事が続くようならば、何処かへ移籍も考えないといけないのかもしれませんね。とりあえず、別のところで書いていたPANTA、頭脳警察関連の記事をこちらでも載せていこうかなとは思っています。平常運転になるには、もう少し先になりそうですね。自分のテンションが下がらなければいいですが。

 

復活の1曲は、90年代頭脳警察のアルバムの最後の曲である『歓喜の歌』。ベートーヴェンの『第九合唱付』を意識したものであるけれど、それだけでなく『合唱付』の詩を書いているシラーを意識しているとPANTAは語っていました。宴会の時に誰かがグラスを割ってしまったのだが、シラーは自分もグラスを割り、みんなでグラスを割る事で、不吉な事を咎めなくしたといいます。そんなポジティブな思いを記した曲を聴きながら、今度こそ復活していきたいですね。

 


NO.286 謹賀新年

2025-01-01 20:00:19 | アラカルト

ぼちぼち復活する予定でしたが、クリスマス辺りから飼い猫の具合が悪くなり、病院に通ったり薬を飲ませたりで、慌ただしい日々でした。しかも年末で忙しい時期でしたし。本来なら記事を上げたり、訪問したりするつもりでしたが。予定が狂ってしまいましたね。

猫の具合もだいぶ良くなり(まだ薬は飲ませていますが)、年も明けて仕事も一段落しました。まぁ疲れが溜まっていますね。元日の仕事が終わったので、今日はゆっくりと休みます。

 

そして一年の抱負といえるような一曲を。寺山修司さんの詩(補作詞 高取英さん)にPANTAが曲を付けた『時代はサーカスの象にのって』という曲。頭脳警察が度々演奏してきた曲となります。「どこからでもやり直しは出来るだろう 私は私自身のつくり出した一片の物語の主人公だから」の歌詞が心に響きます。今年は、やり直しの年として行動したいものです。

『時代はサーカスの象にのって』は何度も録音されていて色々なバージョンがありますが、今回はシングルで発売されたバンドバージョンで。ギター1本のアコースティックバージョンもいいですが、やはりバンドバージョンが好きだったりします。

 

 


NO.285 ご無沙汰していました。

2024-12-24 09:23:58 | アラカルト

ご無沙汰していました。長い間留守にしてしまい、申し訳ありませんでした。

別の所で文章を書いたりしていて時間が足りず、全く顔を出さない日々が続いていました。体調が悪いというわけでもないのですが。PANTA、頭脳警察関連の作品レビューや日本のプログレに関する解説等を書いたり、音楽関連のエッセイみたいなものを書いていたりしていましたが、仕事が終わってからの短い時間を割いていたので、他の事が疎かになっていました。とりあえず一段落はつきましたので、リハビリを兼ねながら、少しづつ平常運転に戻していきたいと思います。自分が留守にしていた間も訪問者がいらしたようで、本当にありがたく思います。

 

今回は音楽ではなく、色々と親身にしていただいている方のデビュー作の単行本の紹介となります。

2024年12月22日、名古屋志段味図書館にて開催された虹乃ノランさんの『そのハミングは7』発売記念のトークイベント&サイン会に参加させていただきました。5月の創作ワークショップに参加以来の志段味図書館ですね。

虹乃ノランさんは、7~8年前から活動をなさっていますが、数々の受賞歴のある実力派の人です。この度、2作目の作品である『そのハミングは7』がカドカワから発売される事となり、イベントに参加させていただきました。
トークイベント、ノランさんはかなり緊張していたみたいですが、志段味図書館の館長さんやカドカワの担当の方の助力(軌道修正のツッコミ?)もあり、楽しいひと時を過ごさせていただきました。まだ発売されたばかりですので、ハミング関係のネタバレは無いのですが、お風呂で文学全集を読んでいた話や、就職していた時の売り上げトップになった時のエピソード等、大変興味深かったですね。

担当さんの話も、外国が舞台の、それも盲目の少年が主人公という難しいテーマをよくここまで物語に出来たと絶賛していたのが印象的でした。そして物語の中にも、ノランさんが実際に盲目の方と接した時の体験談も生かされているという話も。今回の出版で書き足したり削ったりと手が加わっているようですので、年末でまとまった時間がなかなか取れないですが、じっくりと読んでいきたいですね。サインをしていただいた書籍は大切にさせていただきます。

 



自分は話すのが苦手なタイプですので、上手く喋る事は出来なかったのが残念です。ネット上では、お互いに好きな猫の話とかで盛り上がるんですけれど。それはそうと、自分と関りがある人が、こうして出版に至るのは嬉しい事です。重版が続いて次回作も発売されていく事を祈願します。

 

なお、NAgoya BOOK CENTERさんでサイン本を扱っているとの事です。そして明屋書店今治本店さんから大量のサイン本の依頼があり、大プッシュしているとの事。もっと注目されていって欲しいなと思っています。

 

「そのハミングは7」虹乃ノラン [文芸書] - KADOKAWA

 

そして猫に関する珍しい曲を1曲。寺山修司さんが作詞、頭脳警察が作曲と演奏、そしてボーカルは『ビューティフルサンデー』で有名な田中星児さんという、どう扱っていいのかわからないような曲である『いじわる猫』を。しかもアシッドフォークみたいなイントロも異色です。