とりあえず日本のプログレについて書こうと思っていたのですが、
想定外の事ばかり起こって、なかなか書けずにいました。
まずは日本のニューロック期に発売された、日本のプログレの黎明期といえる
この作品から取り上げてみます。
成毛滋さんは、かつてフィンガースというGSで「勝ち抜きエレキ合戦」にて
グランドチャンピオンになったくらいの実力派でした。
残念ながら実力はありながら人気は出ず、1969年には解散しています。
「ツィゴイネルワンゼン」をギターで弾く等、テクニックは素晴らしいです。
その後、ウッドストックを経験した後、ミッキー吉野さんとともに
「10円コンサート」を企画しています。その辺りの交流からか、
当時、パワーハウスで活躍していた柳ジョージさんや、
元ジャックスのつのだひろさんと活動を供にしていました。
やがて柳さんが忙しくなってきたので、成毛さんとつのださんは
二人で行動することが多くなり、
ストロベリー・パスに発展することになります。
冒頭の1曲目だけ、ゲストで柳ジョージさんがボーカルで参加しています。
ブルースっぽい感じの曲ですが、
成毛さんによる曲はいい雰囲気が出ています。もう何曲かは、
柳さんのボーカルで聴いてみたかったかな。
そして特筆すべきは、名曲「メリー・ジェーン」が初めて収録されています。
シングルでも発売されたので、この曲だけは知っているという人も
多いはずです。
全体的に見れば、プログレ的な要素よりはニューロック的な要素の方が
大きいですが、重要なアルバムとは思いますね。
切り込んでくるような成毛さんのギターと、
叩きつけるようなつのださんのドラム。聴きごたえありますね。
ちなみにジャケットは、石ノ森章太郎さんのデザイン、
オリジナルのライナーノートは、景山民夫さんが書いています。