以前から見ようかなと思っていましたが、なかなか地元まで来なくて
ようやくこの時期に公開となりました。
モリコーネの名前は聞いたことありましたが、
実際にどんな音楽をやってきたのかはよくわかっていませんでした。
若い頃は映画やドラマといった類のものは殆ど見ていなくて、
専ら音楽の方を楽しんでいました。
その為、所謂古典的な映画は名前ぐらいしか知らない状態です。
映画はモリコーネ自身がこれまでの功績を回想し、
70人以上の著名人のインタビューを絡める形のものです。
取材は5年以上に渡ったといい、結局、
生前最後の姿を伝える作品となりました。
500以上の作品の音楽を手掛けた巨匠ですが、映画音楽を手掛けた当初は、
芸術的地位が低かったため、何度もやめようとしていたのだとか。
10年過ぎたらやめるつもりが後10年、後十年と伸び続け、
気が付いたら高齢になっても続けていくことに。
名前だけは知っている60年代のウェスタン映画。
「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」…。
改めて聴いてみたら口笛をメインにしているセンスの良さが素晴らしいと。
70年代はジョーン・バエズが主題歌を歌った「死刑台のメロディ」、
この熱唱が印象に残っています。
どちらかというと、同映画の「勝利への讃歌」の方が有名ですが、
これは後年、コンサートでのオーケストラアレンジのものが
素晴らしかったですね。
80年代に入っても、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、
「アンタッチャブル」、本映画の監督である
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の「ニュー・シネマ・パラダイス」等でも
音楽を担当していますが、印象的だったのは、「ミッション」の音楽でした。
コンサートでのオーケストラアレンジ版は鳥肌物でしたね。
晩年になって、かのクエンティン・タランティーノ監督の
映画の音楽を担当するとは思ってもみませんでした。
この「ヘイトフル・エイト」でノミネートはされても
何故か受賞される事のなかったアカデミー賞の作曲賞を受賞します。
2時間半を超える長めの映画でしたが、退屈さは感じませんでしたね。
今までモリコーネをしっかり聴いていなかった自分を叱ってやりたいと思う、
そんな良質のドキュメンタリーでした。