月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO. 19  説教師の主題による見世物オペラ「身毒丸」

2022-03-05 00:50:24 | J.Aシーザー、天井桟敷関連

寄り道をしてきましたが、ようやく探していた資料も見つかり記事に出来ました。

天井桟敷の屈指の傑作と言われてきたのが「身毒丸」です。

後年になって、武田真治さんや藤原竜也さんの主演での舞台化もしていますので、

名前だけは知っている人もいるとは思います。

「お母さん、もういちどぼくをにんしんしてください」

この台詞が流れるCMを見たこともありますが、見た人は唖然としたかもですね。

ただ「身毒丸」という演劇は、寺山修司さんがシーザーの音楽のために作った

演劇とも聞いていますので、やはりシーザーが音楽を担当したものを見たいです。

 

幸いに「身毒丸」に関しては、レコードだけでなく天井桟敷による映像が残されていて、

ビデオも発売されていました。多分DVD化はしてないと思います。

 

 

まあ内容的に再発は難しいかもしれません。

「身毒丸」は、中世の説教節「しんとく丸」をベースに、母と子の愛憎、「家」、「家族」の問題等を

織り交ぜ、シーザーの抒情的というか、時には呪術的で狂気に満ちた音楽で人を圧倒していきます。

劇場中心には見世物小屋が設置され、周りには大編成のバンドがありオペラを盛り上げます。

見世物小屋という概念は、令和の世の中では肩身が狭いかもしれません。

さらに籟病の台詞もあり、オリジナルの台本での再演は難しいだろうと思っていました。

(現在はハンセン病での表記。昔はかかると隔離されていましたが、現在は治療可能です。

しかしながら差別意識は残っているようです。)

 

そんな中、満を持してシーザー率いる劇団、万有引力により2017年3月に

オリジナル台本にて蘇りました。天井桟敷にも引けを取らない圧巻の演劇です。

今回も音源は残されていて、後日発見された天井桟敷版の完全盤音源とともに

BOXでの発売もされました。

 

 

さらに、カメラ10台を使用して撮影された映像もノーカットで収録しているDVDと

台詞を再録して再構築したラジオドラマ風のCDのセットも発売されています。

 

 

いずれも現在入手困難なのが残念です。YouTubeには、DVDの予告編であれば時間はわずかですがあります。

 

(28) J・A・シーザー 光来復活した大歌劇 『身毒丸』予告編 - YouTube

 

もし共感できるなら探してみてください。大半の人は拒否反応をするかもですが。

残念ながら、自分の拙い文章力では、シーザーの魅力を伝えきれませんでした。

時間かけてもまるで纏まらないです。

万有引力の公演を生で観れなかったのが残念です。生で迫力のある演劇が観れたら、

もっと強い印象が残ったと思います。「身毒丸」は一区切りついたという事なので、

生で見る機会はもう無いのかもしれませんね。

 



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