寄り道をしてきましたが、ようやく探していた資料も見つかり記事に出来ました。
天井桟敷の屈指の傑作と言われてきたのが「身毒丸」です。
後年になって、武田真治さんや藤原竜也さんの主演での舞台化もしていますので、
名前だけは知っている人もいるとは思います。
「お母さん、もういちどぼくをにんしんしてください」
この台詞が流れるCMを見たこともありますが、見た人は唖然としたかもですね。
ただ「身毒丸」という演劇は、寺山修司さんがシーザーの音楽のために作った
演劇とも聞いていますので、やはりシーザーが音楽を担当したものを見たいです。
幸いに「身毒丸」に関しては、レコードだけでなく天井桟敷による映像が残されていて、
ビデオも発売されていました。多分DVD化はしてないと思います。
まあ内容的に再発は難しいかもしれません。
「身毒丸」は、中世の説教節「しんとく丸」をベースに、母と子の愛憎、「家」、「家族」の問題等を
織り交ぜ、シーザーの抒情的というか、時には呪術的で狂気に満ちた音楽で人を圧倒していきます。
劇場中心には見世物小屋が設置され、周りには大編成のバンドがありオペラを盛り上げます。
見世物小屋という概念は、令和の世の中では肩身が狭いかもしれません。
さらに籟病の台詞もあり、オリジナルの台本での再演は難しいだろうと思っていました。
(現在はハンセン病での表記。昔はかかると隔離されていましたが、現在は治療可能です。
しかしながら差別意識は残っているようです。)
そんな中、満を持してシーザー率いる劇団、万有引力により2017年3月に
オリジナル台本にて蘇りました。天井桟敷にも引けを取らない圧巻の演劇です。
今回も音源は残されていて、後日発見された天井桟敷版の完全盤音源とともに
BOXでの発売もされました。
さらに、カメラ10台を使用して撮影された映像もノーカットで収録しているDVDと
台詞を再録して再構築したラジオドラマ風のCDのセットも発売されています。
いずれも現在入手困難なのが残念です。YouTubeには、DVDの予告編であれば時間はわずかですがあります。
(28) J・A・シーザー 光来復活した大歌劇 『身毒丸』予告編 - YouTube
もし共感できるなら探してみてください。大半の人は拒否反応をするかもですが。
残念ながら、自分の拙い文章力では、シーザーの魅力を伝えきれませんでした。
時間かけてもまるで纏まらないです。
万有引力の公演を生で観れなかったのが残念です。生で迫力のある演劇が観れたら、
もっと強い印象が残ったと思います。「身毒丸」は一区切りついたという事なので、
生で見る機会はもう無いのかもしれませんね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます