以前、私がコンサル&開発したある貸布団会社の請求書の
自動発行システムの話なんですが、
そもそもリース業やレンタル業というのは請求処理がやっかいで、
基本は、貸し出した日数によって金額を計算するわけではあり
ますが、
当然、延滞の割り増し料金もあれば、初日と2日目以降や
短期と長期、等々といった条件によっても1日あたりの
リース料金が違ってくる商品ですので、複雑怪奇な計算を
しないと請求書が作れないという厄介なものなんです。
特に建設の重機や布団のような、お客さんの所まで運ぶこと自体も
大変で、その輸送経費が高く掛かってしまうような大きい物を
貸し出しているリース会社の場合には、
間に使わない期間があった場合でも、輸送費や配送の手間を省く
ために、客先に置きっぱなしにしておくというケースが多々あり
ます。
その期間は当然ながらリース料金というのは請求ができない
(タダの貸し出し期間として)計算をしなければならない、
すなわち、貸し出している期間でも料金が発生する日としない
日があるなど、単純に
返却日 - 貸出日 = 貸し出し日数
という計算式にはならないという、これまた請求業務が非常に
厄介な要因になっています。
で、請求書の自動発行システムの開発をしてほしいとの
ご依頼を受けて、その会社へ初めて訪問した時に
丁度、依頼主の社長さんが面接中とのことでしばらく事務所で
待っていたのですが、その当時、その会社の事務所には3名の
女性パート事務員さんがいて、いかにも忙しそうにその厄介な
請求業務に追われているといった様子でした。
そのあと社長さんから聞いた話では、現状の3人では請求業務は
手一杯でとても足りない状況なので、増員する為のパート面接を
行っていたということで、
2回目の仕様検討で訪問した際には、ほどなく4人目の事務員さん
も雇われていて、計4名の体制でどうにか請求書発行業務をこなし
ているといった状況でした。
それから、弊社で(エクセルマクロにて)請求書の自動発行システム
の開発を1ヶ月ほど掛かって終え、実運用が始まってみたところ、
当然ながら、業務負荷は可也軽減されていったわけではありますが、
納入の半年後に、久しぶりにシステムのメンテナンスでその会社
を訪れた際には、
既に女性事務員は1名しか見あたらず、しかも、その1人も3時
になったので私がメンテしている最中に帰宅されました。
午後のまだ3時過ぎでしたが、他に女性の事務員さんはもう1人も
いませんでした。
その辺、社長さんに聞いてみると、
つまり、以前はパート事務員4名を雇ってめいっぱいのフルタイムで
なんとかこなしていた請求業務が、システム導入後はほぼデータ入力
業務だけでよくなったので、
今ではパート2名(1名は午前中だけでもう1名は3時まで)の勤務
だけで十分にこなせるようになったということです。
単純に月の作業時間にして、約800時間掛かっていたものが
200時間以下となった計算で、そのリース会社の請求業務の人件費は
それ以前の4分の1程度に圧縮でき、既にシステムの開発費が3ヵ月で
ペイできたということです。
この成果には、貸し布団屋さんらしくたいへん我体のよい社長さんも
相当にご満悦なご様子で、私も随分と感謝の言葉をいただきましたて
システム屋冥利に尽きるというものです。
このような結果からしても、今更ながらに特に中小企業の経営には、
エクセルのマクロというのは多大な威力を発揮する、ということを
疑う余地はないだろうと思います。
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