星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(69) Fishing License

2007年08月12日 01時30分50秒 | Weblog

シアトルに住む友達Gさんご夫妻ががケロウナに遊びに来て、カヤックを体験したいとのことで、かねて下見を済ませてあるDeeLakeに意気揚々と出かけました。標高600メートルのケロウナから山道を登り、標高800メートル近くあるに違いない湖面を渡る風は真夏とは思えないほどに涼しく、長袖長ズボンの上に着たライフジャケットが無ければ肌寒く感じるほどの気候です。

カヤックも鱒釣りもまったく未経験のCity Boys, City Girlsの5人ですから、「無理しない」をキーワードに、カヤック、釣り用ボートいずれも料金表で一番短い2時間のいわば「お試しコース」です。下見で顔馴染みになっている貸しボート屋のお姐さんが手際よく手続きしてくれます。手続きの最後は釣りの免許Fishing Licenseの購入です。さすがに「二時間免許」は無く、当日のみ有効の「一日免許」Day Licenseが最短単位です。Kちゃんは来たるべきサーモンシーズンにも使える40ドルの「一年免許」を、私は「一日免許」、税込みで9ドルを買って準備完了です。

とりあえず一時間後にドックに戻ってお互いの安全を確認しあおうと、カヤック組みと鱒釣り組とでエールを交換し合いながら夫々の道に漕ぎ出しました。

湖畔に沿ってカヤックを快調に漕ぐGさん夫妻を遠くに見ながら、Kちゃんと我々夫婦の3人は5人乗りボートにユッタリと乗って湖の中ほどに向けて御機嫌に進みます。 今日はスポーツフィッシングに徹して、何匹釣ろうともすべてリリースすることを確認し合ったことは言うまでもありません。

適当な所をスポットと決め込み、いざ船を停めようとしたとき、紐を引っ張ってスタートさせたエンジンの止め方を教わっていなかったことに気がつきました。ニュートラルで流すとエンジン音が魚を追いやってしまうので、船頭3人が知恵を絞り、チョークを引いてエンストを起こさせ、見事にエンジンを停止させました。文殊の知恵ですね。

サーモン釣り用のしっかりした釣竿に、買い込んだばかりの仕掛けを付けて、海底にいる深海魚を釣る「しゃくり」に似た釣り方で竿を上下に「しゃくる」Kちゃん。姐さんから借りた疑似餌付きの虹鱒用釣り竿で、何の予備知識もないままに放り投げてはリールで巻き戻すだけの私。如何にカナダの山奥の湖とは言え、こんな二人に釣られるようなアホな魚が居るわけもありません。 Lake fishingには早朝か夕暮れ時がベストと聞き、今日は時間とスポットが悪かっただけと、わが身の非を棚にあげる二人。スポットにとどまること30分足らずで釣り糸を早々に巻き上げ、残りの時間はボートでの湖面回遊に方針を変更する柔軟思考の持ち主です。

快調にオールを回転させていたカヤックの姿が見えなくなったので、先ずこれに追いつき追い越せとばかりにカヤックを追ったら・・・。な、なんと、二人とも岸に上がってこちらに向かって手をしきりに振っているじゃありませんか。腰が痛くなったのと、カヤックに入り込んだ水でズボンの裾を濡らし寒くなったので30分でリタイアして体験搭乗を切り上げたとのこと。Gさんは筋金入りのCityBoyアンドCityGirlですね。

渡りに舟、いや、遠来のお客様に付き合うのがホストの礼、とばかりに我々も陸に上がり、本日のメインイベント握り飯アンド玉子焼きの定番ランチに 突入です。

最短2時間コースで設定されている貸しボートが30分で返却されたのは前代未聞とあって、店のお姐さんもビックリ仰天。カヤック2艘とボート一台で・・・・、「う~ん、よくわかんないけど15ドル!」と大幅割引の太っ腹の姐御ぶりです。

さすがの厚顔無恥の私でも、さすがに「一日免許」から「30分免許」に替えてと真顔では言えず、冗談のつもりでポロッとこぼしたら、「時々来る検査官が厳しいから」と真顔で応えてくれました。本当にいい人ですねぇ、このお姐さん!これには我々も大感激でした。また来るからね~っ!! 

それでも、これからは我々はカヤックとLake Fishingの「経験者である」と胸を張って言えるんだから素晴らしい体験をしたものです。