弱肉強食を経済に当てはめてみる。
経済的な弱肉とは、いわば肉体労働者と言えるかもしれない。
つまり自分の身を使って、日々の糧を得る仕事。
私はこのような仕事が好きである。
同様に、食事のために料理を作るなど、生きるために必要な動作を伴う、給料の出ない家事仕事は、人から絶対に奪ってはいけない仕事だと思っている。
文字通り、生きるための仕事だから。
経済的な強食は、いわばホワイトカラーの管理職と言えるかもしれない。
このような仕事は、会社の組織の中で定年まで働いてやっと得られる。
仕事場が快適で、給料も出て、比較的自由に働ける。
基本的にそんな仕事は辞めない。
しかし、それらは当人にとってクソどうでもいい仕事であり、「ブルシット・ジョブ」という名前が付きつつある。
やる意味も感じられないし、やりがいもない、金をもらうためだけの仕事。
研究開発の仕事をしてきて思うのは、研究開発者は、強食であり、社会主義的であり、進化を失う。
誰か他の人がやってくれるのだから、わざわざ自分がやる意味は何か?そして段々手を抜いて口だけを出し、できる人を尊敬もせずに、安く使役しようとする。
万人平等の社会主義的システムができてくる。
弱食動物は、別の種類の動物から常に命を脅かされ続けている。
だから常に生き延びるためのセンサーを働かせ、動き続ける必要がある。
強食動物の特徴は、別の種類の動物から命を奪われる可能性が低いことにある。
普段生きている限り、いきなり命を狙われる心配はない。
ところが敵は必要なので、敵を作り出す。
つまり、最強動物内の同種の中に敵を見出す。
ヒトがヒトを殺す戦争を持ち出すまでもなく、ヒトの敵はヒトである。
自らの存在を脅かす、権力を失わせる概念やヒト、経済損失を与える相手を敵とみなし攻撃する。
物理的な攻撃が正当化されなくなる場合、「口撃」を行う。
昨今はパワハラの概念の浸透により直接的な口撃は控えられるものの、噂話等による集団での口撃は現在も有効である。
女性だけに限らず、男性も噂話による口撃を行う。
ムラ社会を守るのは主に女性だったが、現在は男性もムラ社会を守る人材になりつつある。
村社会で生き残るためには、集団内でいかに敵を作らないかが、最大の防御になる。
すると、噂話に聞き耳を立てて、その噂をコントロールして自分にヘイトが向かわないようにする必要が出てくる。
一つの方法として、特徴的な共通の敵を見出し、敵本人に分からないように、全員で口撃する。
相手に分かるような口撃は、いじめというハラスメントになり、自分の立場を危うくするので、ある程度精神が成長すると行わなくなる。
尤も、より賢い選択は、そのような根拠の薄い噂話のレベルに参画しないことである。
根拠のある正論を、必要なときに必要な分述べる方が、よっぽど効果的で、人としての品性を高くすることができる。
噂話を経済化しているのがマスメディアであり、昼の情報番組や女性週刊誌やスポーツ新聞などはそれらの宝庫なのであるが、それらの情報を嫌だと思うのは、正常な精神の成長をしている証であるとも言える。
そんな事を考えてみたという思考実験。