材料の応力ひずみ線図を描くために、機械系の人たちは、引っぱり試験を学習する。
以下のような試験片を引っ張る。
最終的には破断するけど、その場所は、「金属材料の偏りや、加工表面の粗さなどによって、分からない。」と教えられた。
しかし先日、構造シミュレーションを行う人に聞いたら、
「シミュレーションできますよ?」
彼が言うには、
「練り飴を引っ張るじゃないですか?そうすると中央部の断面積が一番小さくなる。だから中央部で破断します。」
う~ん。理屈では確かにそうだ。
でも僕は現実として、確かに中央付近で破断する引っぱり試験結果を見ている。
でも、やるたびにずれるんだなこれが。
しかも破断形状は材質によって、通称「カップアンドコーン」という形状に、なったりする。
これを、有限要素法でメッシュにするには困難だと思う。
だって、周りの部分は剪断破断で、真ん中は引張型破断。
破断様式が違うから、破断形状の違いが出る。
あと、すごくもったいないなぁと思うのは、「センサーを付けない」ということ。
仕事ではあまり無いけど。特に学生研究。
実際の物を破壊したり、挙動判断するなら、付けられるだけセンサーを付けたいと思う。
だって、「何が起こるか、起こっているか、分からない」からセンサーを付けるのだから。
「あと5倍、いや、10倍のセンサーを付ければ、もっといろいろな考察ができるのに。」
と、残念に思う。
工業高校時代、破断した試験片のスケッチをした。
今なら写真にすることも簡単にできる。
壊れた形状を、画像として残すことは、現象の解析にとても役に立つ。
現物があれば、より分かりやすいけど。
数値解析と現実。
それはあくまで近似値として活用して。現物で確認しないといけないと思う。