HIROの のはらうた

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25/2/12 翔ぶが如く【五】📕司馬遼太郎

2025-02-12 | 本・映画・能楽・美術館など
台湾出兵の後始末をするために明治七年、大久保利通は北京へ。

北京の日々
他国の領土の島に、他国の人民を懲らしめるべく、その国の了解も得ず、いきなり軍隊を派遣しているのである。それをその国に謝りにゆくのでなく、逆に抗議にゆき、さらにこの出兵につかった金を賠償せよ、というのは虫がよすぎるであろう。海賊行為である。…

壮士
維新の成立は、外圧による。まわりが海である日本は、ちょうど砂漠の真っ只中にある都市国家に似ている。それを、敵が包囲した。敵は欧米勢力という巨大なもので、ひたひたと城壁のそとをかこんだとき、市民に防衛上の大緊張(攘夷熱)がうまれ、これによって防御の担当能力を欠いた幕府が倒された。代わって太政官政府が成立した。
要するに、この革命は、外圧を撥ねかえそうとするきわめて武断的なエネルギーによって成立したものであった。

明治八年・東京
もし、幕末にルソーの思想が入っていたとすれば、その革命像はもっと明快なものになっていたにちがいない。中江兆民という存在が、十五年前に出ていれば、明治維新という革命に、おそらく世界に共通する普遍性か付与されたに違いない…。

「人間は、原始時代には自由で平等だった」という、ルソーの巨大な前提を兆民はくりかえし話した、…
その人間固有の権利を回復する方法が『民約論』の本旨である。

勉強になりました。。