名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180108

2018-01-08 | 大山将棋研究
後手番佐伯先生の手を考えます。

第1問


少し無理かもしれませんが、気合で攻めました。
A 34金 B 45歩 C 35歩

第2問


攻めを続行します。
A 34歩 B 36歩 C 34金


ここからは先手番大山先生の手を考えます。

第3問


受け切れないので攻めます。
A 65歩 B 16桂 C 32歩

第4問


ここで逆転したようです。詰めろを探します。
A 22銀成 B 24桂 C 13歩

第5問


これも詰めろ。
A 14金 B 31銀 C 24香

第6問


どう寄せますか?
A 13歩 B 35銀 C 24桂打
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大山将棋研究(758);中飛車に居飛車穴熊(佐伯昌優);追記あり

2018-01-08 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180108
昭和58年12月、佐伯昌優先生と第32期王座戦です。

大山先生の中飛車に佐伯先生は居飛車穴熊です。

中飛車の場合はほとんど44歩と突いて43金の形になります。4枚穴熊にはならないので、大山先生は対応しやすいとみているのではないかと思います。

中央の歩を交換して謝ってもらえれば得をしているのでしょう。ここに歩を打たないで52飛~54銀と反攻されるのが難物なのですが。

佐伯先生は角を引いてから7筋の歩を交換します。

大山先生は先手番だし、金を出て手を作りに行きました。

佐伯先生は3筋を狙います。こうなってみると76金がそっぽに見えますね。

45歩と突かれてどうするか。45同桂42銀には53歩が利きます。45同桂62銀65歩同歩63歩同銀65金、などと攻めたくなるのですが。

大山先生は歩で取って受けました。46歩同銀36飛というのは嫌な感じです。47銀でも金でも

結局は飛を切られます。この時に金ならば36歩に備えているので47金の方でした。

桂頭は守りにくくてどうするのでしょうか。

大山先生は放置して82飛から桂を取りました。

取った桂で角を攻めようと。

桂を取られてももう一度。

だけど15角と捨てられて、銀を打ちこまれ、受かっていないのですが。

受けは最低限にして、角を打って攻めました。

角を切って銀を打ちこみます。

反撃の37歩成を取らなかったので、36銀とか38銀とか36角とか、詰めろをかけられたら負けだと思いますが。取っても後手から詰めろは続きそうで、もともと悪かったのだろうというところです。すが後手玉は詰めろ。ここで47角が好手で(後で変化を追記しました)後手の勝ち筋か。詰めろ逃れで銀をもらえば詰めろになります。

佐伯先生は優勢を意識したか、手堅く詰めろに気が付いて31歩と守たのですが、13歩。これは詰めろです。佐伯先生は香取りに応じられず

33で清算しました。

後手玉に詰めろが続いて、逆転したようです。

駒を使ってもらえば、と金2枚だけなので受けはあります。

さらに守られたら駒を取りに行き

ここで竜を切って

24桂打ちの筋で詰めろが続きます。

投了図。

投了図を見るとわかりやすいですが、69飛はともかく、76金77角が遊んでいます。飛車を切られて3筋を攻められたところでは受けきれないのでしょう。無理にでも攻めてみたら、終盤で間違えてもらえました。佐伯先生は残念でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:佐伯昌優7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 6二銀(71)
11 5八飛(28)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 5三銀(62)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 3三角(22)
21 1六歩(17)
22 2二玉(32)
23 6七銀(68)
24 1二香(11)
25 4六歩(47)
26 1一玉(22)
27 4七銀(38)
28 2二銀(31)
29 3八金(49)
30 3一金(41)
31 3六歩(37)
32 4四歩(43)
33 5五歩(56)
34 同 歩(54)
35 同 飛(58)
36 4三金(52)
37 5九飛(55)
38 5四歩打
39 1五歩(16)
40 7四歩(73)
41 3七桂(29)
42 5一角(33)
43 7八金(69)
44 9四歩(93)
45 9六歩(97)
46 7二飛(82)
47 6八角(77)
48 7五歩(74)
49 同 歩(76)
50 同 飛(72)
51 2六歩(27)
52 7二飛(75)
53 7七金(78)
54 6四歩(63)
55 7六金(77)
56 4二角(51)
57 7五歩打
58 5一角(42)
59 7七角(68)
60 3二飛(72)
61 5八銀(67)
62 3五歩(34)
63 同 歩(36)
64 同 飛(32)
65 3六歩打
66 3二飛(35)
67 6九飛(59)
68 4五歩(44)
69 同 歩(46)
70 4六歩打
71 同 銀(47)
72 3六飛(32)
73 4七金(38)
74 2六飛(36)
75 2七歩打
76 4六飛(26)
77 同 金(47)
78 2四角(51)
79 3五歩打
80 3六歩打
81 同 金(46)
82 3四歩打
83 8二飛打
84 3五歩(34)
85 2六金(36)
86 4二銀(53)
87 8一飛成(82)
88 4六歩打
89 3八玉(28)
90 3四金(43)
91 1六桂打
92 3三角(24)
93 2五桂(37)
94 同 金(34)
95 同 金(26)
96 5五桂打
97 3四歩打
98 1五角(33)
99 同 金(25)
100 4七銀打
101 同 銀(58)
102 同 歩成(46)
103 2八玉(38)
104 3六歩(35)
105 2六銀打
106 1四歩(13)
107 2五金(15)
108 4六と(47)
109 4四角打
110 4三歩打
111 2二角成(44)
112 同 金(31)
113 3三銀打
114 3七歩成(36)
115 1八玉(28)
116 3一歩打
117 1三歩打
118 3三銀(42)
119 同 歩成(34)
120 同 金(22)
121 3一龍(81)
122 2二角打
123 1二歩成(13)
124 同 玉(11)
125 1三歩打
126 同 角(22)
127 4二龍(31)
128 2二銀打
129 1四金(25)
130 3一銀打
131 5二龍(42)
132 3六と(46)
133 2九香打
134 2六と(36)
135 同 歩(27)
136 3二歩打
137 3四歩打
138 同 金(33)
139 5四龍(52)
140 4四歩(43)
141 5五龍(54)
142 3五角(13)
143 3八歩打
144 1七歩打
145 同 玉(18)
146 3六と(37)
147 3七歩(38)
148 4六角(35)
149 同 龍(55)
150 同 と(36)
151 3五銀打
152 3三金(34)
153 3四角打
154 同 金(33)
155 同 銀(35)
156 1三銀打
157 2四桂打
158 投了
まで157手で先手の勝ち


追記
ねこさんから、115手目18玉の図で後手玉が詰めろだとご指摘がありました。調べてみます。

この図です。

× 後手36銀だとして

22銀成同玉32金同玉24桂

22玉は32金13玉12桂成以下。よって24同歩に23金同玉21竜22桂35桂13玉14金同玉29玉

という詰み筋がありました。

× また、最後の29玉を避けるために38銀ならば

22銀成同玉33金

33同桂同歩成に同銀は21金13玉14金同玉15歩13玉25桂


2つ前の図から33同桂同歩成に同玉は34歩22玉21金32玉24桂打同歩33歩成

33同玉は24金32玉33歩です。33同銀に31竜23玉22金

と引けば詰んでいます。

この二つの詰み筋がありました。つまり私の記述は間違っておりました。すみません。


△ ならばどうするか。36角なら

詰めろ逃れの詰めろになっています。つまり22銀成同玉33金以下

14金を同角と取れます。

また、22銀成同玉32金以下は

やはり14金同角で詰みません。

先手には37銀

と金を払う手があります。37同と ならば、22銀成同玉33金13玉に68角

と引けるので、26銀が消えていてもなんとかなります。

よって22銀成同玉33金にはやはり同桂で、21金32玉33歩成同玉34歩32玉24桂打同歩33歩成

と細かい手順が続いて、33同玉24金32玉33歩同銀31竜

で詰み。

ということで36角37銀に同と とは取れず69角成

22銀成同玉41竜に38飛

28金合を同飛成同銀31金

という攻防ですが、後手もちか。

さらに追記。ここから42竜でどうかとコメントをもらいました。
42同金72飛には32飛

が最善の受けで、42飛成同飛33金(銀では11玉)同桂同歩成同玉34歩32玉33銀

41玉42銀成同玉72飛52銀33歩成同玉32金

32同玉52飛成42銀24桂打

と追っていけば42銀を取れるので必至がかかって先手の勝ちです。ではこの変化は先手もちなんですね。

なお69角成ではなく25角では32金

くらいで食いついておけば先手の勝ちでしょう。25角が馬ならば、持ち駒によって17銀以下の詰み筋を狙えるのですが。


○ もう一つ有力なのは47角で

これも詰めろ逃れですが、先手玉は詰めろではありません。ただし銀を1枚もらえば29銀で詰みます。
違いは37銀に25角成

馬を作りながら金を取れることです。先手は46銀が仕方なく、69馬

先手玉は詰めろではありませんが、もう一枚銀を渡すと詰むようです。よって後手優勢でしょう。


△ また、31銀打

と受けたら千日手もあるか。というところです。


結局は佐伯先生の31歩が敗着なのですが、36角や47角なら勝っていたのでしょう。でも(多分)秒読みなら詰み筋が読めなくても仕方ないです。指運が悪かったのでしょう。
コメント (4)
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20180108今日の一手(その629);囲いの急所

2018-01-08 | 今日の一手

20180108今日の一手

10月7日の名南将棋大会から、NさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。
玉の堅さは先手の方が堅いですが、81飛を守りの駒と見ればあまり差はありません。配置の問題なのですが、29飛は8段目のほうが守りに働いているし、81飛は1段目のほうが守りに働いています。
先手の攻め駒は29飛47角と持ち駒桂で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。

総合すればやや先手もちくらいです。

☆ 大局観として
先手が47角と打ったのに対して、後手が44銀先手56銀の配置で55銀とぶつけて55同銀同歩、というのが問題図です。通常の手順としては後手が55銀同銀同歩、そこで先手が47角と打つという将棋を見かけます。違いは手番が先手だということ。さらに2筋の歩を持ちあって、33桂の頭も攻めることができる、という条件3つが先手のよい方に働いています。つまり良い手がさせれば先手よしになります。
攻めるところがいくつもあって悩みますね。こういう時は一番自然な攻め方は何だろうか?と自問してみると良いです。もしそれが間違っていたとしたら、こういう時はこういう理由でこれが自然、言い換えれば本筋だった、と反省するだけです。


△ 実戦では35歩と攻めました。

1歩持っているのですから、35同歩に34歩は先手有利。桂を取った後で右桂を跳ねれるし、飛車も成れるし、で簡単です。
後手は56歩というのが反撃筋で、56同歩には57歩(取れば48角)48金58銀

と攻め込まれると先手が指しにくいです。角を逃げて57金がまわってきても48角で効果なし。

実戦では56同角と取って55銀

34角46銀に44歩は良い手かどうかわかりませんが、後手の28歩

は悪手でした。49飛37銀成43歩成同金左

当然43同角成と行くのだと思いましたが、ひねって44歩34金同歩48歩

飛車先を止められて受けるだけになってしまいました。(48同金には27角か47歩同金38角か。)

さて43同角成と取っていたら

48歩に52馬は入ります。52同銀39飛

で少し先手が良いです。


△ 88玉と入って待つと

56歩同角55銀34角

実戦の35歩とは玉の位置が違います。この図で36歩が35歩となっていても意味はなさそうなので、この展開は先手の得です。46銀なら45桂同桂同角

というほうが自然でしょう。後手は38角から馬を作る(46銀の前かも)のが狙いで、形勢互角です。


△ 2筋を攻めるとしたら、24歩22歩

の交換は微妙なところ。互いに歩を使ったので落ち着くかもしれません。後手に持ち歩がなければ後手からの56歩に同歩です。先手は23銀と打ちこんでどうか。


△ 23銀ならば

42金左に34銀不成か銀成か。

56歩同角55銀に33銀成同金22飛成

13角33竜56銀同歩46角

形勢は互角です。後手から見ると左の金桂がさばけたので十分だと見るものかも。


○ 75歩と突けば

75同歩には1歩あるので74歩。仮に後手が23歩と我慢したら

73歩成同玉15歩同歩67桂

74銀打55桂54銀35歩

こんな調子です。歩切れで桂を取ったとしても駒得と言えないことがありますが、その後も調子のよい攻めが続きます。

75歩には65歩

と桂損を防ぐほうが普通の応手です。どちらの歩を取るのか悩ましいですが、74歩同銀65歩

と両方とってみます。65同桂には76銀64歩66歩

77歩で桂交換でしょうが、74銀が47角の射程に入っているのが良い感じです。

後手はなにかごまかす必要があり、56歩か。

56同角55銀に角を逃げないで75歩63銀64歩同銀上92銀

51飛83角成62玉91銀不成

まで進めばはっきりしますが、55銀が空振りになる(次に56銀と角を取られても駒に当たっていない)ので先手有利になっていきます。


× その他には15歩

取ってもらえば1歩補充できるかもしれませんが、手抜かれてぬるいです。手を渡しても先手が悪いというわけではありませんが。


△ 95歩ならば

取ってもらえれば角筋が通って92歩で香を取るとか、止まっていても93歩同香92銀とか、先手の攻め筋が広がります。
56歩同角55銀

には34角と逃げるのですが、どこかで後手も95歩と手を戻すことになるでしょう。これはあり得ます。


☆ まとめ

攻める地点が多い場合に考えるのは、相手が受けにくいところはどこか(守りの薄いところはどこか)、戦果が大きいところはどこか、という二つの見方があります。
両方に当てはまるのが囲いの急所と呼ばれる地点です。右玉には急所が多くて、6筋、7筋、9筋と、相手玉に近いところは全部急所です。ただし先手の攻め駒は右を向いているわけで、急所を攻めにくいのが普通なのですが、攻め駒が持ち駒になれば、その急所を攻めることができます。

問題図ではせっかく47角と打ってある(早くに打ったので守りの意味が強かったのでしょうが)ので、7筋(かそれを絡めて9筋)を攻めたいです。これが本筋になります。

3筋は桂を取った後の攻めの継続が見えるのでやってみたくなるのですが、(56歩同角55銀で)攻めをかわされてみるとつまらなかったです。ただし右桂を交換して45角の位置が得られれば結構指せます。右玉には筋違い角が有効になることがあります。

同様に2筋も後手玉から遠いですし、1筋も遠いです。守りの薄いところは攻めやすいですが戦果が少ない、というのが右玉の指し方なのでした。

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