後手番中原先生の手を考えます。
第1問

攻めてきなさいと言われました。
A 45銀 B 86飛 C 85桂
第2問

攻めを続けます。強くいく前に
A 46角左 B 88歩 C 66歩
第3問

55角を許してはいけません。
A 66銀 B 47銀 C 48銀
第4問

ここでも55角とされたら困ります。
A 45金 B 48銀不成 C 56銀成
第5問

これが決め手になりました。
A 58飛 B 56飛 C 44飛
第1問

攻めてきなさいと言われました。
A 45銀 B 86飛 C 85桂
第2問

攻めを続けます。強くいく前に
A 46角左 B 88歩 C 66歩
第3問

55角を許してはいけません。
A 66銀 B 47銀 C 48銀
第4問

ここでも55角とされたら困ります。
A 45金 B 48銀不成 C 56銀成
第5問

これが決め手になりました。
A 58飛 B 56飛 C 44飛
今日の棋譜20180113
昭和58年12月、中原誠先生と第33期王将戦です。

大山先生の先手三間飛車に中原先生は棒銀で

67銀を見て65歩急戦にスイッチ。

銀を戻したので2手損、大山先生は飛車の移動で1手損、ということは大山先生が一手得している勘定です。

86歩に同角と取るのは、今では15歩同歩同香と1歩を得る順をどこかで入れて、67歩同飛86飛同歩78角68飛89角成69飛打77桂59飛67歩という筋で居飛車が指せるという結論になっています。これは郷田先生考案。

古い定跡では65歩から持久戦です。どちらが指せるかは未解決のはず。居飛車は63銀~64銀左~85桂~75歩同歩72飛というような指し方がありました。

本譜は大山先生が手得しているので45桂44銀の交換が入りました。64銀の変化を消しています。中原先生は端角で45銀狙い。でも45銀同歩68角成同銀はたいしたことがないので、大山先生はのんびり26歩でしたが(69飛と逃げておくほうが手堅いです)

飛車を切って64角が入ったら危ないです。

大山先生も懸命に受けますが、中原先生は強攻します。

銀を捨ててから88歩、これが細かい手順でした。大山先生は97桂とかわしましたが

飛車を捕獲されます。

88歩の効果で、銀取りで飛車を打ち込まれました。当然68銀と思ったら

攻め合いで、銀を取られて銀を埋めるのでは苦しそう。

中原先生は有利になったと思って強攻します。

15歩と突かれたところでは、まだ大変だと思います。大山先生が46角と打ったのは55角ねらいの好手のようですが、15同歩か61歩成が手の流れでしょう。

55角の余裕がなく強攻されて

角が攻めの目標になっています。これでは苦しそう。

角打ちで返しますが、あっさり竜で取られて

金を出る、これが厳しかったのです。

「両取り見えない病」の私は何のことかわからなかったのですが、金を打ちこまれて王手飛車の筋ですね。でもばらして王手飛車よりは、清算せずに45角と置いておくほうが厳しいものです。

王手飛車が入って

桂歩歩歩と銀の交換でしかないのでまだまだという感じです。ここで61歩成でどうか。

大山先生は56桂を避けつつ、46角~55角にこだわったのですが、この飛車打ちが案外に厳しいです。

57金の受けを食いちぎられて27金、下に落とされては受けが無くなり

押しつぶされました。

よほど悔しかったのか、最後まで指しての投了図。
中原自然流とは遠い強引な攻め方でしたが、大山先生にミスが多かったのではないかと思います。自分のミスに怒ってしまって詰みまで指したのかもしれません。中原先生相手だと心理面がおかしくなっているのではないか、という将棋があります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:中原誠十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 7四歩(73)
17 3八銀(39)
18 5四歩(53)
19 5六歩(57)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 4二銀(31)
23 5八金(69)
24 5三銀(42)
25 4六歩(47)
26 7三銀(62)
27 6七銀(68)
28 6四歩(63)
29 3六歩(37)
30 6五歩(64)
31 6八飛(78)
32 6二銀(73)
33 4七金(58)
34 7三桂(81)
35 3七桂(29)
36 8六歩(85)
37 同 角(77)
38 6六歩(65)
39 同 銀(67)
40 6五歩打
41 7七銀(66)
42 4二金(41)
43 4五桂(37)
44 4四銀(53)
45 9六歩(97)
46 1三角(22)
47 2六歩(27)
48 8六飛(82)
49 同 歩(87)
50 6四角打
51 3七銀(38)
52 4五銀(44)
53 4八飛(68)
54 4六銀(45)
55 同 金(47)
56 8八歩打
57 9七桂(89)
58 4六角(13)
59 同 銀(37)
60 5七金打
61 5五歩(56)
62 4八金(57)
63 同 金(49)
64 7九飛打
65 8一飛打
66 5一銀(62)
67 6二歩打
68 7七飛成(79)
69 3七銀打
70 5六桂打
71 3八金(48)
72 5五角(64)
73 同 銀(46)
74 同 歩(54)
75 3九金打
76 1五歩(14)
77 4六角打
78 1六歩(15)
79 1八歩打
80 4八銀打
81 同 金(39)
82 同 桂成(56)
83 同 金(38)
84 4七銀打
85 4九銀打
86 4五金打
87 6八角打
88 同 龍(77)
89 同 角(46)
90 3六金(45)
91 3九桂打
92 4八銀(47)
93 同 銀(49)
94 2七金打
95 同 桂(39)
96 同 金(36)
97 同 玉(28)
98 4五角打
99 3八玉(27)
100 8一角(45)
101 7一飛打
102 6三角(81)
103 4六角(68)
104 3五桂打
105 3六銀打
106 5六飛打
107 5七金打
108 同 飛成(56)
109 同 角(46)
110 2七金打
111 4九玉(38)
112 3七金(27)
113 同 銀(48)
114 4七銀打
115 3五角(57)
116 3六角(63)
117 同 銀(37)
118 4八銀打
119 投了
まで118手で後手の勝ち
昭和58年12月、中原誠先生と第33期王将戦です。

大山先生の先手三間飛車に中原先生は棒銀で

67銀を見て65歩急戦にスイッチ。

銀を戻したので2手損、大山先生は飛車の移動で1手損、ということは大山先生が一手得している勘定です。

86歩に同角と取るのは、今では15歩同歩同香と1歩を得る順をどこかで入れて、67歩同飛86飛同歩78角68飛89角成69飛打77桂59飛67歩という筋で居飛車が指せるという結論になっています。これは郷田先生考案。

古い定跡では65歩から持久戦です。どちらが指せるかは未解決のはず。居飛車は63銀~64銀左~85桂~75歩同歩72飛というような指し方がありました。

本譜は大山先生が手得しているので45桂44銀の交換が入りました。64銀の変化を消しています。中原先生は端角で45銀狙い。でも45銀同歩68角成同銀はたいしたことがないので、大山先生はのんびり26歩でしたが(69飛と逃げておくほうが手堅いです)

飛車を切って64角が入ったら危ないです。

大山先生も懸命に受けますが、中原先生は強攻します。

銀を捨ててから88歩、これが細かい手順でした。大山先生は97桂とかわしましたが

飛車を捕獲されます。

88歩の効果で、銀取りで飛車を打ち込まれました。当然68銀と思ったら

攻め合いで、銀を取られて銀を埋めるのでは苦しそう。

中原先生は有利になったと思って強攻します。

15歩と突かれたところでは、まだ大変だと思います。大山先生が46角と打ったのは55角ねらいの好手のようですが、15同歩か61歩成が手の流れでしょう。

55角の余裕がなく強攻されて

角が攻めの目標になっています。これでは苦しそう。

角打ちで返しますが、あっさり竜で取られて

金を出る、これが厳しかったのです。

「両取り見えない病」の私は何のことかわからなかったのですが、金を打ちこまれて王手飛車の筋ですね。でもばらして王手飛車よりは、清算せずに45角と置いておくほうが厳しいものです。

王手飛車が入って

桂歩歩歩と銀の交換でしかないのでまだまだという感じです。ここで61歩成でどうか。

大山先生は56桂を避けつつ、46角~55角にこだわったのですが、この飛車打ちが案外に厳しいです。

57金の受けを食いちぎられて27金、下に落とされては受けが無くなり

押しつぶされました。

よほど悔しかったのか、最後まで指しての投了図。
中原自然流とは遠い強引な攻め方でしたが、大山先生にミスが多かったのではないかと思います。自分のミスに怒ってしまって詰みまで指したのかもしれません。中原先生相手だと心理面がおかしくなっているのではないか、という将棋があります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:中原誠十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 7四歩(73)
17 3八銀(39)
18 5四歩(53)
19 5六歩(57)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 4二銀(31)
23 5八金(69)
24 5三銀(42)
25 4六歩(47)
26 7三銀(62)
27 6七銀(68)
28 6四歩(63)
29 3六歩(37)
30 6五歩(64)
31 6八飛(78)
32 6二銀(73)
33 4七金(58)
34 7三桂(81)
35 3七桂(29)
36 8六歩(85)
37 同 角(77)
38 6六歩(65)
39 同 銀(67)
40 6五歩打
41 7七銀(66)
42 4二金(41)
43 4五桂(37)
44 4四銀(53)
45 9六歩(97)
46 1三角(22)
47 2六歩(27)
48 8六飛(82)
49 同 歩(87)
50 6四角打
51 3七銀(38)
52 4五銀(44)
53 4八飛(68)
54 4六銀(45)
55 同 金(47)
56 8八歩打
57 9七桂(89)
58 4六角(13)
59 同 銀(37)
60 5七金打
61 5五歩(56)
62 4八金(57)
63 同 金(49)
64 7九飛打
65 8一飛打
66 5一銀(62)
67 6二歩打
68 7七飛成(79)
69 3七銀打
70 5六桂打
71 3八金(48)
72 5五角(64)
73 同 銀(46)
74 同 歩(54)
75 3九金打
76 1五歩(14)
77 4六角打
78 1六歩(15)
79 1八歩打
80 4八銀打
81 同 金(39)
82 同 桂成(56)
83 同 金(38)
84 4七銀打
85 4九銀打
86 4五金打
87 6八角打
88 同 龍(77)
89 同 角(46)
90 3六金(45)
91 3九桂打
92 4八銀(47)
93 同 銀(49)
94 2七金打
95 同 桂(39)
96 同 金(36)
97 同 玉(28)
98 4五角打
99 3八玉(27)
100 8一角(45)
101 7一飛打
102 6三角(81)
103 4六角(68)
104 3五桂打
105 3六銀打
106 5六飛打
107 5七金打
108 同 飛成(56)
109 同 角(46)
110 2七金打
111 4九玉(38)
112 3七金(27)
113 同 銀(48)
114 4七銀打
115 3五角(57)
116 3六角(63)
117 同 銀(37)
118 4八銀打
119 投了
まで118手で後手の勝ち