名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180130

2018-01-30 | 大山将棋研究
先手番山口先生の手を考えます。

第1問


ここから手を作ります。
A 95歩 B 75歩 C 56歩

第2問


攻めを続けましょう。
A 95歩 B 59角 C 56歩

第3問


左の駒をさばきましょう。
A 88飛 B 77桂 C 87歩

第4問


ついでにこれも。
A 77角 B 88飛 C 45桂

第5問


角は逃げません。
A 53歩 B 24歩 C 23桂成

第6問

こんな手がありました。
A 53歩 B 66金 C 56金打
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大山将棋研究(780);四間飛車に中央位取り(山口千嶺)

2018-01-30 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180130
昭和59年3月、山口千嶺先生と第25期王位戦です。

山口先生の四間飛車に大山先生は中央位取りです。

持久戦ではなく急戦の方、と言っても大山先生がすぐに攻めだすわけでもないのですが。

山口先生から75歩と仕掛けました。75同歩には95歩から歩をもって74歩の筋。成立していそうです。大山先生は銀を引いて受け

7筋に位を取ります。何度か書きましたが、対抗型での74銀73桂は好形(ましてや理想形)ではないです。桂馬は跳ねていないほうが良いのです。

山口先生は玉頭銀。33金には35歩がありますから、34銀は受けられません。

大山先生は34銀を気にしながら攻めますが

本来は65銀と出たいところです。でも74歩で戻されるので桂を跳ねて

飛車を走りますが、山口先生は左桂をさばきます。

桂を交換できたら飛車をぶつけます。66飛81飛成は角損でも優勢でしょう。

87歩に角を逃げ

今度は玉頭へ。桂馬を打ち

歩を突きだします。44角には45歩62角55角があるわけで

76歩には桂を捨てて桂角を取りに行きます。(22角がいなければ22歩なのですが。)

山口先生の優勢です。ここから長いので端折りますが

金を56に打つ好手があり

飛車を逃げると65金と捨てて詰めろです。65飛が取れました。

大山先生は入玉をみせて粘るしかないですが

駒をぼろぼろ取られても入玉しました。

ここに桂を捨てるのが良い手なのですね。これで入玉は確定です。このあたりかもう少し先か、山口先生も相入玉に切り替えたら点数で勝てるのですが

捕まらないことがはっきりして

大駒を取られて怪しくなりました。

駒を取り合って点数が足り、指し直しになりました。

山口先生の快勝になるはずの将棋ですが、入玉の好き嫌いは性格というか経験の多さの問題でしょう。山口先生は得意ではなかったようです。振り飛車党は相入玉は少ないでしょうからね。(第3巻から並べていることもあり、大山先生も相入玉は少ないです。だから得意ではないように見えます。)
中盤のきれいなさばきは参考になります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:山口千嶺7段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 5三銀(62)
19 5八金(69)
20 4二銀(31)
21 4六歩(47)
22 5五歩(54)
23 6七銀(78)
24 5四銀(53)
25 3六歩(37)
26 7四歩(73)
27 4七金(58)
28 6四歩(63)
29 9八香(99)
30 8五歩(84)
31 7七角(88)
32 9四歩(93)
33 9六歩(97)
34 5三銀(42)
35 3七桂(29)
36 4二金(41)
37 2六歩(27)
38 7三桂(81)
39 7五歩(76)
40 6三銀(54)
41 7四歩(75)
42 同 銀(63)
43 7八飛(68)
44 7五歩打
45 5六歩(57)
46 同 歩(55)
47 同 銀(67)
48 8六歩(85)
49 同 歩(87)
50 5五歩打
51 4五銀(56)
52 6五歩(64)
53 3四銀(45)
54 6六歩(65)
55 6八飛(78)
56 6五桂(73)
57 6六角(77)
58 8六飛(82)
59 7七桂(89)
60 6四歩打
61 6五桂(77)
62 同 歩(64)
63 8八飛(68)
64 8七歩打
65 7七角(66)
66 8四飛(86)
67 5八飛(88)
68 6四銀(53)
69 3五桂打
70 3一桂打
71 2五歩(26)
72 7六歩(75)
73 2三桂成(35)
74 同 桂(31)
75 2四歩(25)
76 4四角(22)
77 2三歩成(24)
78 4一玉(32)
79 4五歩(46)
80 7一角(44)
81 7二歩打
82 8二角(71)
83 6八角(77)
84 5一玉(41)
85 4四歩(45)
86 6一玉(51)
87 5四桂打
88 6六歩(65)
89 4二桂成(54)
90 6三金(52)
91 5七金(47)
92 8八歩成(87)
93 8五歩打
94 同 飛(84)
95 8六歩打
96 6五飛(85)
97 5六金打
98 同 歩(55)
99 同 金(57)
100 5四歩打
101 6五金(56)
102 同 銀(64)
103 6四歩打
104 同 角(82)
105 4三歩成(44)
106 7二玉(61)
107 3五角(68)
108 6七歩成(66)
109 4八飛(58)
110 7三玉(72)
111 6一飛打
112 8二金打
113 7一飛成(61)
114 8四玉(73)
115 6六歩打
116 4七歩打
117 6五歩(66)
118 4八歩成(47)
119 6四歩(65)
120 3八と(48)
121 同 金(49)
122 7五玉(84)
123 6三歩成(64)
124 6六玉(75)
125 7四龍(71)
126 7七玉(66)
127 6九銀打
128 9七桂打
129 8五角打
130 6六金打
131 6八銀打
132 8七玉(77)
133 6七銀(68)
134 9八玉(87)
135 6六銀(67)
136 8七銀打
137 5四龍(74)
138 6七飛打
139 6八銀(69)
140 6六飛成(67)
141 2七玉(28)
142 7七歩成(76)
143 5七銀(68)
144 6九龍(66)
145 1七香(19)
146 7六銀(87)
147 7四角(85)
148 6五銀打
149 6四龍(54)
150 7八龍(69)
151 4八歩打
152 7四銀(65)
153 同 龍(64)
154 6七と(77)
155 7一龍(74)
156 5七と(67)
157 同 角(35)
158 4九角打
159 4七銀打
160 6七角成(49)
161 4六角(57)
162 3四馬(67)
163 2四金打
164 6七馬(34)
165 8二角成(46)
166 1五歩(14)
167 同 歩(16)
168 5七歩打
169 5五馬(82)
170 5八歩成(57)
171 6六金打
172 7七馬(67)
173 2六玉(27)
174 4八と(58)
175 1一馬(55)
176 3八と(48)
177 2一龍(71)
178 3七と(38)
179 2五玉(26)
180 4七と(37)
181 1四玉(25)
182 3八龍(78)
183 1三玉(14)
184 3六龍(38)
185 1二玉(13)
186 6六馬(77)
187 同 馬(11)
188 同 龍(36)
189 1四歩(15)
190 6三龍(66)
191 1三歩成(14)
192 2八金打
193 1四香(17)
194 持将棋
まで193手で持将棋

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20180130今日の一手(その640);駒を自陣に埋める(2)

2018-01-30 | 今日の一手

20180130今日の一手

10月7日の名南将棋大会から、MさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
少し前から見てみます。

中盤の初めに後手Kさんのポカで桂損になり、先手が駒得になっています。端を攻められて、取るのも危なさそうなので端は手抜きでもいいでしょう。ここで89飛~84飛~82飛成と攻めてしまえば簡単だったと思います。
39飛という受けのような攻めのような手で対応して16歩18歩35桂

金を逃げて指すのもありましたが、35同銀同歩同飛と相手をして

成桂を取ってまた攻められました。

先手玉がずいぶん薄くなって、飛の位置もとがめられ、89飛に57銀成が問題図です。


☆ 形勢判断をします。

先手の桂歩得で歩をカウントせず。馬VS馬成銀の作り合いです。結局はやや先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
互いの玉の囲いに向かっているものだけ数えて、先手の攻め駒は51馬と持ち駒金銀桂桂で5枚。
後手の攻め駒は57成銀と持ち駒金で2枚。

総合すれば先手もちか。

☆ 大局観として

先手が有利だったのが、玉のまわりの金銀を剥がされてかなり形勢が接近しています。それでも先手が駒得で後手の攻め駒が少ないです。

寄せ合いで勝てればわかりやすいですが、後手玉は馬があるのと端を詰めているので堅くて広いのです。寄せ合いが危ないと考えたら、受ける手段を考えます。幸いに後手の攻め駒は2枚だけですから、しっかり受けてから反撃を考えます。


× 実戦は84飛で攻め合いです。

これで有利なら話は早いです。47歩82飛成48歩成39歩

先に詰めろをかけられて、歩で受けました。39同と同玉47金37銀46金

この先の手順がわからないのですが、後手玉を寄せに行っても捕まらず、駒を渡して先手負けにしてしまいました。
一度は46同銀47成銀に48金

46成銀と取らせて詰み筋を消してから、42馬同銀同竜32金

というくらいが相場なのですが、これでも23馬の守備力が高く、寄せが見えません。


× 他の攻めは53歩で と金つくりですが、やはり47歩と返されて

明らかに後手の攻めが速いです。端を詰められているのが痛いですね。


駒を打って受けるのが手堅いという原則から、38金が見えるでしょう。

47歩には同金引同成銀同金

後手は歩切れなので先手有利です。

47歩ではなく48金と打つくらいですが37金とかわしておきます。

これで後手から速い手はないので53歩からゆっくり攻める順にするか、39歩も打っておいて飛車を使って攻めるか、という狙いです。


○ 比較したいのは単に37金で

47歩なら取ってしまうというのは同じです。48成銀には39歩

先手玉は狭いですが、後手の攻め駒は少ないです。

35金と攻められたら

結構うるさいのですが、35同金同歩34歩同馬42馬同銀26桂

強い反撃もできます。あまり渡すと危ないですが。


○ 38銀もありそうで

やはり47歩は取れます。48成銀には47金打

しっかり駒を打っておきましょう。38成銀同玉35銀

が怖いというのは同じですが、やはり35同金同歩34歩同馬42馬同銀46桂

反撃があります。


△ 37銀もありまして

47金には38金同金同玉

35金には39桂

何か打たれたら1枚打って受けます。


△ 58歩もありそうな受けで

後手の攻め駒として一番働いているのは57成銀なのでそれに働きかけます。これも受けのテクニック。48成銀に38金

と受けます。49金には37銀

これは後手の金成銀の働きが悪いです。

58歩には47金が嫌な手で

57歩46金38金

これは金銀1枚ずつの配置ですが後手番です。47金打39桂38金同玉

14馬48金58金37銀

まだ何とも言えませんが、受けきりまでは先が長いです。


× 同じ意味で49桂もあるのですが

やはり47金で57桂46金では57桂が取られるだけの駒で働きがないです。58歩に比べてもはっきり損です。


△ あとは37玉として

左に逃げ出していけるかの勝負を挑みます。56金同金同成銀47金

14馬36歩47成銀同玉66金

67金46歩同玉55金47玉76金

76同金56銀38玉46金

左翼に逃げ出すことはかないません。後手は持ち駒を使いきったので詰めろまで手数がかかるのですが、84飛~82飛成では勝てない感じです。


☆まとめ

また受けがテーマになりましたが、
先に受ける
持ち駒を打つ

というのが基本的な受け方です。状況によって基本から外れることもあって、なかなかセオリーまで昇格しませんが、この二つが受けの原則だと思ってください。

後手の盤上の攻め駒は57成銀1枚で、先手の盤上の受け駒は46金1枚(プラス89飛の横利きもある)ですから、金銀を2枚にしておけば受けやすいです。
金を打つか銀を打つかという選択は悩ましくて、金のほうが守備力が高いけれども、その金を剥がされて困る場合があります。銀(あるいはほかの小駒)を打つと利きが少ないけれども、取られた時に相手の戦力が減るから受けやすいという場合もあります。
38金37金38銀37銀(あるいは39金39銀もあるかも)の比較は難しいのですが、この場合はどれもありそうです。

何か攻めの手を指して(84飛とか53歩とか)47歩と垂らされたら受けが無くなっています。3枚の攻めとはいえ、先手玉が薄く、逃げるところもないです。先に受けるほうが手堅いのです。
58歩や49桂もテクニックではありますが、47金と打たれた時が厄介でした。
37玉から左に逃げるというのも実現すれば大きいのですが、後手には馬を使う手段がありました。

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