第1問
石田流で1歩持った時の基本手筋です。
A 45歩 B 36歩 C 24歩
第2問
これも手筋で攻めます。
A 17歩成 B 26歩 C 36歩
第3問
いろいろあるところですが、先手の嫌なところを攻めます。
A 54桂 B 64歩 C 95歩
第4問
利かしが入ってチャンスです。
A 87歩 B 74歩 C 46角
第5問
金を打たせたので少しゆっくり攻めます。
A 27馬 B 58桂成 C 74歩
第6問
これが好手でした。
A 76馬 B 75桂 C 19と
20180124今日の一手
10月7日の名南将棋大会から、NさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
少し前から、後手の仕掛けを見てみます。
流行の62金81飛の角換わり腰掛け銀です。よく見るとかなり後手が手得しているのですが経緯はわかりません。手得なので銀をぶつけて攻めてきました。
65同銀同桂66銀86歩同歩同飛87歩、というのが狙いでしょう。それで先手が悪いとも思えませんが、手筋としては55銀とかわして64の歩を狙ってみたいです。
実戦では47銀と引いてしまいました。これではさらに手損です。43角と打たれて
76歩が守れません。(この角打ちがあるので47銀67歩の待機戦術に65銀として66歩を突かせることがある。)68金右76銀同銀同角というのが問題図です。
☆ 形勢判断をします。
後手の1歩得です。(先手に持ち歩がないのでカウントします。)
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。24歩と突けば28飛も3枚目の攻め駒になります。
後手の攻め駒は76角と持ち駒銀で2枚。86歩と突けば81飛も攻め駒で3枚に近いです。
総合すればやや後手もちか。
☆ 大局観として
先に書きましたが、47の銀が55にあれば先手を持ちたいです。後手も筋違い角は打たな(打つ余裕がな)かったでしょう。47銀29桂が立ち遅れていて、攻め合いは望めません。
79玉が近いので76歩を取られたというのは痛く、7,8筋が薄いです。さらには9筋を攻められる恐れもあります。7,8,9筋を受ける手段があるかどうか。
長い戦いになれば手損が薄れてくる効果があります。でも1歩損でしたね。駒損が響いてしまうかもしれません。つまり7筋の歩を伸ばされて傷が広がるのです。
八方ふさがりのようですが、後手陣に隙があります。見えたでしょうか。その筋を掘り下げて考えてみましょう。それしか突破口はないです。
× 受けを考えるなら77金右
で角を追い8筋を守る手でしょう。43角と引かれたら65桂があります。66歩75歩37桂76歩67金寄95歩
端に手を付けられて、95同歩98歩同香86歩同歩77歩成
で香を取られて明らかな不利です。後手の筋違い角は十分に働いています。
× 実戦は77銀と打って
手堅く守ったのですが、54角56歩75歩に66銀
55歩には65角で後手を引くから銀をかわしました。95歩同歩98歩同香86歩
先ほどと同じ攻め筋で困りました。77金右で受けようとしたのですが、87歩成から攻め込まれて粘りも利かずに終わりました。
× 何もしなければ、例えば56銀には86歩同歩87歩
という攻め筋もあります。これで88銀狙い。もちろん先ほどの端を絡めた攻めもあります。
× 88玉はかなり危険な受け方で
7,8,9筋を全部守っているのですが、86歩同歩87歩同金79銀
79同玉は87角成、78玉は87角成同玉88金、どちらももちません。
○ 反撃筋は63銀しかないです。
63同金72角82飛63角成65桂64馬
こうなれば77歩をみて先手が指しやすいです。
後手から86歩が入るでしょう。
86同歩に63金72角86飛
がどうか。88歩では62金で困ります。63角成に88歩
ここで強く77金右89歩成68玉
88と86金78と同玉
後手玉は詰めろです。先手玉は安泰ではないですが、詰みはないです。角取り詰めろなので先手勝勢。
後手は銀を取れないとすれば61金。
これで後続がないといけないのですが、74銀成65桂75成銀87角成
成銀を引いて受けきれるかと思ったのですが、考えてみると自信なし。
であれば75成銀ではなく64成銀
で後手玉に狙いをつけたほうが良さそうです。(同時に77歩同桂同桂成同金右65角の筋を消しています。)
87角成に同金86歩76金87歩成75角
で少し指せそう。
後手が86歩同歩同飛なら
53成銀31玉43成銀
しつこく王手飛車取りねらいで崩し、42銀32成銀同玉77歩
催促して駒をもらい、反撃を狙います。
× 反撃の筋はわかりました。あとはタイミングの問題で、もう一度77金右に戻って43角63銀だと
61金74銀成65桂
桂馬に77金が当たってしまいますし、目標にできそうな角を逃がしています。
△ 15歩は
15同歩と取ってもらえるかどうか。取ってもらえても後続の手段があるわけでもなし、63銀に戻るわけですが、歩を渡すのも考えものです。
手抜いて86歩同歩87歩14歩88銀
というのも後手玉は端から遠いので甘い感じです。
△ 同様に24歩とか
あるいは35歩とか45歩とか、後手が角を手放しているので突きやすい意味もあるのですが、指し過ぎになっているかもしれません。手抜きもあります。
☆ まとめ
角換わり腰掛け銀で62金81飛の形がプロで流行しているのですが、アマチュアが見様見真似でうまくいく指し方ではないです。後手玉が薄い(のでバランスを取る必要がある)のを65歩同歩同桂66銀64歩として先手玉も薄くして難しいでしょう、という主張をする指し方は難易度が高いです。
54銀が消えると63歩とか63銀とか74桂とか、飛金の配置を崩されると角打ちの隙が生じるというのも弱点で、流行してはいますが、長い目で見て主流にはならないと感じています。
この問題ではその弱点を突く63銀同金72角というのが唯一の反撃筋でした。(唯一だという原因は手損と47銀が55にいないことにあります。)62金81飛の配置以外にも通常の52金82飛の配置でも角銀をもって71銀とか61銀とか71角とか61角とか、うまく攻めているようでも反撃の筋で難しいということがあります。
受けきれないときは攻めるしかない、のですが、同時に受けのテクニックでもあります。優勢な側が自玉の守りも考えさせられると、局面が複雑化して攻めも鈍ってきます。
攻めるは守るなりという言葉もありますね。