名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180124

2018-01-24 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。
第1問


石田流で1歩持った時の基本手筋です。
A 45歩 B 36歩 C 24歩

第2問


これも手筋で攻めます。
A 17歩成 B 26歩 C 36歩

第3問


いろいろあるところですが、先手の嫌なところを攻めます。
A 54桂 B 64歩 C 95歩

第4問


利かしが入ってチャンスです。
A 87歩 B 74歩 C 46角

第5問


金を打たせたので少しゆっくり攻めます。
A 27馬 B 58桂成 C 74歩

第6問


これが好手でした。
A 76馬 B 75桂 C 19と
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大山将棋研究(774);石田流に玉頭位取り(田丸昇)

2018-01-24 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180124
昭和59年2月、田丸昇先生と第25期王位戦です。

久しぶりにどちらが振るかという出だしから、田丸先生が居飛車、大山先生は石田流を目指すことになりました。

田丸先生は2つ位を取り

大山先生は石田流にして1歩持ちます。

歩を持つと2筋を逆襲でき

謝らせて気持ちの良い図です。

でもそこからどうするのかというのは難しいかもしれません。大山先生は香を交換して

1筋も謝らせました。ポイントは稼いだはずですが

その後が難しいのです。美濃囲いをあきらめて

なのに84歩を突いたというのがよくわかりません。8筋を攻められてしまい

壁になる香打ちでは得だとは言えないでしょう。

歩を合わせて

銀を出たものの、また引いて歩を打たせただけです。失敗していますよね。

2歩持たないと64香などがあり、この筋を決行しにくかったのでしょうか。

田丸先生は桂馬を取りに行き

飛車を逃げ

銀損なのですが、両取りを打てました。

大山先生は駒得なので銀を打って守ります。

86桂を含みに端攻めです。

田丸先生は64歩から65香と6筋狙い。端は危ないのですが

ここも金など打たないで98玉と危ない受け方です。

角を渡すと詰めろになりますから、普通の棋士は57角と引くところでしょう。

角を切って香を取り、すれすれで頑張ります。攻めの棋風ですが、受け方も危なっかしい。

さて、大山先生に桂を跳ねられたところで、66同金は57角というのはわかります。この際踏み込んでみれば、55金48角成44金で実は優勢かも。

金を引いて角を打たれ、こちらのほうが危険です。

飛車を逃げ、持ち駒を使わされてしまいました。これでは反撃が弱くなります。

駒を守りに打ったのに働きが悪く、74歩に97玉。また危険な局面です。

馬を切られて詰めろ。

銀で香を払って、75桂は同銀に76馬ということでしょう。

桂を取れずに88金ですが、清算されて

76金から金を取られて詰めろ。

飛車の横利きを止められて、78桂成~88成桂の3手すき。ここで74桂から

最後の突撃ですが

詰めろが切れて投了図。

大山先生の快勝譜かとも見えるのですが、そうではありません。玉頭位取りに対して、反対側の香を交換するというのは得ではないです。先手からは87香から8筋を攻めるという楽しみがあります。
攻めに片寄った棋風の田丸先生は、自玉が薄いのを気にしないので面白い将棋が多いです。本譜は反撃の時期を間違えました。形勢を悲観していたのでしょうか。実は悪くはなかったのでした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:田丸昇7段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 4二銀(31)
5 7八銀(79)
6 4四歩(43)
7 6七銀(78)
8 4三銀(42)
9 2六歩(27)
10 3五歩(34)
11 2五歩(26)
12 3三角(22)
13 4八銀(39)
14 3二飛(82)
15 6八玉(59)
16 6二玉(51)
17 7八玉(68)
18 7二銀(71)
19 6五歩(66)
20 7一玉(62)
21 5六歩(57)
22 5二金(41)
23 1六歩(17)
24 1四歩(13)
25 7五歩(76)
26 4二角(33)
27 2六飛(28)
28 3四飛(32)
29 5八金(49)
30 5四歩(53)
31 6六角(88)
32 6四歩(63)
33 同 歩(65)
34 同 角(42)
35 6五歩打
36 5三角(64)
37 8八玉(78)
38 3三桂(21)
39 7八金(69)
40 2四歩(23)
41 同 歩(25)
42 2五歩打
43 2八飛(26)
44 2四飛(34)
45 2七歩打
46 3四飛(24)
47 4六歩(47)
48 1五歩(14)
49 同 歩(16)
50 同 香(11)
51 同 香(19)
52 1四歩打
53 7六銀(67)
54 1五歩(14)
55 6七金(58)
56 1六歩(15)
57 1八歩打
58 2四飛(34)
59 5七銀(48)
60 4二角(53)
61 7七桂(89)
62 6二金(61)
63 8六歩(87)
64 9四歩(93)
65 9六歩(97)
66 8四歩(83)
67 8五歩(86)
68 同 歩(84)
69 同 銀(76)
70 8二香打
71 8四歩打
72 8三歩打
73 同 歩成(84)
74 同 銀(72)
75 7六銀(85)
76 7二銀(83)
77 8五歩打
78 1七歩成(16)
79 同 歩(18)
80 1八歩打
81 4五歩(46)
82 同 桂(33)
83 4六銀(57)
84 1九歩成(18)
85 4五銀(46)
86 2九と(19)
87 4八飛(28)
88 4五歩(44)
89 6四桂打
90 5五歩(54)
91 同 角(66)
92 4四銀打
93 5二桂成(64)
94 同 銀(43)
95 6六角(55)
96 9五歩(94)
97 6四歩(65)
98 9六歩(95)
99 6五香打
100 9七歩成(96)
101 同 香(99)
102 9六歩打
103 同 香(97)
104 同 香(91)
105 9七歩打
106 8六香打
107 9八玉(88)
108 5四桂打
109 4四角(66)
110 同 飛(24)
111 9六歩(97)
112 6六桂(54)
113 7九金(78)
114 4六角打
115 5七香打
116 3七角成(46)
117 6八飛(48)
118 5九馬(37)
119 1八飛(68)
120 4九馬(59)
121 6八金打
122 7四歩(73)
123 9七玉(98)
124 7五歩(74)
125 同 銀(76)
126 6七馬(49)
127 8六銀(75)
128 7五桂打
129 8八金(79)
130 8七金打
131 同 金(88)
132 同 桂成(75)
133 同 玉(97)
134 7六金打
135 9七玉(87)
136 6八馬(67)
137 8七金打
138 6九馬(68)
139 8八香打
140 8七金(76)
141 同 香(88)
142 7六金打
143 8八金打
144 5八歩打
145 7四桂打
146 7八桂成(66)
147 6二桂成(74)
148 同 玉(71)
149 6三銀打
150 同 銀(72)
151 同 歩成(64)
152 同 銀(52)
153 同 香成(65)
154 同 玉(62)
155 6四歩打
156 同 角(42)
157 7四銀打
158 5二玉(63)
159 投了
まで158手で後手の勝ち

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20180124今日の一手(その637);受けるために攻める

2018-01-24 | 今日の一手

20180124今日の一手

10月7日の名南将棋大会から、NさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
少し前から、後手の仕掛けを見てみます。

流行の62金81飛の角換わり腰掛け銀です。よく見るとかなり後手が手得しているのですが経緯はわかりません。手得なので銀をぶつけて攻めてきました。
65同銀同桂66銀86歩同歩同飛87歩、というのが狙いでしょう。それで先手が悪いとも思えませんが、手筋としては55銀とかわして64の歩を狙ってみたいです。
実戦では47銀と引いてしまいました。これではさらに手損です。43角と打たれて

76歩が守れません。(この角打ちがあるので47銀67歩の待機戦術に65銀として66歩を突かせることがある。)68金右76銀同銀同角というのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
後手の1歩得です。(先手に持ち歩がないのでカウントします。)
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。24歩と突けば28飛も3枚目の攻め駒になります。
後手の攻め駒は76角と持ち駒銀で2枚。86歩と突けば81飛も攻め駒で3枚に近いです。

総合すればやや後手もちか。

☆ 大局観として
先に書きましたが、47の銀が55にあれば先手を持ちたいです。後手も筋違い角は打たな(打つ余裕がな)かったでしょう。47銀29桂が立ち遅れていて、攻め合いは望めません。
79玉が近いので76歩を取られたというのは痛く、7,8筋が薄いです。さらには9筋を攻められる恐れもあります。7,8,9筋を受ける手段があるかどうか。
長い戦いになれば手損が薄れてくる効果があります。でも1歩損でしたね。駒損が響いてしまうかもしれません。つまり7筋の歩を伸ばされて傷が広がるのです。

八方ふさがりのようですが、後手陣に隙があります。見えたでしょうか。その筋を掘り下げて考えてみましょう。それしか突破口はないです。


× 受けを考えるなら77金右

で角を追い8筋を守る手でしょう。43角と引かれたら65桂があります。66歩75歩37桂76歩67金寄95歩

端に手を付けられて、95同歩98歩同香86歩同歩77歩成

で香を取られて明らかな不利です。後手の筋違い角は十分に働いています。


× 実戦は77銀と打って

手堅く守ったのですが、54角56歩75歩に66銀

55歩には65角で後手を引くから銀をかわしました。95歩同歩98歩同香86歩

先ほどと同じ攻め筋で困りました。77金右で受けようとしたのですが、87歩成から攻め込まれて粘りも利かずに終わりました。


× 何もしなければ、例えば56銀には86歩同歩87歩

という攻め筋もあります。これで88銀狙い。もちろん先ほどの端を絡めた攻めもあります。


× 88玉はかなり危険な受け方で

7,8,9筋を全部守っているのですが、86歩同歩87歩同金79銀

79同玉は87角成、78玉は87角成同玉88金、どちらももちません。


○ 反撃筋は63銀しかないです。

63同金72角82飛63角成65桂64馬

こうなれば77歩をみて先手が指しやすいです。

後手から86歩が入るでしょう。

86同歩に63金72角86飛

がどうか。88歩では62金で困ります。63角成に88歩

ここで強く77金右89歩成68玉

88と86金78と同玉

後手玉は詰めろです。先手玉は安泰ではないですが、詰みはないです。角取り詰めろなので先手勝勢。

後手は銀を取れないとすれば61金。

これで後続がないといけないのですが、74銀成65桂75成銀87角成

成銀を引いて受けきれるかと思ったのですが、考えてみると自信なし。

であれば75成銀ではなく64成銀

で後手玉に狙いをつけたほうが良さそうです。(同時に77歩同桂同桂成同金右65角の筋を消しています。)
87角成に同金86歩76金87歩成75角

で少し指せそう。

後手が86歩同歩同飛なら

53成銀31玉43成銀

しつこく王手飛車取りねらいで崩し、42銀32成銀同玉77歩

催促して駒をもらい、反撃を狙います。


× 反撃の筋はわかりました。あとはタイミングの問題で、もう一度77金右に戻って43角63銀だと

61金74銀成65桂

桂馬に77金が当たってしまいますし、目標にできそうな角を逃がしています。


△ 15歩は

15同歩と取ってもらえるかどうか。取ってもらえても後続の手段があるわけでもなし、63銀に戻るわけですが、歩を渡すのも考えものです。
手抜いて86歩同歩87歩14歩88銀

というのも後手玉は端から遠いので甘い感じです。


△ 同様に24歩とか

あるいは35歩とか45歩とか、後手が角を手放しているので突きやすい意味もあるのですが、指し過ぎになっているかもしれません。手抜きもあります。


☆ まとめ
角換わり腰掛け銀で62金81飛の形がプロで流行しているのですが、アマチュアが見様見真似でうまくいく指し方ではないです。後手玉が薄い(のでバランスを取る必要がある)のを65歩同歩同桂66銀64歩として先手玉も薄くして難しいでしょう、という主張をする指し方は難易度が高いです。
54銀が消えると63歩とか63銀とか74桂とか、飛金の配置を崩されると角打ちの隙が生じるというのも弱点で、流行してはいますが、長い目で見て主流にはならないと感じています。

この問題ではその弱点を突く63銀同金72角というのが唯一の反撃筋でした。(唯一だという原因は手損と47銀が55にいないことにあります。)62金81飛の配置以外にも通常の52金82飛の配置でも角銀をもって71銀とか61銀とか71角とか61角とか、うまく攻めているようでも反撃の筋で難しいということがあります。

受けきれないときは攻めるしかない、のですが、同時に受けのテクニックでもあります。優勢な側が自玉の守りも考えさせられると、局面が複雑化して攻めも鈍ってきます。
攻めるは守るなりという言葉もありますね。

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