名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180128

2018-01-28 | 大山将棋研究
先手番高橋先生の手を考えます。

第1問


嫌な歩を打たれました。動き方は難しいです。
A 15角 B 37角 C 37桂

第2問


後手の36歩は避けたいです。
A 46歩 B 56飛 C 33歩

第3問


飛車を逃げるようでは失敗です。
A 53歩 B 54同飛 C 66角

第4問


強く攻めましょう。
A 33銀成 B 53歩 C 74歩

第5問


これが指せれば勝ちです。
A 95銀 B 82銀 C 42と
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大山将棋研究(778);中飛車に居飛車穴熊(高橋道雄)

2018-01-28 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180128
昭和59年3月、高橋道雄先生(当時王位)と第23期十段戦です。

大山先生の中飛車に高橋先生は居飛車穴熊です。

大山先生はツノ銀に構えますが、高橋先生は飛車先は後回して7筋を狙います。

73金と守られたので2筋を狙いました。

穴熊が完成して、大山先生はなにか主張を作りたいところです。角筋を通して

44銀から中央へ。

55同銀24歩同歩55銀同角37角というのでは自信がなかったのでしょうか。歩を垂らします。

37桂と使われて角を引くというのは慎重ではありますが、99玉をにらんでいるラインなのでもったいない感じもします。

大山先生の方から35歩と突こうというところで、高橋先生から35歩。

焦点の歩を入れて

5筋へ。

銀をぶつけて調子が出てきました。

飛車取りにも引かずに角を使います。強引な感じはしますが。55銀同角76歩78金引38飛11角成33角という調子でどうでしょうか。本譜は33桂と守ったのですが

高橋先生の方から銀を取り、54同飛に55銀

34飛に44銀。これで43銀打とか53歩があるので受けにくいです。

大山先生は65銀と打ってけん制ですが、53歩を打たれて

取り合いですが、後手玉が薄すぎます。

77同桂と取られて、85桂を避けつつ84金打は大山先生らしい粘りではありますが、後手を引いているのです。

44銀を逃げられて飛車取り。これにかまわず歩を打って

寄せ合いではあるのですが、こうなると96歩同歩という突き捨てがマイナスです。とりあえず後手玉は詰めろ。

王手を決めてから手を戻しますが

95銀を打たれては上部脱出もできず、さらに角を取られて詰めろです。

82角から84銀打で

詰まされました。

居飛車穴熊相手にこれだけ薄いとかなり振り飛車が勝ちにくいと思うのですが、やってみると大変ではあります。でも中盤で一つ間違えると取り返しがつかないことが多いのです。
居飛車穴熊のほうから見てみると、右桂を使って飛角銀をさばけば、かなり無理が利きます。駒損でも攻めを読む力があれば指せるのですが(私には)難しいです。本譜は駒の取り合いにしてもらえたので、かなり楽な展開ではあるのですが。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:高橋道雄王位
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 4八銀(39)
4 4四歩(43)
5 5六歩(57)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5七銀(48)
12 7二玉(62)
13 7七角(88)
14 5四歩(53)
15 8八玉(78)
16 9四歩(93)
17 9八香(99)
18 4三銀(42)
19 9九玉(88)
20 6二銀(71)
21 8八銀(79)
22 6四歩(63)
23 7九金(69)
24 6三銀(62)
25 6六銀(57)
26 7四歩(73)
27 8六角(77)
28 6二金(61)
29 7五歩(76)
30 7三金(62)
31 2六歩(27)
32 8四歩(83)
33 2五歩(26)
34 3三角(22)
35 6八角(86)
36 2二飛(52)
37 7四歩(75)
38 同 金(73)
39 5七角(68)
40 7三金(74)
41 5九金(49)
42 5二金(41)
43 6九金(59)
44 8五歩(84)
45 7八金(69)
46 9五歩(94)
47 1六歩(17)
48 4五歩(44)
49 3六歩(37)
50 4四銀(43)
51 4八角(57)
52 7四金(73)
53 7七金(78)
54 5五歩(54)
55 同 歩(56)
56 5六歩打
57 7五歩打
58 7三金(74)
59 3七桂(29)
60 4二角(33)
61 2六飛(28)
62 3二飛(22)
63 3五歩(36)
64 同 歩(34)
65 3三歩打
66 同 角(42)
67 5六飛(26)
68 4二角(33)
69 5四歩(55)
70 3四飛(32)
71 5五銀(66)
72 同 銀(44)
73 同 飛(56)
74 5四銀(63)
75 6六角(48)
76 9六歩(95)
77 同 歩(97)
78 3三桂(21)
79 5四飛(55)
80 同 飛(34)
81 5五銀打
82 3四飛(54)
83 4四銀(55)
84 6五銀打
85 5三歩打
86 6六銀(65)
87 5二歩成(53)
88 7七銀成(66)
89 同 桂(89)
90 8四金打
91 4三銀(44)
92 7六歩打
93 3四銀成(43)
94 7七歩成(76)
95 6二飛打
96 8三玉(72)
97 8二金打
98 9三玉(83)
99 8一金(82)
100 8八と(77)
101 同 金(79)
102 7九飛打
103 8九桂打
104 8三金(84)
105 9五銀打
106 7二歩打
107 4二と(52)
108 7六桂打
109 8二角打
110 同 金(83)
111 8四銀打
112 同 金(73)
113 同 銀(95)
114 同 玉(93)
115 6四飛成(62)
116 9三玉(84)
117 8四金打
118 9二玉(93)
119 8二金(81)
120 同 玉(92)
121 8三金(84)
122 投了
まで121手で先手の勝ち



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20180128今日の一手(その639);駒を自陣に埋める

2018-01-28 | 今日の一手

20180128今日の一手

10月7日の名南将棋大会から、SさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角桂と飛金銀の交換で竜を作っています。先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は53竜と持ち駒金銀で3枚。
後手の攻め駒は69角35桂と持ち駒角で3枚。

総合すれば先手もちです。

何手で詰めろか数えてみると、後手玉は33歩成~32と で詰めろ。現状3手すきです。
先手玉は47角成で詰めろ。現状2手すきです。
先手番ですがこのまま寄せ合ったら後手の勝ちですから後手有利です。

☆ 大局観として

先手が駒得の分だけ指しやすいと思うのですが、後手の攻め駒が3枚、さらに36歩が嫌なところにあります。
素直な寄せ合いは後手のほうが速いですし、攻防の手もなさそうですから、なにかしっかりした受けを探さねばなりません。


× 33歩成47角成を見てみると

47同飛同桂成同銀37角では詰まされます。ここではほぼ受けなしで、32と37歩成同銀39角

でぴったり詰んでいます。


△ 実戦は57金と逃げて37角

二重の金取りですから逃げるのが自然な受けですが、角を打ち込まれました。29玉87角成39金打、あるいは29玉48角成同金79飛39銀というのも大変そうですが、37同銀同歩成同玉36銀26玉47桂成

これも悩ましいです。35玉57成桂44玉42金打

入玉を狙っての攻防で難しい戦いでしたが後手Sさんの勝ちに終わりました。

最後のところ、47桂成を同金と取れば

47同銀不成28飛36銀成17玉47角成33桂は15歩

詰めろを受けにくく先手敗勢、ということは33桂の前に38金打とか受けることになって形勢不明です。

あるいは36の銀を玉で取って

48成桂58銀同成桂同金引29飛48金打

19飛成に47玉から左に逃げていくというのも有力な変化です。

どれを選んでも難しい戦いでした。


○ 58銀と打てばどうか。

47桂成同飛58角成同金26銀

27金69角49角

後手が何か打てば、先手も何か打って受けます。27銀成同飛37金同銀同歩成同玉

35銀と打たれたら48玉から逃げ出すのも良いですが、33桂から攻めるのもあります。先手玉が広いので詰めろがかかりにくくなっていて、寄せ合いに出て先手の勝ちではないかと思えます。



△ 似ているようですが58金打なら

58同角成同金26金

というのが嫌な攻めです。(銀を渡して26銀は36金で大丈夫だった。)27と37の2つの地点に駒を足せないので、24歩47桂成同金37角39玉28金49玉48角成同玉38金57玉37歩成23歩成

長く進めましたが、駒を取られても6筋に逃げ出せるのならば寄せ合い勝ちになります。後手の攻めもいろいろありそうで、その前の図では形勢不明としておきます。


○ 57金打ならば

47角成に同金26金

は前と同じ変化です。

47角成には同飛と取って

26金には48角

として受けられます。

とすれば47同飛には同桂成同金69角58銀

58角成同金78飛48金寄68歩成24歩

これは先手の寄せ合い勝ちになりそうです。


× 駒を節約して58金では

58同角成同飛47桂成

で37に駒を打ち込まれてしまいます。


× 58飛でも47桂成

で困ります。


△ 26銀と右のほうから37の地点を受けると

47桂成同飛同角成同銀37金

37同銀同歩成同玉29飛38銀19飛成35角

35香や17竜を避ける角打ちで形勢互角です。


△ 27金とすると

47桂成同飛同角成同銀37金

37同金同歩成同玉29飛38銀19飛成35角

3つ前の図とは持ち駒の金銀が入れ替わっているだけの違いです。


△ 36金と歩を取ってしまうと

36同角成37金26金

馬のほうを取ると受けにくくなるので、26同金同馬37金36金同金同馬37金・・・で千日手模様です。


△ 37金打だと

37同歩成同金36金に58銀

千日手は回避できます。37金同玉78角成に26金くらいで先が長いです。



☆ まとめ

問題図を一目見たら金を取られてはまずそう、普通は二重の金取りは逃げたくなるのですが、57金37角で難しいと気が付きます。薄い穴熊とはいえ、食いつかれたら厄介なのです。

駒を自陣に打つ方が手堅いというのが受けの原則で、持ち駒は攻め駒に数えますが、盤上に無い駒は受けに働いていないです。打つのには1手かかるわけで、先に打っておくほうがしっかりした受け方です。
ではどこに打つか。後手のねらいは47角成同飛同桂成同銀37角ですから、37の地点を受けるか、47の地点を受けるかです。

一番強い受け方は58銀で角取り、47の地点も受けています。角を切られても大丈夫だと読めば、これが一番強い(リスクがあるが一番有利になりやすい)手です。
切られてまずいという場合は57金打を考えます。

右側から打つのは26銀か27金ですが、後手から47で清算して37に打ちこまれるのが少し怖いです。

それらの受け方でもだめだ、となった時には36金や37金打で歩と金を交換するのが非常手段。もしかすると紛れるかもしれません。後手が歩切れだというのがねらい目です。


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