名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180112

2018-01-12 | 大山将棋研究
後手番板谷先生の手を考えます。

第1問


仕掛けはこの筋から。
A 75歩 B 78銀 C 45桂

第2問


厚みを重視した指し方です。
A 55角 B 58銀 C 62角

第3問


飛車を使いたいので
A 52飛 B 33金上 C 72金

第4問


32飛を生かします。
A 31飛 B 35歩 C 46銀

第5問


決め所です。紛れの少ない手を。
A 36歩 B 25歩 C 46歩
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大山将棋研究(762);四間飛車に玉頭位取り(板谷進)

2018-01-12 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180112
昭和58年12月、板谷進先生と第9期棋王戦です。

大山先生の四間飛車に板谷先生は玉頭位取りです。

大山先生は銀冠から3筋の歩を交換して

金の位置をずらしてからもう一度合わせます。

もちろん1手パスではなくて、35歩を同銀と取って、銀を取り返すのです。

46の歩を取られて

損得はありません。板谷先生としては位が消えたのですが、持ち駒の銀を生かして攻められるか。

86歩から45桂で開戦です。大山先生は角交換は嫌なので56金ですが

こうなると角交換は避けにくいです。

角交換の後は44銀から86飛狙いが普通ですが、板谷先生がここに角を打つのも魅力があります。

でも27玉に55桂くらいなら73角がもったいないか。47銀は逃げにくいのですが、85桂とされて

角は金と刺し違えです。

金銀と角桂歩の交換、少し大山先生のほうが駒得ですが、玉を固めにくいです。37銀から48歩は苦労している感じ。

馬を作ってもたれて指します。

板谷先生は飛車を逃げながら玉頭を狙っています。

飛車は取られてもよいので、玉頭に食いつけるかどうか。大山先生としてはしっかり受けて84馬が働いて来ればよいのですが。

あれ、36歩はまずいのかな?46歩(か46銀)同金同銀同銀では58銀が空振りのような。でもそのあとの47歩がうるさいのかなあ?

飛車が近づいてしまったので食いつかれてしまいました。

反撃があるとはいえ、形つくりのようなもので

投了図。

大山先生は強気で受けたつもりが(飛で反撃しようとした)のが失敗で、あっけなく終わってしまいました。例年年末は対局が増えてしまうということもあるのかもしれません。
板谷先生は厚みが好きなので、金銀をもって迫っていく指し方、玉頭位取りが似合います。くらいは消えても厚みを意識しているのが分かる棋譜です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:板谷進8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5四歩(53)
17 3八銀(39)
18 4二銀(31)
19 5八金(69)
20 3三銀(42)
21 6七銀(78)
22 3五歩(34)
23 4六歩(47)
24 3四銀(33)
25 4七金(58)
26 2四歩(23)
27 2六歩(27)
28 8五歩(84)
29 7七角(88)
30 5三銀(62)
31 2七銀(38)
32 4二金(41)
33 3八金(49)
34 4四歩(43)
35 3六歩(37)
36 同 歩(35)
37 同 金(47)
38 3五歩打
39 3七金(36)
40 4三金(52)
41 3六歩打
42 同 歩(35)
43 同 銀(27)
44 3五歩打
45 同 銀(36)
46 同 銀(34)
47 3六歩打
48 4六銀(35)
49 同 金(37)
50 3四歩打
51 3七桂(29)
52 3三桂(21)
53 5六銀(67)
54 9四歩(93)
55 6五歩(66)
56 7四歩(73)
57 6九飛(68)
58 9五歩(94)
59 4七銀(56)
60 8六歩(85)
61 同 歩(87)
62 4五桂(33)
63 5六金(46)
64 3七桂成(45)
65 同 玉(28)
66 4五歩(44)
67 2二角成(77)
68 同 玉(32)
69 2九飛(69)
70 7三角打
71 2七玉(37)
72 5五桂打
73 8五桂打
74 4七桂成(55)
75 同 金(38)
76 5五角(73)
77 同 金(56)
78 同 歩(54)
79 3七銀打
80 4四銀(53)
81 4八歩打
82 5八銀打
83 6一角打
84 6二飛(82)
85 8三角成(61)
86 3三金(42)
87 8四馬(83)
88 3二飛(62)
89 4一角打
90 3五歩(34)
91 同 歩(36)
92 同 銀(44)
93 3九飛(29)
94 4七銀成(58)
95 同 歩(48)
96 3六歩打
97 同 銀(37)
98 4八銀打
99 3五銀(36)
100 3九銀(48)
101 3二角成(41)
102 同 金(33)
103 3四桂打
104 同 金(43)
105 同 銀(35)
106 3七金打
107 同 玉(27)
108 3五飛打
109 投了
まで108手で後手の勝ち


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20180112今日の一手(その631);攻め駒を責める

2018-01-12 | 今日の一手

20180112今日の一手

10月7日の名南将棋大会から、SさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛と角香歩の交換で馬を作っています。(後手は歩切れなので歩もカウントします。)先手の駒得です。
玉の堅さは同程度ですが、後手は3筋が壁になっているので先手の方がやや堅そう。
先手の攻め駒は66角91馬と持ち駒香で3枚。
後手の攻め駒は85飛と持ち駒飛で2枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手が3つの要素で上回っているので優勢、と言いたいところなのですが、相居飛車の将棋(もとは相掛かりです)で飛車を渡してしまうと、自陣に打ち込まれることが気になります。駒得はすぐに消えてしまいそうなのです。ですからここで形勢をよくする手がないか探したいです。

駒得を拡大するのに93角成では効果が薄いです。
ならば85飛を取れないでしょうか。
あるいは飛車の打ち込みを防げないでしょうか。
玉を固めるとしたら77銀~79玉~88玉が普通ですが、飛車を打ち込まれるので実現しにくいです。ならば入玉できるかどうか。道のりは遠いです。
攻め駒を増やすには、と金が作れないので、右桂を跳ねて、というのが普通ですが、歩が伸びていないので上からは攻めにくいです。

そう考えていくと、85飛を取る、飛の打ち込みを防ぐ。そして遠い将来は入玉もあるか。というところでしょう。


× 実戦は93角成と駒得を拡大したのですが25飛

と使われました。37桂と逃げておくほうが良かったですが、苦しいか。83馬51金66香29飛成63香成69飛

寄せ合いを目指したのですが、後手の2枚飛車は速いです。以下は入玉を狙ったのですが

桂香を急所に打たれて旗色が悪く、1段目に到達したものの捕まってしまいました。


× 飛車を捕獲するのに75歩は

49飛86香75飛同角同歩

香を使って角飛の交換では率が悪いです。桂を取られて76桂の傷もあるし、これは後手有利です。


○ 37桂と逃げてみると

85飛の移動できるところが減っています。つまり29飛に77桂

15飛16香95飛96歩94飛95歩

飛車を捕獲できました。桂2枚も逃げているし、先手優勢です。

後手が飛を逃げ出すには65飛

くらいなのですが、77桂64飛84角29飛73馬

角1枚は渡してもよいので、強く攻めれば優勢です。


△ 26歩も同じような意味で

28飛77桂45飛37桂44飛

26歩が甘いので角で飛車を取ることになるのですが、44同角同歩81飛

71金には同飛成同銀73馬

平凡に攻めて悪くないです。まあ最初に26歩を考える人なら37桂も考えると思いますが。


× 35香など(他には28香とか)右に香を打って飛を捕獲しようとするのは75歩

で空振りです。


× 37銀は

49飛77桂25飛26香

45飛46歩44飛同角同歩

香を打っての角飛の交換では今一つです。この図はまだ指せないこともないですが、後手が良くなりそう。


○ 39銀は飛車打ちに備えた手で

25飛28歩49飛56歩

これで耐えています。48角~59金などで49飛を捕獲します。


☆ まとめ

85飛を捕獲しようというのは攻め駒を責める手です。相手の攻め駒の数が少ない時には実現できるかもしれません。こういう手も考えると戦術の幅が広がります。
自然に取られそうな右桂を跳ねたら飛の詰めろになっていました。ですから37桂が一番良い手のようです。
飛を渡したら飛車の打ち込みに備える手というのも考えてみるものです。まあ渡す前に考えておくものですが。39銀はなんとか成立していました。

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