名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180116

2018-01-16 | 大山将棋研究
先手番小野先生の手を考えます。

第1問


どこから攻めますか?
A 35歩 B 55歩 C 37桂

第2問


力強く攻めます。
A 34歩 B 34金 C 55銀

第3問


受けを間違えてはいけません。
A 79桂 B 86金 C 88金

最後は後手番大山先生の方から
第4問


79玉が悪手でした。
A 67金 B 87金 C 66歩


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大山将棋研究(766);中飛車に57金戦法(小野修一)

2018-01-16 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180116
昭和59年1月、小野修一先生と第23期十段戦です。

大山先生の中飛車に小野先生は57金戦法(金立ち戦法)です。

三間飛車にして5筋を攻められる(32飛55歩)という展開が多く、32金35歩というのが少ないのはなぜでしょうね。

大山先生は55同歩と取らなかったので、小野先生から取り込んで銀を繰り出しました。

5筋ではなく3筋から攻めていきます。

金銀が5段目に出て行って

44の地点に利きの数が多いです。

これで駒得が確定。

割打ちも打てて

ずいぶん得をした気がしますが、銀角の交換だけです。26飛もうるさいので差はわずか。

29飛成は大きいので、39金とか、もしかしたら18角とか、受ける手を考えたいです。

桂の取り合いは損をしているでしょう。さてまだ大山先生の駒損ですが攻め駒は十分にあります。桂打から

香打が厳しいです。79桂が普通の受けですが、清算して75桂で負け。86金と打って

86同香同角。桂取りなので

87桂成から85銀

31角成に76銀打で清算して

16竜から56飛

ずいぶん攻められているのですが、まだ先手玉は詰めろではないし、駒得で受けもありそうです。87の地点を受ける79桂、97馬、98角、88銀、どれもありそうです。後手から66歩が嫌なのですが、58に何か埋めておけばまだもちそうです。

小野先生は両方避ける意味で79玉の早逃げでしたが、これが大悪手。87金と潜られて、88を受けるしかないのですが、金が無いので77銀88銀くらい。これに59飛成がありますね。投了です。

小野先生の一手バッタリの悪手で終了でした。40手あまりずっと有利だったのに、嘆いたでしょうね。
大山先生は序盤に言いなりで応じすぎているのでしょう。若者相手にはこういう指し方で、どれだけ強いか見ている感じの将棋があります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:小野修一4段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5八金(49)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 5四歩(53)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 2五歩(26)
18 3三角(22)
19 3六歩(37)
20 4三銀(42)
21 5七金(58)
22 6二銀(71)
23 4六金(57)
24 3二飛(52)
25 6八銀(79)
26 8二玉(72)
27 5五歩(56)
28 7二金(61)
29 5七銀(48)
30 5二金(41)
31 5四歩(55)
32 同 銀(43)
33 6六銀(57)
34 4三銀(54)
35 1六歩(17)
36 6四歩(63)
37 3八飛(28)
38 6三金(52)
39 3五歩(36)
40 同 歩(34)
41 同 金(46)
42 5二飛(32)
43 5五銀(66)
44 6五歩(64)
45 4四銀(55)
46 同 銀(43)
47 同 金(35)
48 3二歩打
49 3三金(44)
50 同 桂(21)
51 6一銀打
52 5六飛(52)
53 7二銀成(61)
54 同 玉(82)
55 3四歩打
56 7六飛(56)
57 7七角(88)
58 2六飛(76)
59 3三歩成(34)
60 2九飛成(26)
61 3六飛(38)
62 7五桂打
63 5九歩打
64 1九龍(29)
65 4三と(33)
66 8四香打
67 8六金打
68 同 香(84)
69 同 角(77)
70 8七桂成(75)
71 同 玉(78)
72 8五銀打
73 3一角成(86)
74 7六銀打
75 同 飛(36)
76 同 銀(85)
77 同 玉(87)
78 1六龍(19)
79 4六香打
80 5六飛打
81 7七玉(76)
82 7六金打
83 7八玉(77)
84 1八龍(16)
85 7九玉(78)
86 8七金(76)
87 投了
まで86手で後手の勝ち


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20180116今日の一手(その633);不利なときは考えるしかない

2018-01-16 | 今日の一手

20180116今日の一手

10月7日の名南将棋大会から、MさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角歩歩と桂の交換で、持ち歩があるので歩をカウントせず、成桂も作っている、とはいえ先手の駒損です。
玉の堅さは先手の方が堅いです。
先手の攻め駒は33成桂と持ち駒桂で2枚。29飛が活躍できるのはまだ先です。
後手の攻め駒は55角76金と持ち駒角で3枚。

総合すれば後手有利です。

☆ 大局観として

先手が主張できるのは玉の堅さだけですが、87銀を剥がすために金を打たれたところです。理想は玉を固めての長い戦いにしておいて、飛か銀を取って駒損を回復することです。それが可能かどうか。
あるいは自玉を薄くされても飛を取って寄せ合いに持ち込みます。飛を取ったら駒得になりますが22成桂は寄せに使えそうにないので攻め駒2枚、だからこちらが次善の策です。まあ金は手に入るかもしれませんが。


△ 76同銀は素直な応手で

76同歩に22成桂と飛を取って66歩

67歩成を受けるのは結構難しいです。56銀が最善のようで、67歩成55銀77銀

77同桂同歩成同金同と同玉65桂打(あるいは65桂)67玉45角58玉56歩

49桂から受けてどうか。難しいところです。

途中42飛と応手を聞いて見るのが工夫で

72銀なら74桂、72金は薄いのであとで詰めろをかけやすい、52歩は前の図の56歩がない、72銀打なら攻めが鈍る、ということで少し得でしょう。これで56銀から受けて勝負です。


× 単に22成桂だと

87金同玉66歩

65角が王手飛車です(し詰めろになりそうです)から56銀67歩成同金99角成

21飛と攻めたとして、76銀78玉87角68玉67銀成同銀66歩

どんどん攻められて負けます。


× 77歩は手堅そうな受けですが

87金同玉66歩

はやはり王手飛車の筋です。56銀と受けて、38角55銀29角成66銀

これはまだ戦えそうです。

後手は38角ではなく54角として

97玉46角78金寄(68角成を避けた)62飛

43銀にひもがつくと、飛車を逃げられて困っています。

どうやら87玉の形にされると、66歩~65角あるいは54角で困るようです。


× 78銀も普通の受けで

87玉の形を避けているのですが、66歩と取り込まれると圧力が大きいです。47桂は37角成

で桂取りで返されて不発。

77歩は65角

が飛取りで43銀にひもがつきます。

とすればやはり56銀しかないようで

67歩成55銀68と同金65角

この角が好位置です。27飛に67歩

飛で取るしかないのではじり貧です。


△ あとは87に駒を足す受けで、79桂は

87金に同桂

というのが結構働きがありますし、87玉の形を避けています。

後手は銀を取らずに66歩

のほうが良いか。56銀67歩成55銀68と同金87金同桂65角27飛62飛

結局は清算して角を打って飛車を逃げるくらい。87金同桂はいれるのも入れないのもあります。この図は銀と成桂の交換で駒損は消えています。先手玉のほうが薄いので逆転しているわけではありませんが、互角に近くなりました。


× 実戦は77金

ちょっと変わった受け方でした。77同金同桂66歩

65角を消した(それでも打てますが)意味でしょうか。55角の筋を止めてもいます。しかし桂を跳ねると先手玉が薄くなっており、56金67歩成55金に77と同玉65桂打

から寄せられてしまいました。(67玉に47角が痛い)


× 金を移動するなら78金上

が形です。66歩56銀67歩成55銀68と

68同金に87金から寄せられて負け。

途中66歩に77歩は65角

がやはり痛いです。76銀同歩56金

と抵抗しますが、67銀55金29角成22成桂

は寄せ合い1手負けのコースです。


× 78金上よりは78金寄のほうが良くて

66歩56銀67歩成55銀

の時に68の金を と金で取られることになりませんから。ただそれでも65角がある(金銀を剥がしてからか)ので後手よしです。


× 他には67桂

あるいは47桂だと少し違いますが、角取りに受けると、87金同玉76銀88玉66角

と切り込まれて、67桂は空振りです。78玉57角成77歩66角76歩同歩

上から押しつぶされます。



☆ まとめ

元の形勢が良くないので、先手よしの変化はありませんでした。互角に近いのは
76同銀同歩22成桂で寄せ合いを目指すか
79桂と持ち駒を使って受けるか
この二つです。

こういうのはいくつか読んでみないとわかりません。形勢が悪い時は有力な手が少ないわけで、比較検討するために読みの量を増やさないといけません。
どこかでまあまあ指せる手が見つかれば以下の読みを打ち切ることはできるのですが、見つける前に(見つからないかもしれない)考えるのをやめると、形勢を回復させるチャンスが減っていきます。
子どもに多いのですが、形勢が良い時には手が見えるしよく読めます。しかし形勢が悪くなっても読みの幅を広げないで、直線的に進めて負けてしまいます。(子どもと対局する大人としてはそこがつけ目ですが。)
この対局者は互いにベテランですが、素直に指しても負けると気が付くと、自然な手を避けてどうにかならないかと考えています。ここでは結果にはつながりませんでしたが。

では読むのが苦手ならどうするか。まずは序盤研究をすること、中盤で無理な手を指さないこと、で不利になるのを避けます。
悪くなったら、どうするか。まずは形勢判断を活用して、なるべく早く気が付くことです。そこで粘ったほうが勝機があるのか、無理気味でも攻めたほうが勝機があるのかの決断です。
問題図で攻め合いにするなら、単に22成桂か、76同銀同歩22成桂か、この比較をして、要所要所でほかの選択肢がないかに注意しつつ進めることです。自然な手だけで勝てる形勢ではないですから。
受けるなら、持ち駒を打つ方が手堅い、先に受けるほうが手堅い、という原則があります。持ち駒の桂をどこに打つか考えてみます。76同銀同歩に金を埋めるとか、あるいは78金上で千日手にならないかというのも考えてみます。

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