名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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升田将棋問題集20230301

2023-03-01 | 升田将棋研究

先手番小堀先生の手を考えます。

第1問

 

先手が自信を持っている場合はこの仕掛けです。

A 35歩  B 45銀  C 24歩

 

第2問

 

読んでみれば、うまくいきそうだというのがわかります。

A 33銀  B 14歩  C 22角成

 

第3問

 

先手の攻めが成功しているので、平凡な手で良いです。

A 45金  B 45桂  C 88銀

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升田将棋研究(273);相掛り腰掛け銀(小堀清一)

2023-03-01 | 升田将棋研究

今日の棋譜20230301

1954年10月、小堀清一先生と共同杯です。

小堀先生の先手で相掛りです。

互いに浮き飛車で

相腰掛け銀に。小堀先生は序盤の研究家です。特に腰掛け銀が好きで、升田先生の本にも書いてありました。

相掛りの相腰掛け銀は、ガッチャン銀と呼ばれる仕掛けが有名です。先後同型は先手有利だとわかっています。それを回避するのが、後手の65歩。

68玉74歩の形で、先手が仕掛けても失敗すると、私が子供のころに読んだ本には書かれていました。本譜の小堀先生は58玉74歩68玉。1手損したのが工夫です。升田先生は86歩同歩同飛87歩84飛と1手パスすることができるのですが、

73桂と跳ねて、先手は35歩から仕掛けます。この攻めが成立するかどうか。(定跡本には端を突き合って、後手が73桂と跳ねていない形が先手不利だと書かれてあったのです。)

35同歩45銀、銀がぶつかる音でガッチャン銀という名前が付いています。加藤治郎先生の命名でしょう。45同銀同桂と進んで、

後手の65歩は、先手から66角を打つ筋を消している上に、75歩を突いて飛の横利きで受けることができるのです。それでも小堀先生は33歩から攻めていきます。(定跡本の手順では、64歩の形で、75歩ではなくて44歩33歩同桂44角45桂同歩44角同歩の手順が記されていました。)

33同桂同桂成同金45桂。歩切れでは先手の攻めが息切れしていそうなのですが。

32金33銀

33同金同桂成同角同角成同玉55角。後手が73桂と跳ねているので

44角73角成の図は、桂を取り返して飛取りなのです。銀歩2と金の交換で馬ができたから先手の駒損ではありません。うまくいったのではないでしょうか。

升田先生は34桂29飛36桂38金まで利かしました。何かありそうな図なのですが、47銀同金38銀は、銀を渡したので45桂~33銀で角を外されてだめです。

54飛に45金で両取り。

28銀は、28同金に48桂成の詰めろ、という予定だったでしょうか。角を取られるので詰めろはすぐに消えるのですが。本譜は飛を取られて

29銀不成44金同歩。とりあえずは角と銀歩の二枚替えです。

25桂24玉27金で詰めろ。寄せ合いですが、玉の堅さがずいぶん違うのです。先手玉は77から逃げ出すことができますから、詰めろはかかりにくいです。さて後手玉の詰めろの受け方は32銀か42金か、ちょっと危ない28桂成か。それとも、

25玉を選んで33飛も詰めろです。銀取りで条件はより厳しくなっています。

28飛同金同桂成。大駒を全部失いましたが、入玉できるかどうかです。

16角36玉34飛成、これは37歩から追いかけたら詰みそう。

27銀に45歩で詰めろ。

46桂33飛も詰めろ。

58金77玉47玉と入玉しましたが、46馬と切られて、まあ48玉としてもだめでしょう。

46同玉に35竜57玉68銀48玉46竜まで。合駒を37飛成から取られて終わりです。

 

小堀先生の研究がはまって、升田先生でも何ともなりませんでした。私が子供のころにも仕掛けの前の図がどうなるか考えていたと思いますが、きれいに決まるのですね。ただし後手の受け手順に工夫は出来るでしょう。この戦型としての後手の受け方の主流は中住まいになっていくのだと思います。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/10/01(金) 00:00:00
棋戦:共同杯
戦型:相掛かり
手合割:平手  
先手:小堀清一
後手:升田幸三
手数----指手--
   1 2六歩(27)  
   2 8四歩(83)  
   3 2五歩(26)  
   4 8五歩(84)  
   5 7八金(69)  
   6 3二金(41)  
   7 2四歩(25)  
   8 同 歩(23)  
   9 同 飛(28)  
  10 2三歩打    
  11 2六飛(24)  
  12 3四歩(33)  
  13 7六歩(77)  
  14 8六歩(85)  
  15 同 歩(87)  
  16 同 飛(82)  
  17 8七歩打    
  18 8四飛(86)  
  19 4八銀(39)  
  20 6二銀(71)  
  21 1六歩(17)  
  22 9四歩(93)  
  23 1五歩(16)  
  24 9五歩(94)  
  25 4六歩(47)  
  26 6四歩(63)  
  27 4七銀(48)  
  28 6三銀(62)  
  29 5六銀(47)  
  30 5四銀(63)  
  31 4八金(49)  
  32 5二金(61)  
  33 3六歩(37)  
  34 4二玉(51)  
  35 3七桂(29)  
  36 6五歩(64)  
  37 5八玉(59)  
  38 7四歩(73)  
  39 6八玉(58)  
  40 7三桂(81)  
  41 3五歩(36)  
  42 同 歩(34)  
  43 4五銀(56)  
  44 同 銀(54)  
  45 同 桂(37)  
  46 7五歩(74)  
  47 3三歩打    
  48 同 桂(21)  
  49 同 桂成(45)
  50 同 金(32)  
  51 4五桂打    
  52 3二金(33)  
  53 3三銀打    
  54 同 金(32)  
  55 同 桂成(45)
  56 同 角(22)  
  57 同 角成(88)
  58 同 玉(42)  
  59 5五角打    
  60 4四角打    
  61 7三角成(55)
  62 3四桂打    
  63 2九飛(26)  
  64 3六桂打    
  65 3八金(48)  
  66 5四飛(84)  
  67 4五金打    
  68 2八銀打    
  69 5四金(45)  
  70 2九銀(28)  
  71 4四金(54)  
  72 同 歩(43)  
  73 2五桂打    
  74 2四玉(33)  
  75 2七金(38)  
  76 2五玉(24)  
  77 3三飛打    
  78 2八飛打    
  79 同 金(27)  
  80 同 桂成(36)
  81 2三飛成(33)
  82 2四歩打    
  83 1六角打    
  84 3六玉(25)  
  85 3四龍(23)  
  86 2七銀打    
  87 4五歩(46)  
  88 4六桂打    
  89 3三飛打    
  90 5八金打    
  91 7七玉(68)  
  92 4七玉(36)  
  93 4六馬(73)  
  94 同 玉(47)  
  95 3五龍(34)  
  96 5七玉(46)  
  97 6八銀(79)  
  98 4八玉(57)  
  99 4六龍(35)  
 100 投了        
まで99手で先手の勝ち

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