今日の棋譜20230322
1955年10月、梅原龍三郎さん(洋画家)と二枚落ちの指導対局です。
二枚落ちは45の位を取ることから始まります。
3筋の位も取って、上手に壁銀を強いることができるので、かなり勝ちやすいです。二歩突っ切りと銀多伝に分かれますが、
二歩突っ切りのほうです。飛で3筋の歩を交換して
浮き飛車に構え、カニ囲いにします。よくできた定跡で、二枚落ちまでは下手が強くなれば、かなりの強い上手でも勝てるでしょう。6段級差ということになっていますが、それ以上でしょうね。
升田先生は64金型を選び、7筋の歩を交換するくらい。
上手から厳しい攻めがないのです。
梅原さんは銀を繰り出して、飛角銀桂を使いやすいです。
46飛は寄らない形も多いですが、特に問題なければ4筋の攻撃力が上がります。
64金には56歩と突いておけば。升田先生の62銀は4筋を低く受けようというわけですが。
44歩同歩43歩。こう言う手筋を覚えた下手には困ります。
43同金44銀42金43歩32金
55歩は取れず、31銀と使っておきます。
54歩同金45桂。下手としては駒をただ取りされなければ、飛角銀桂4枚の攻めになるでしょう。
56歩に75歩。74歩を見せて揺さぶります。66歩同角77歩とすれば下手は少しは悩みそうですが、
単に63玉よりも、66歩同角を入れてから63玉ではなかったかなあ。55銀とぶつけられて、単純に金銀の交換はつぶされるでしょう。
43金と応援を繰り出します。梅原さんの44歩では33桂成45歩43成桂46歩54金同玉44成桂・・・という勝ち方もあるでしょう。
55金同角54金、これで角を引くのも悪くはないですが、
74金72玉56飛。この辺りの寄せの手順を読み切る力があればよいです。
45金に73角成。
清算して53飛成。角損しているのですが、竜を作り攻め駒は3枚、上手玉は裸です。合駒を取れる形なので下手勝勢です。即詰みでもおかしくないくらいですが、
63桂64銀84玉63竜まで。
梅原さんは将棋もかなり強かったようですが、二枚落ちだけみても良くわかりません。飛落ちになると難易度がかなり上がるのですが、定跡がうまくできているかどうかでしょうね。升田先生はよくある63玉型を選ばなかったのが工夫ですが、やさしい指し方をしている感じはします。
今日は問題集を作りません。下手優勢なので正解が多すぎますから。
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開始日時:1955/10/16(日) 00:00:00
棋戦:指導対局
手合割:二枚落ち
下手:梅原龍三郎
上手:升田幸三
手数----指手--
1 6二銀(71)
2 7六歩(77)
3 5四歩(53)
4 4六歩(47)
5 5三銀(62)
6 4五歩(46)
7 3二金(41)
8 3六歩(37)
9 7二金(61)
10 4八銀(39)
11 5二玉(51)
12 4七銀(48)
13 7四歩(73)
14 3五歩(36)
15 2二銀(31)
16 3八飛(28)
17 7三金(72)
18 3四歩(35)
19 同 歩(33)
20 同 飛(38)
21 3三歩打
22 3六飛(34)
23 6四金(73)
24 7八金(69)
25 8四歩(83)
26 5八金(49)
27 8五歩(84)
28 3七桂(29)
29 7三桂(81)
30 6八銀(79)
31 9四歩(93)
32 6九玉(59)
33 7五歩(74)
34 同 歩(76)
35 同 金(64)
36 7六歩打
37 7四金(75)
38 4六銀(47)
39 6四歩(63)
40 3五銀(46)
41 6五歩(64)
42 4六飛(36)
43 6四金(74)
44 5六歩(57)
45 6二銀(53)
46 4四歩(45)
47 同 歩(43)
48 4三歩打
49 同 金(32)
50 4四銀(35)
51 4二金(43)
52 4三歩打
53 3二金(42)
54 5五歩(56)
55 3一銀(22)
56 5四歩(55)
57 同 金(64)
58 4五桂(37)
59 5六歩打
60 7五歩(76)
61 6三玉(52)
62 5五銀(44)
63 4三金(32)
64 4四歩打
65 5五金(54)
66 同 角(88)
67 5四金(43)
68 7四金打
69 7二玉(63)
70 5六飛(46)
71 4五金(54)
72 7三角成(55)
73 同 銀(62)
74 同 金(74)
75 同 玉(72)
76 5三飛成(56)
77 6三桂打
78 6四銀打
79 8四玉(73)
80 6三龍(53)
81 投了
まで80手で下手の勝ち