先手番升田先生の手を考えます。
第1問
形勢は思わしくないのですが、しっかり受けていきます。
A 77歩 B 85角成 C 49飛
第2問
ちょっと望みが出てきました。
A 35銀 B 47歩 C 45同銀
第3問
形勢はまだ悪いので、厳密な正解はないのですが、これが一番難しくなります。
A 59同飛 B 43馬 C 35香
第4問
後手の合駒に対して、勝ち筋を読んでください。
先手番升田先生の手を考えます。
第1問
形勢は思わしくないのですが、しっかり受けていきます。
A 77歩 B 85角成 C 49飛
第2問
ちょっと望みが出てきました。
A 35銀 B 47歩 C 45同銀
第3問
形勢はまだ悪いので、厳密な正解はないのですが、これが一番難しくなります。
A 59同飛 B 43馬 C 35香
第4問
後手の合駒に対して、勝ち筋を読んでください。
今日の棋譜20230315
1955年8月、高島一岐代先生と全八段戦です。
升田先生の先手で矢倉です。
57銀53銀右の形は急戦含みで
互いに銀2枚を繰り出す相掛りになる可能性もあったのですが、高島先生は矢倉で受ける方針です。
升田先生は急戦矢倉にしたかったのかもしれませんが
35同歩に24歩同銀35銀という攻め方はあるものの
単に1歩交換して駒組に戻ります。
後手の四手角に対して
35歩同歩同銀34歩46銀の1手パス、73桂に68銀と引いて、流れ矢倉の系統です。本局は「日本一の攻め」を受けてみようということなのでしょう。
互いに手待ちがあり、
93角に65歩、升田先生はすごい打開の仕方です。角交換で先手有利とはいえないと思うのですが。
75歩同歩63銀、後手の応対もひねった感じですが
64歩同銀74歩。受けてやるから攻めてこいと。
66歩同角同角同金
86歩が取れなくて(王手金取りになる)63角。これでは先手がまずいでしょう。
高島先生は飛を切って
87同玉69角、合駒は飛しかかなかったですが、86歩で寄る形でした。77玉に65歩。
76金66金同金同歩
73歩成75銀で詰めろ。後手玉が堅いので駒損は関係なくて、先手玉を寄せ切れるかどうかの問題です。攻め駒は3枚なので微妙なところですが、
78金76金88玉
47角成49飛。升田先生の受けは、金銀ではない受けが特徴的です。自陣飛車を打って
87歩79玉56馬85角成。これで結構難しいのか
と思ったら、78馬同玉67金打69玉88歩成。小駒だけでも攻め駒は増えて、上から押さえつける形になりました。後手有利でしょう。
升田先生は玉を早逃げして
ここまでで一段落。金金銀香と飛角の交換は(成駒はありますが)駒損です。後手玉は堅く、先手玉は広いけれど入玉は出来ません。攻め駒は2対2、形勢としては後手有利か優勢です。でも先手玉が早逃げしたので、後手の6,7筋の金銀が攻め駒にはならず、簡単ではないです。
89と の補充で後手の攻め駒は3枚に。先手の26桂は攻めているような受けているような手で、後手の35桂は寄せの足掛りなのですが、
36歩の受けに、47香48歩。この辺りは後手の攻めが失敗しているようです。35桂や47香ではなくて45香が普通でしたかね。
45歩35銀同歩47歩。後手の攻め駒は2枚に戻りました。
36歩27玉35銀39香。升田先生らしい受けが続きます。
24歩に62角、遠くから角を打つのも好きなのですが、
53銀で角取りになるのでおかしかったのでしょう。でも銀を使わせたということで36香、強く受けます。
36同銀同玉62銀35桂。攻防の桂ですが、まだ逆転した感触はありません。
34香同桂同銀
43桂成同金52馬。41馬と入っても詰めろではなかったから、あいまいな52馬のほうが後手が悩むのか。
25銀37玉26角。55角も有力でしたが、
38玉59角成。まだ詰めろではないけれど、受けにくそうです。
升田先生は35香の詰めろ。43馬よりも働いていたのかな。26桂の王手に
27玉49馬38歩。先手玉は詰みません。(35桂を打たれないから、先の35香が攻防でした。) 後手玉は詰めろなのでとりあえず寄せ合い計算は先手有利です。
後手の34飛というのもすごい受け方ですが正解のようです。升田先生の43馬は詰めろ。
35飛は詰めろ逃れの詰めろ、44馬で王手飛車。対して高島先生の33香の受けが失敗でした。33飛しかなかったようです。
35馬同香42飛。これは合駒次第で即詰みがあります。
32歩23歩同玉43飛成。33角以外の合駒は、22金同玉31銀同玉42金を取れないので詰むのです。
なので33角に41銀。先手玉の詰めろが消えていて、後手玉は必至です。ここまで。
升田先生は自分から動くのが好きなのですが、攻めばかりの棋士ではありません。受けも得意としています。大山先生の金銀を使う受けに対して、飛角桂香を使う受けが特徴です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1955/08/20(土) 00:00:00
棋戦:全八段戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:高島一岐代
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 5六歩(57)
12 5四歩(53)
13 5七銀(48)
14 5三銀(62)
15 2五歩(26)
16 3三銀(42)
17 4六銀(57)
18 4四歩(43)
19 3六歩(37)
20 5二金(61)
21 7九角(88)
22 4三金(52)
23 7八金(69)
24 4一玉(51)
25 6九玉(59)
26 3一角(22)
27 5八金(49)
28 4二角(31)
29 6六歩(67)
30 3一玉(41)
31 1六歩(17)
32 2二玉(31)
33 3五歩(36)
34 同 歩(34)
35 同 銀(46)
36 3四歩打
37 4六銀(35)
38 7四歩(73)
39 5七角(79)
40 8五歩(84)
41 6七金(58)
42 6四歩(63)
43 7九玉(69)
44 9四歩(93)
45 8八玉(79)
46 5一角(42)
47 9六歩(97)
48 8四角(51)
49 3五歩打
50 同 歩(34)
51 同 銀(46)
52 3四歩打
53 4六銀(35)
54 7三桂(81)
55 6八銀(77)
56 8一飛(82)
57 1五歩(16)
58 6二銀(53)
59 1八飛(28)
60 9三角(84)
61 6五歩(66)
62 7五歩(74)
63 同 歩(76)
64 6三銀(62)
65 6四歩(65)
66 同 銀(63)
67 7四歩(75)
68 6六歩打
69 同 角(57)
70 同 角(93)
71 同 金(67)
72 8六歩(85)
73 6三角打
74 8七歩成(86)
75 同 金(78)
76 同 飛成(81)
77 同 玉(88)
78 6九角打
79 7七玉(87)
80 6五歩打
81 7六金(66)
82 6六金打
83 同 金(76)
84 同 歩(65)
85 7三歩成(74)
86 7五銀(64)
87 7八金打
88 7六金打
89 8八玉(77)
90 4七角成(69)
91 4九飛打
92 8七歩打
93 7九玉(88)
94 5六馬(47)
95 8五角成(63)
96 7八馬(56)
97 同 玉(79)
98 6七金打
99 6九玉(78)
100 8八歩成(87)
101 5九玉(69)
102 9九と(88)
103 4八玉(59)
104 6八金(67)
105 3七玉(48)
106 6七歩成(66)
107 5九歩打
108 8九と(99)
109 2六桂打
110 3五桂打
111 3六歩打
112 4七香打
113 4八歩打
114 4五歩(44)
115 3五銀(46)
116 同 歩(34)
117 4七歩(48)
118 3六歩(35)
119 2七玉(37)
120 3五銀打
121 3九香打
122 2四歩(23)
123 6二角打
124 5三銀打
125 3六香(39)
126 同 銀(35)
127 同 玉(27)
128 6二銀(53)
129 3五桂打
130 3四香打
131 同 桂(26)
132 同 銀(33)
133 4三桂成(35)
134 同 金(32)
135 5二馬(85)
136 2五銀(34)
137 3七玉(36)
138 2六角打
139 3八玉(37)
140 5九角成(26)
141 3五香打
142 2六桂打
143 2七玉(38)
144 4九馬(59)
145 3八歩打
146 3四飛打
147 4三馬(52)
148 3五飛(34)
149 4四馬(43)
150 3三香打
151 3五馬(44)
152 同 香(33)
153 4二飛打
154 3二歩打
155 2三歩打
156 同 玉(22)
157 4三飛成(42)
158 3三角打
159 4一銀打
160 投了
まで159手で先手の勝ち