名南将棋大会ブログ 名古屋

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SS2-10 先手石田流持久戦(21)

2024-02-06 | 基本定跡の研究

またこの図からです。

44歩、42角を調べましたが、角を交換するのもあるでしょう。32金33角成同銀 (金) とすれば後手の手得ですが、まあ穴熊を維持する77角成のほうが普通でしょう。77同桂31金67銀54歩

角交換したので、駒の片寄っている後手のほうが神経を使います。16歩14歩36飛

33銀46飛32金

後手は (61角があるから) 52金とは上がりにくいところ。ここまで揺さぶってから、戸辺先生は76銀だというのですが、86歩に85銀

87歩成に84銀78と は互角です。87歩成を同金と取って、82飛84歩78角86飛

この図を先手大優勢だというのですが、67角成にはすぐに76銀とは引けず96歩が必要です。

76銀だと49馬同銀95金があるところでした。72金76銀57馬61角

先手が攻め続けるならばこの筋だと思うのですが、51銀64歩同歩83歩成同飛同飛成同金同角成

先手が金得になっても、評価値は0近辺の互角です。左の駒が遊んでいるので先手玉が薄いのですね。

戻って

ここでのAIの最善手は76銀ではなくて56飛です。51金に74歩と突いて

74同飛には82角、53銀には75角です。ならば54歩を取れるのでまずまず、評価値は+153の先手ペース。先手としては大さばきをねらわずに、小さくポイントを稼ぐほうが良いのでしょう。

もう少し戻って

後手が54歩を突くと36飛からの揺さぶりがあったので、歩を突かずに51金と固めてみます。戸辺先生は16歩14歩96歩94歩を入れて74歩

74同歩に66角から動いていくのですが、AIに聞くと74同飛同歩85桂55角

戸辺先生は55角では84歩くらいだから先手ペースだというのですが、この図の評価値は-173の後手ペースです。飛交換は先手良しというわけにはいきません。

なので先手は74歩を突く前に46角と打って

54歩74歩同飛同飛同歩91角成

これをねらうほうが良いです。評価値は+88の先手ペース。

後手としてはこの図で

93香とかわすのが良く見る手筋なのですが、56歩41金右57角

先手は角を移動して飛交換を見せます。後手は穴熊が堅くなったけれど、飛の打ち込みには弱いです。83飛74歩同歩同飛73銀

というのは仕方ないところでしょうか。76飛32金右55歩

これで72歩を見て先手の作戦勝ち、評価値は+263です。

この石田流対居飛車穴熊という戦型は、振り飛車のほうが指しやすいようです。穴熊に悩まされている振り飛車党には、重要な選択肢になるのでしょう。ただし後手番では使えなさそうですが。

コメント
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