名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

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SS2-10 先手石田流持久戦(22)

2024-02-07 | 基本定跡の研究

「基本定跡」からは外れている気がしますが、戸辺先生の「石田流の基本」には相穴熊も書いてあるので、調べてみましょう。

この図の辺りの評価値は-100以下で後手ペースです。角の働きが違うからでしょう。駒組が進み

64歩を突くと後手は評価値を損ねます。おそらく

63銀型は穴熊を固めにくいからでしょう。この94歩は86歩同歩同角85歩95角の筋を避けたもの。

石田流本組+穴熊に、居飛車穴熊と腰掛け銀で対抗しています。ここから固め合った図は

評価値は0近辺の互角です。互いにどこから動くか、動くとカウンターを食らいやすいので難しい局面です。

さて戸辺先生は

この図から、46銀44歩55歩

銀を引かせて攻めようと書いています。怖いのは45歩54歩46歩

銀の取り合いのほうで、74歩同歩53歩成同金65桂

43金ならば64角

75銀には構わず53桂成

53同金同角成76銀43金

これで先手が勝ちやすいとしています。評価値は+592の先手有利。相穴熊の場合は玉の堅さが最優先ですから、駒損よりも後手玉に食いついてしまえば勝ちです。

AIに聞くと途中に問題があります。

この図では63金52銀75銀

これが難しくて、評価値は0近辺の互角です。

もっと戻って

ここから74歩に同歩は必然ではありません。86歩の返しがあって

73歩成87歩成は角取りが痛くて後手有利。86同歩74飛75歩87銀は

飛の取り合いですが、97角が働かいないので後手有利、評価値は-510

戻って

86同飛同飛同角89飛

これは66角や47歩成があるので後手の寄せが速いです。評価値は-582で後手有利。

となれば

ここでは86同角しかないのですが、74歩53歩成同金65桂

86歩同角が入っていなければ互角でした。後手は63金52銀85銀でも指せるようですが、ここは57歩同金52金

64角には87飛成ですね。54歩に86飛同歩65歩

86同歩のところ、86同飛には68角でした。この図は飛と角桂の交換、後手が攻めやすいようです。評価値は-460の後手有利。

戸辺先生の解説には穴があるようです。先手が積極的に動いて良しにはなりません。

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