中央位取り中飛車でも後手番で採用するとかなり変化が違います。一般には「ゴキゲン中飛車」と呼ばれるのですが、まずはWikipediaを参考に、そのプロトタイプ (原型) を調べます。
初手から76歩34歩26歩54歩25歩55歩
この出だしの将棋は古くからありまして、有名なのは塚田正夫先生が先手、後手の木村義雄先生から名人を奪取した将棋です。24歩同歩同飛32金
34飛52飛24飛56歩
56同歩88角成同銀33角21飛成88角成77角
というのがその将棋の進行です。この図の評価値は-36の互角です。
なお、名人戦で指されたので流行があり、大山全集にもいくつかこの戦型の棋譜が載っています。
さて途中では
56同歩に同飛が有力手です。
子どものころに柿沼昭治さんの本で読んだ気がするのですが、その定跡本を今探しても良くわかりません。この王手の受け方ですが、58歩では先手が損なので、58金右57歩68金寄
これが正しいのだと書いてあって、驚いた覚えがあります。88角成同銀33角21飛成88角成
これは58銀と打たれても48玉とかわせば大丈夫。1手の余裕を得て、45角52飛53歩同飛54歩と、後手の飛利きを止められます。52飛77桂99馬24桂
ここまで進めば評価値は+995、ほぼ先手優勢です。
AIに聞くと、決定版となる指し方があるようです。
この図から、68銀52飛48銀 (56歩は66歩57歩成同銀56歩46銀) 62玉77銀
この図の評価値は+220の先手良しです。でも56歩同歩同飛68玉23歩28飛76飛
ハッとする手があって1歩かすめ取られます。57銀74飛96歩94歩78玉42銀56銀
1歩取られても先手は2歩手持ちで問題なし。手得が生きそうです。35歩に97角33角79角と揺さぶれば
後手は35歩を守りにくいです。24飛25歩54飛45銀51飛54歩62銀35角
こんな進行で評価値は+166の先手ペースです。
というところでこのプロトタイプは消えて、後のゴキゲン中飛車につながります。