名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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SS4-13 ゴキゲン中飛車(1)

2025-01-16 | 基本定跡の研究

中央位取り中飛車でも後手番で採用するとかなり変化が違います。一般には「ゴキゲン中飛車」と呼ばれるのですが、まずはWikipediaを参考に、そのプロトタイプ (原型) を調べます。

初手から76歩34歩26歩54歩25歩55歩

この出だしの将棋は古くからありまして、有名なのは塚田正夫先生が先手、後手の木村義雄先生から名人を奪取した将棋です。24歩同歩同飛32金

34飛52飛24飛56歩

56同歩88角成同銀33角21飛成88角成77角

というのがその将棋の進行です。この図の評価値は-36の互角です。

なお、名人戦で指されたので流行があり、大山全集にもいくつかこの戦型の棋譜が載っています。

さて途中では

56同歩に同飛が有力手です。

子どものころに柿沼昭治さんの本で読んだ気がするのですが、その定跡本を今探しても良くわかりません。この王手の受け方ですが、58歩では先手が損なので、58金右57歩68金寄

これが正しいのだと書いてあって、驚いた覚えがあります。88角成同銀33角21飛成88角成

これは58銀と打たれても48玉とかわせば大丈夫。1手の余裕を得て、45角52飛53歩同飛54歩と、後手の飛利きを止められます。52飛77桂99馬24桂

ここまで進めば評価値は+995、ほぼ先手優勢です。

AIに聞くと、決定版となる指し方があるようです。

この図から、68銀52飛48銀 (56歩は66歩57歩成同銀56歩46銀) 62玉77銀

この図の評価値は+220の先手良しです。でも56歩同歩同飛68玉23歩28飛76飛

ハッとする手があって1歩かすめ取られます。57銀74飛96歩94歩78玉42銀56銀

1歩取られても先手は2歩手持ちで問題なし。手得が生きそうです。35歩に97角33角79角と揺さぶれば

後手は35歩を守りにくいです。24飛25歩54飛45銀51飛54歩62銀35角

こんな進行で評価値は+166の先手ペースです。

というところでこのプロトタイプは消えて、後のゴキゲン中飛車につながります。

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