名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-13 ゴキゲン中飛車(2)

2025-01-17 | 基本定跡の研究

ゴキゲン中飛車というのは、最初に指したというわけではないようですが、近藤正和先生が本家で、いつもにこにこでご機嫌だから、「ゴキゲン中飛車」という命名になりました。後手番で44歩を突かない中飛車です。定跡本も多数出ているのですが、まずは所司和晴先生の「東大将棋中飛車道場 第1巻 ゴキゲン中飛車超急戦」をもとに調べていきます。

初手から76歩34歩26歩54歩

26歩を突いている瞬間なので、22角成同飛53角は42角と合わされて手損に終わります。なので25歩ですが、52飛が成立するというのが発見です。最初に58金右

とする、一番面倒な変化を片付けましょう。

なお58金右で24歩同歩同飛とさばくと、88角成同銀33角28飛26歩77桂22飛

この図の評価値は-74、後手が指しやすくなるでしょう。

戻って

後手は55歩と突くのがメインの定跡で、24歩同歩同飛

後手は32金とするのもあるのですが、妥協しなければ56歩同歩88角成同銀33角

昨日プロトタイプとして紹介した将棋に似ています。21飛成88角成55桂62玉

ここまでは当然の進行です。先手は43桂成が自然ですが22飛とぶつけられます。

すでに先手が悪く、22同竜同馬44角同馬同成桂72玉

この図の評価値は-718の先手不利です。銀桂交換でも成桂ができているのですが、玉の堅さが劣ります。88と27に空間があり、57歩とたたけるから後手が攻めやすいです。

戻って

23角は厳しそうな手ですが32銀打と守られます。

43桂成23銀52成桂同金右23竜

とりあえずは角飛の交換です。ここで57歩同金65桂が厳しく、本には載っていません (58金引89馬で後手有利とされる) が66金とかわす手が最善です。

57桂成48銀同成桂同玉

この図の評価値は-248の後手良しです。後手は桂香を拾えるから駒得になるでしょう。

また戻って

定跡本の出版時点での最新形は、75角32銀11竜51金右

75角は57の地点をカバーしつつ31角成をねらい、32銀を誘って香を取り、33香をねらって金を寄らせた。ここまではずいぶん働いた手順です。でもこの図の評価値は0付近の互角です。従来の手が22歩、当時最新が24歩、と調べていくのですが、長くなるので今日はここまで。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする