ゴキゲン中飛車というのは、最初に指したというわけではないようですが、近藤正和先生が本家で、いつもにこにこでご機嫌だから、「ゴキゲン中飛車」という命名になりました。後手番で44歩を突かない中飛車です。定跡本も多数出ているのですが、まずは所司和晴先生の「東大将棋中飛車道場 第1巻 ゴキゲン中飛車超急戦」をもとに調べていきます。
初手から76歩34歩26歩54歩
26歩を突いている瞬間なので、22角成同飛53角は42角と合わされて手損に終わります。なので25歩ですが、52飛が成立するというのが発見です。最初に58金右
とする、一番面倒な変化を片付けましょう。
なお58金右で24歩同歩同飛とさばくと、88角成同銀33角28飛26歩77桂22飛
この図の評価値は-74、後手が指しやすくなるでしょう。
戻って
後手は55歩と突くのがメインの定跡で、24歩同歩同飛
後手は32金とするのもあるのですが、妥協しなければ56歩同歩88角成同銀33角
昨日プロトタイプとして紹介した将棋に似ています。21飛成88角成55桂62玉
ここまでは当然の進行です。先手は43桂成が自然ですが22飛とぶつけられます。
すでに先手が悪く、22同竜同馬44角同馬同成桂72玉
この図の評価値は-718の先手不利です。銀桂交換でも成桂ができているのですが、玉の堅さが劣ります。88と27に空間があり、57歩とたたけるから後手が攻めやすいです。
戻って
23角は厳しそうな手ですが32銀打と守られます。
43桂成23銀52成桂同金右23竜
とりあえずは角飛の交換です。ここで57歩同金65桂が厳しく、本には載っていません (58金引89馬で後手有利とされる) が66金とかわす手が最善です。
57桂成48銀同成桂同玉
この図の評価値は-248の後手良しです。後手は桂香を拾えるから駒得になるでしょう。
また戻って
定跡本の出版時点での最新形は、75角32銀11竜51金右
75角は57の地点をカバーしつつ31角成をねらい、32銀を誘って香を取り、33香をねらって金を寄らせた。ここまではずいぶん働いた手順です。でもこの図の評価値は0付近の互角です。従来の手が22歩、当時最新が24歩、と調べていくのですが、長くなるので今日はここまで。