もう1局参考棋譜を見てみます。2014年2月5日のA級順位戦で、屋敷伸之先生対佐藤康光先生。
後手の佐藤先生は44歩を突きました。
駒組が進みますが、この辺りならば35歩同歩同銀34歩46銀という進行になったかも。
先手の屋敷先生は55歩を突いてから3筋の歩を交換しに行きます。42金66銀85歩77桂
3筋の歩はぶつかったままでしたが、35歩同銀32飛56角
AIに聞いてみると、56角ではなくて57角が良い(先手ペース)と言いますが、この図の評価値は0近辺の互角です。45歩36歩
こうなると先手の主張が乏しいです。22飛45角43金56角54歩
先手の56角が目標になっていて、後手ペースへ。24歩同歩75歩
左右に手を出しますが、良い感じではないです。64歩54歩55歩
55同銀は39角ですね。45角44歩で角が死んで、53歩成同金72角成同玉
駒得で後手良しです。23歩52飛54歩同銀24銀
銀をさばければですが、86歩同歩34銀35歩45銀22歩成
27歩同飛56銀
後手の左銀が攻め駒になり、65歩ねらい。74歩65歩75銀66歩同銀76歩
85桂74銀84金64金57歩65歩
銀を取り合います。56歩66歩73銀
63玉64銀成同玉66歩45角
後手玉は広く、この45角は攻防手です。74金同玉65銀83玉28飛56歩
74金82玉37桂57歩成
46桂58と53歩68と同玉
ここは77金から先手玉を追って、39角の王手飛車を決めれば、そのまま後手の勝ちだったのですが。次の佐藤先生の55銀は攻防のようで失着でした。対して屋敷先生の64角が敗着です。
37から角を打てば先手有望で、逆転だったようです。64同銀同銀77金
これで即詰みです。57玉39角48飛同角成同玉59角同玉39飛まで。
さて序盤をAIに聞いてみましょう。
(実戦例とは少し形が違いますが) 44歩を突かれたら、37桂と跳ねておきます。54角はあるのですが
77銀36角26飛54角55銀43角68金寄
1歩損ですが、後手の角は活躍しません。以下の手順はとばしてしまいますが、
先手は居飛車穴熊に組み替えて指せばよいようです。すでにこの図の評価値は+405の先手有利。
戻って、後手が54角を打たなければ、先手はまず銀冠を目指します。
さらに進んで
この図の評価値は+138しかないのですが、先手は穴熊に組み替えて待ちます。
後手としては手待ちに困っている感じです。先手が56歩を突いていないというのが重要で、39角の筋を避け、69角には56角を用意しているのです。83銀ならば35歩同歩24歩同歩35銀
強く攻めて先手有利です。
少し戻って
後手は45歩 (か45桂) から動く方が良さそうですが、45同桂同桂同銀37角46角
角を合わせるというのに驚きます。意味は46同角成同歩37角29飛46角成44歩
4筋の歩が切れると銀を攻めに使えると。
戻って
28角成のほうは、同角69飛33角
角角銀桂の攻めをみて先手有利です。52金には56桂がぴったり。
居飛車穴熊への組み換えは、AIが好むことは少ないのですが、後手が44歩を突いた場合は打開手段がないのです。
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