名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(9)

2023-12-13 | 基本定跡の研究

富沢流の続きです。

せっかく端歩を伸ばしているのですから、桂を跳ねる前に端を絡めたらどうか。96同歩65桂33角成同銀66歩98歩

98同飛に99角というのがねらいです。

でもまだ簡単というわけでもないようで、79銀86歩同歩88角成同銀86飛97角

76飛65歩78飛成35歩

駒損はそのうちに取り返せるのですが、この攻めを受け切らねばなりません。24銀34歩36歩45桂44歩33角

33同銀同歩成同桂同桂成同玉25桂43玉

ここまで来てやっとしのげたか、という図です。評価値は-380の後手有利。

戻って

98同飛の変化を見ると、86歩に64角

82飛が逃げている場合ではないので、87歩成82角成98と91馬

このまま桂香を取り合っても自信なし。68銀を目標にします。88飛59銀67歩81飛

81同飛成同馬68歩成同銀88飛

54馬68飛成65馬89と

このまま進めば後手の駒得になるのですが、先手の攻め駒は5枚あるから寄せ合いになるのでしょう。評価値は+37の互角です。

また戻って

65歩は99歩成77桂98と

後手の飛がさばけます。評価値は-434の後手有利でわかりやすい。

最後は

64角73角同角成同銀55歩

先の64角も、この55歩の利かしも入りそうで、55同歩65歩99歩成57銀89と68飛

後手の駒得ながら先手の攻めを受けねばならない図です。評価値は-61の互角です。

ということで、富沢流では、端を絡めない方が良いようです。初見では先手が間違えそうではありますが、調べれば形勢は互角となる仕掛けでした。

 

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SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(8)

2023-12-12 | 基本定跡の研究

これは別の構想で

先手の88飛に対して、73桂47金 (65歩急戦に備えた手) 33角

角を一つ上がるのが富沢幹雄先生考案の作戦です。(青野先生の定跡本に書いてある。) 37桂に65歩同歩同桂

先手から角を交換させようということですね。33角成同銀66歩67歩

67同銀には86歩同歩79角58飛57桂成同金86飛

57桂成と捨てないで86飛もあります。桂か香を取り返せるので後手もまあまあ。評価値は-127の後手ペースです。

なお先手の58飛で、78飛57角成も

攻めは続きます。評価値は-331の後手有利。

青野先生は79角ではなくて77角のほうが良いというのですが、

77同桂同桂成89飛67成銀85歩

これは二枚替えだけど歩切れなので (角歩と銀桂の交換) まだ難しいです。評価値は+168の先手ペース。

戻って

59銀と引いても、86歩同歩57桂成同金79角58飛86飛

これも評価値は-207で後手もち、これは77桂87飛成67金75歩68銀76歩

こんな進行です。角は切らないで取らせるほうが良く、65桂には64歩とします。

また戻って

この図では第3の手がありまして、64角73角同角成同銀59銀

後手の銀の位置が違うだけなのですが、86歩同歩57桂成同金79角58飛86飛77桂87飛成67金

同じ手順で進んだ時に、75歩68銀76歩65桂が銀取りになりますね。ゆえに最善は46角成のようなのですが、この図の評価値は+65で互角です。先手が知らないとはまりそうなので、後手を持ったら試してみる価値はあるかも。

 

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SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(7)

2023-12-11 | 基本定跡の研究

先手の対策としては

57銀ではなくて88飛とする受けもあります。3歩突き捨て急戦には、75歩同歩96歩同歩86歩同歩同香87飛

この図の評価値は0近辺の互角です。99香成同角72飛・・・1局でしょう。

定跡本では棒銀に触れているのですが、これも互角です。その途中で

73銀67銀に65歩

65歩急戦に切り替えることができます。角を交換すると79角の筋があるので、58飛62銀37桂73桂

後手が銀の動きで2手損し、先手は飛の動きで1手損しているので、先手はもう1手指すことができます。青野先生は45歩が厄介だというのですが。

66歩同銀86歩同歩65歩

何度か類似形を調べているので、飛ばして書いても良いでしょうか。57銀には77角成同桂86飛65桂同桂同飛89飛成

この図の評価値は-340の後手有利です。先手は46桂を打てるけれど、24桂47金16桂

端を攻めると寄せが見えています。

ということで

ここではこれまでと同じように65同銀のほうが難しいのですが、77角成同桂65桂

AIの推奨手順は同じです。65同桂77角

評価値は-146の後手ペース。64角には86飛でしたね。67飛88飛成91角成86角成

73桂成同銀同馬76馬

というのが進行例です。先手としては46桂とか46馬の余地があるので評価値が改善していますが、後手ペース (評価値は-188) で進んでいます。

戻って

65同飛のほうは86飛と進んで

評価値は-355の後手有利。66角を打たれたときに、44歩同歩33銀打の受けができないのですが、33角同角成同銀25桂打22銀

64歩の時に72銀と受けても良いようですが、24歩72角25歩

桂を取り切ってしまいます。63歩成同銀同角成同金同飛成52銀72竜24桂47金打15歩

端を攻めれば評価値は-665、後手有利は拡大しています。

ということで、後手としては少し面倒になるのですが、88飛と受けられても、工夫すれば後手良しに持っていけます。

 

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SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(6)

2023-12-10 | 基本定跡の研究

今日調べるのは、65歩を同銀と取る変化です。

先手は45桂と跳ねる手があるので攻撃力があるから (57銀と引く手よりも) 難しいです。定跡本では65同桂22角成同玉65飛78角

角を87ではなくて67から打つのは、25桂に56角成とできるからです。この図の評価値は-124、先手としては本に書いてある77角以外に、63歩や67歩があるので手が広いです。本の手順にしても、77角44歩同角33銀打

と進むのですが、77角56角成66飛78馬・・・以外に62角成同金71銀とするのもあって

56角成62飛成同飛同銀成

この図の評価値は-298の後手良し。あれこれ変化はあるけれど、どれも後手が指せるという感じなのです。

AIの推奨は

77角成同桂65桂 (この手で22角は74銀があるので難しい)

ここで分岐しますが、65同桂に77角

この図の評価値は-312の後手有利です。最善は88角同角成77角89飛66角成

69飛76馬64角92飛73桂成63歩

駒得で後手有利です。

少し戻って

64角には81飛 (69飛78銀・・・) ではなくて86飛だというのが (47金29桂の形との) 違いです。

86同角成同角成とするか、67飛88飛成か、まだ変化はありますが後手有利だと。

また戻って

69飛には86飛63歩同銀73桂成66歩

ちょっと不安な形ですが、これで問題ないようです。

ではさらに戻って

65同飛のほうしかないか。86飛と走った図で

評価値は-252の後手良しです。単純に85飛同飛同桂は66角の先着で後手有利。先手は何か細工をするのですが、63歩には51銀右

先手から45桂とされたときに当たらない形を選べばよいです。

戻って、64桂には44角

金を逃げないのが良いと。26角に88飛成とすれば、44角同歩66角が甘いということのようです。

ということで先手の最善は66角ですが、後手は44角と合わせます。

44同角同歩66角の時の受け方は33銀打が簡明です。

25桂89飛成

この図の評価値は-274の後手良しです。先手としても桂を渡すと、後手に24桂を打たれてまずくなる可能性が高いのです。

ということで、65歩を同銀と取る変化は幅広いのですが、後手良しになります。後手番で9筋に手をかけていても十分に戦えることがわかりました。

 

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SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(5)

2023-12-09 | 基本定跡の研究

最後に調べるのは

47金でも65歩でもなくて37桂。反撃力があり、58金の形が横からの攻めに強いです。66歩同銀86歩

86同角は同飛同歩79角の筋があるから指しにくいです。86同歩65歩に57銀を見てみましょう。

77角成同桂86飛65桂同桂同飛89飛成

この図の評価値は-328の後手有利。先手はどこかで45桂と跳ねる手が有効になれば良いのですが。26桂には24桂

後手の桂打ちのほうが厳しいですね。47金に(66歩同飛15歩同歩99竜などもあるが) 64歩同飛16桂

16同香15歩

これで端が破れます。評価値は-557で後手有利が拡大しています。12歩にも16歩が利くので、15同香同香25桂

19角39玉17香成34桂37歩

37歩の代わりに63香~67香成も有力です。この37歩はどちらで取っても角を切って寄せていけば良いです。4枚の攻めなので切れません。37同金は同角成同銀27成香

42桂成同金上38銀同成香同玉47金

定跡本通りに進んで後手勝勢になります。

先手の変化としては

26桂ではぬるかったので、64桂を打ってみます。定跡本では53金には45桂があるから・・・としているのですが、24桂47金63銀

これでも後手有利です。

戻って

51金引72桂成53銀45桂24桂

こちらが書いてあって、評価値は-391の後手有利。どちらでも良いでしょう。

ということで、65歩に57銀と引く変化は後手有利です。先手の37桂がかなりマイナスになってしまいます。65同銀は明日。

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2月の予定

2023-12-09 | 名将会

来年2月の予定が決まりました。     

第248回

壱11月18日(土)R1800点以上;開催済み

弐12月17日(日)R1800点以下

第249回

壱12月23日(土)R1800点以上

弐  1月14日(日)R1800点以下

第250回

壱  1月27日(土)R1800点以上

弐  2月24日(土)R1800点以下

 

壱は1回分先行していたので、2月は弐だけです。3月は休みが多いので困らないはず。

プラスマイナス100点までは参加してよいです。つまり壱は1700点以上、弐は1900点以下です。
誤差100点は超えないように、R区分は守ってください。
皆様の参加をお待ちしています。

もうすぐ250回ですね。なにかおまけを用意しましょうか。お愉しみに。

 

なお名南研究会の次回は1月7日(日)に予定しています。9時30分より。

どなたでも参加できますが、レーティング3局、表彰はありません。棋譜を残して感想戦をしっかり行い、棋力向上することを主眼にしています。

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SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(4)

2023-12-08 | 基本定跡の研究

最初のほうに戻って

73桂には47金66歩同銀86歩・・・を調べてきたわけですが、その前に73桂に65歩はどうでしょうか。先手玉は堅いので、後手が間違えると危ないのですが。77角成同桂22角

先に自陣角を打っておきましょう。67飛86歩のところは、同歩と取らないで64歩87歩成63歩成と攻め合います。

定跡本では63同銀ですが、63同金もあります。63同銀のほうは83歩92飛65桂77と

67飛を目標にすれば後手優勢です。評価値は-936

戻って

63同金のほうは83歩同飛72角66歩

これも飛先が止まります。(77と63飛成は怪しいので注意。) 66同飛同角83角成77角成

評価値は-1157で後手優勢です。

AIに他の手も聞いてみると

22角に66角と合わせる手。66同角同飛88角75歩

ここは先手に歩を渡さないように、75同歩74歩77角成

後手が少し駒得になり、評価値は-343の後手有利です。

さすがに先手が65歩を取るのはだめでした。

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SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(3)

2023-12-07 | 基本定跡の研究

青野先生の定跡本では触れていないのですが、

86歩に同角とする変化は (四間飛車に45歩急戦の結果から思えば) 悩ましいです。53銀左としていないので、15歩同歩67歩同飛86飛同歩78角の筋は成立しません。AIによると、65歩77銀53銀右

新しい筋が出てきます。98香85桂88銀62飛

左銀を保留していた効果で、右四間飛車にすることができるとは。67歩の受けに66歩同歩同飛

88銀が浮いてしまうので、飛交換は後手有利です。67歩61飛37桂64銀

65銀とされる前に77桂とするでしょう。同桂成同角同角成同銀75歩同歩同銀

この図の評価値は-158の後手もちです。76歩には85桂88銀76銀とします。83角には64飛、など。後手から端攻めもあるのでまあまあの図なのでしょう。

はっきり後手有利とは言えませんが、後手番だということも考えればまずまずの結果でしょうか。

 

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SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(2)

2023-12-06 | 基本定跡の研究

9筋を突き越す形の急戦で、変化を調べていきましょう。

68飛73桂47金

66歩同銀86歩同歩65歩を同銀と取るのが今日のテーマです。(57銀と引くのは昨日調べました。)

居飛車に選択肢があるのですが、先にAIに聞いてみましょう。定跡本では脇道なのですが、77角成同桂65桂

65同桂には77角64角

81飛69飛78銀59飛63金

この図の評価値は-378の後手有利です。先手の攻めが細いのですね。

先手が64角を打たない場合は77角に69飛86飛

後手は飛をさばくことができます。この図の評価値は-328の後手有利です。進行例は63歩51銀73桂成61歩

64桂53金72桂成68銀

高美濃なので飛を詰ますことができます。

戻って

65同飛には86飛とさばき合います。

すぐに85飛同飛同桂は横からの攻め合いで後手有利です。先手としては64桂53金72桂成

成桂を作っておく方がましなのですが、63銀62成桂64銀85飛

85同飛同桂61歩

成桂が働かなくなるので後手有利なのです。評価値は-585

見ていないのは定跡書で本筋として書いてある

65同桂の時に22角成同玉65飛という形です。 (65同飛77角成同桂86飛は合流します。) これには87角と打つのが本筋。

まあ86飛とは走れないからなのですが。定跡書の変化は26桂32玉(このやり取りは先手が損をしている)85飛

後手は歩切れなので飛交換になります。85同飛同歩76角成81飛69飛

76馬が働いていますね。26桂32玉も余計でしょう。48金引91飛成89飛成は

評価値は-1420、後手優勢です。

先手の最善は

この図から63歩同金71角

見たことのない手を指摘してくれます。72飛62角成同飛73銀

76角成62銀成65馬

ここで分岐します。61飛は62金41飛成31銀打

これで評価値は-348の後手有利。駒得なので受けておけば良いのですが、26桂には33銀打、32金同銀42竜には61飛、という要領です。

分岐の所で

63成銀のほうは69飛81飛32金

52成銀75馬48金打33銀

この図の評価値は-197の後手良しです。今は二枚替えですが、後手が駒得になっていきそうです。

ということで

この形は後手有利、後手としては65同桂よりも77角成同桂65桂のほうが優るようです。

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SS2-5 先手三間飛車に65歩急戦その2(1)

2023-12-05 | 基本定跡の研究

新しい項目を立てますが、また65歩急戦に戻ります。というのは

後手が94歩を突いて、3歩突き捨て急戦をねらったときに

先手は9筋は受けません。47金とする形を見てきたのですが、互角~後手良しでしたね。先手が47金としなければ3歩突き捨て急戦は成立しないのです。57銀として65歩

この形の65歩急戦を取り上げます。後手番で端に2手掛けているので、仕掛けは3手遅れています。それを左銀を42のままにして1手分はカバーしようというのですが。68飛73桂47金

先手からの変化は後で見るとして、一番自然な順を追いかけましょう。66歩同銀86歩

86同角は後で調べるとして、86同歩65歩

65同銀も後で調べるとして、57銀77角成同桂86飛

この図の評価値は-193で後手良しです。65桂同桂同飛89飛成(87飛成もある)

AIによると、77角と打たれたら22桂と受けるのが良いと。33角同角成同銀45桂44銀63歩・・・というのはちょっと損なようです。定跡本に書いてあるのは、64桂53金72桂成63銀

桂を打つ攻めには金銀を上にかわすのが受け方です。62成桂64銀68飛

この図の評価値は-600、後手有利です。候補手は77角、87角、65桂(これを定跡本で掘り下げている) など、どれも後手有利なのでここまで知っていれば良いでしょう。

というのがこの定跡変化の流れです。高美濃は横からの攻めに強いとは言い切れず、舟囲いは42銀の形が案外に堅いのです。( 今ならば31金とする手を考えるかもしれませんが。)

明日からは先手からの変化を考えていきましょう。

 

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