名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(9)

2023-12-22 | 基本定跡の研究

この項目の最後は

75歩に67銀76歩同銀72飛67銀64歩

後手が慎重に指していて、36歩63銀37桂74銀98香に94歩

さらに端角も警戒した時です。先手は65歩77角成同飛

ちょっと強引にさばいてきます。ねらいとしては、65歩ならば73歩同飛82角

駒得になるから先手良し。評価値は+257

後手としてはこの筋を避けて、じっと75歩を打っておくというのが慎重な手です。

AIによると66角を打って、後手の受け方は22角、44角、44銀、どれもあって互角のようなのですが、青野先生によると実戦例があるとのことです。55歩同歩66銀65歩45角

先手が良くなったと書いてあるのですが、AIによると63銀75銀54銀右

73歩62飛74銀66角

この辺りで後手良しです。後手としては無理に飛角を取らない合が良くて、34角には74飛

83銀不成ならば84飛72銀不成42金寄

慎重な指し手を続けて、評価値は-305の後手有利です。

 

この指し方は割と実戦例があるようなのですが、定跡としては完成されてはいないようです。今見ると後手は互角以上に戦えるので、採用しても良いかなあと思えます。研究していればですが。

これまで見たように、先手三間飛車に対する急戦がいくつかありまして、居飛車も互角以上で戦えるようです。私は急戦がうまくいかないと思い込んでいて、かなり苦手にしていたのですが。羽生の頭脳でも、引き角棒銀で千日手をねらいなさいと書いてありましたし。だから?今でも主流は居飛車穴熊のような持久戦です。でも居飛車党ならば急戦を主力にしても、意表を突けるのではないかと思います。

 

 

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SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(8)

2023-12-21 | 基本定跡の研究

昨日の続きです。

75歩に67銀76歩同銀72飛67銀64歩

36歩63銀37桂74銀98香75銀

95角に71飛を昨日調べたのですが、後手もちでした。他の手としては74飛があります。

76歩66銀同銀同角75銀

似たような形で、ここは94飛66銀95飛が良いとされていた定跡もありましたが (詳細を思い出せません) 、96歩94飛75銀・・・飛をねらわれて難しいようです。AIによると94歩59角 (これが最善で、74銀95歩68飛93角打は後手有利) 

75飛同歩69銀77角

振り飛車らしい返しがあります。77同角成同飛58銀不成同金66角

一見は後手優勢なのですが。25桂と跳ねるのが攻防で、39銀37玉48金67飛

24歩 (受けの意味もある) 66飛58金49銀打

この図の評価値は+213の先手もちです。後手の攻めが細いようです。

変化としては

25桂39銀37玉に77角成

飛を取るのですが、すると33銀からの詰み筋が気になります。77同桂44銀66角

この図の評価値は+441の先手有利。69飛ならば33銀同銀同角成同桂同桂成同玉45桂22玉33角31玉22銀32玉11銀不成

即詰みは無いものの、ほぼ必至がかかります。

なので昨日見たように、

74飛ではなくて71飛のほうが良さそうだ、ということなのでした。

 

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SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(7)

2023-12-20 | 基本定跡の研究

75歩を先にする作戦は、調べるとまだまだ先があります。

67銀の受けに76歩同銀72飛67銀64歩

64歩では73銀としても良いといのが昨日調べたところです。後手が妥協した、あるいは先手が95角を見送ったら、という場合です。36歩63銀37桂74銀98香75銀

青野先生は95角の反撃がある (から94歩を突いて・・・) とだけ書いているのですが、71飛

後手としては71飛の所を74飛とするのもあります。明日調べてみましょう。73歩74歩76銀

先手としては73歩が残っているうちに、角か銀を交換して82に打ち込みたいのです。66銀85銀94歩86銀75銀77角

長い変化なので、他の手もありうるのですが、AIの示す最善手順を追いかけてみます。ここも角交換できないので、44銀74銀76歩99角73桂

45歩33銀72歩81飛

やっと後手も強く戦えるようになって、73銀成87飛成88飛

88同竜同角87飛79角89飛成46角

変化はあるでしょうが、割と一本道です。この図の評価値は-161の後手もち。端攻めか13角のぶつけで指せるようです。

この変化のさわりは、何かの定跡本で読んだ気もするのですが思い出せません。今調べてみると互角か後手もちくらいです。

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SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(6)

2023-12-19 | 基本定跡の研究

75歩を先にする急戦の続きです。

67銀76歩同銀72飛に67銀

銀を引くのはおとなしい手のようですが、73銀に95角

何でも角を切って攻めてしまえという強引な指し方をねらっていたのでした。昔の棋譜や定跡書で見かけるのですが、どっちも持ちたくないなあと思っていたものです。後手は73銀を動かすわけにはいかず、とりあえず64歩を突けば73角成同飛同飛成同桂74歩

かなり強引なさばきです。後手は受けるわけですが、79飛73歩成同飛成

銀桂と角歩の交換で竜ができているから、駒の損得は無いと見ます。後で先手の桂香を拾えば駒得になります。先手は攻めるしかないのですが、81飛65歩24桂

ここから攻めるのは、24同歩23銀同玉41竜42金21竜31角打

青野先生の言われるように、21竜を捕獲できるので後手良しです。評価値は-255

戻って

24桂ではなくて55歩は受けの手筋です。55同角91竜79竜 (竜取り) 81竜89竜

定跡本では89竜ではなくて、66歩56銀67歩成とされていますが、67同金99角成77桂がまだ難しいようなので修正しておきます。この図の評価値は-343の後手有利。

先手が角を切って攻めるのは無理なようです。

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SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(5)

2023-12-18 | 基本定跡の研究

75歩に67銀とする変化の続きです。

76歩同銀72飛のほうが自然な手で、75歩と打てば64銀

88角には82飛77角72飛88角・・・千日手ですが、後手は77歩を打つような打開は考えないほうが良い、と青野先生は書いているのですが、実は77歩同飛66角67金22角65歩75銀

75同銀同飛同飛88角成とした図で

評価値は-217の後手もちなのです。77桂には71歩、72飛成には89馬が金取り、という具合です。余計な変化ですが、先手が千日手なんて考えないほうが良いです。

ここは65歩77角成同桂

77同飛は88角があるので、先手としては桂で取ります。勢いは75銀同銀同飛なのですが、66角74飛

AIによると本に書いてある71飛よりも74飛のほうが良く、11角成22銀12馬76歩

という順が後手にとって最善のようなのですが、85桂77歩成75歩同飛86銀78と75銀

先手に銀を打たせたものの、12馬の存在が不気味です。評価値は+191の先手もち。

ゆえに戻って

ここは53銀引ですが、すると持久戦になります。定跡本の手順では後手がおとなしすぎるので、(66角は33角同角成同桂が少し損) 47銀82飛88飛78歩

45歩 (46角ねらい) 24角68角

68同角成同金44歩46角

64歩44歩同銀64歩35銀

57角53銀65銀79歩成38銀

AIはこんな順を教えてくれますが、評価値は0近辺の互角です。

 

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第248回名南将棋大会(弐)結果速報

2023-12-17 | 名将会

本日は第248回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

F級優勝

青木凱愛さん

本郷聰弘さん

伊藤孝治さん

栗本弘毅さん

G級優勝

板倉考佑さん

H級優勝

地下好さん

I級優勝

石田浩史さん

長谷川武志さん

坪田和政さん

J級優勝

栗本謙仁さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

過去12回分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

トーナメント表の画像です。

 

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SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(4)

2023-12-17 | 基本定跡の研究

75歩から入る急戦の続きです。75同歩は後手がまずまずでしたから

67銀と受けてみます。このほうが三間飛車が生きるので本筋です。後手としては64銀とすれば前に調べた形の類似形ですし、64歩75歩65歩76銀というのもありそうですか。先に片付けてしまいましょう。

66歩68飛84飛57金

57金で95角とすれば94飛77角84飛で千日手。先手は回避します。73桂66金86歩同歩64歩67金

途中の64歩というのが手筋ですね。77角成同桂86飛87歩84飛74歩

65桂には66角なので、74同飛66角33角75銀

66角74銀に76歩というのが勝負手です。

66金77歩成98飛57角

後手は駒損ですが、形勢は互角のようです。金取りの受け方も悩ましいのですが (84角か、取らせる63歩51銀73銀成か) 75角72歩63歩51銀71飛67と

こんな進行で評価値は+60ほど。と金が使えるからまだ互角なのですね。途中の変化もありますし、後手としてはありうるというくらいです。

脇道と思ったら長くなったので、本筋は明日。

 

 

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SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(3)

2023-12-16 | 基本定跡の研究

次に検討するのは

山田定跡のように75歩を先にする形です。青野先生がいうように、42金46歩は入れないほうが良いのでしょう。スピードが違います。四間飛車の場合は75同歩が本筋でしたが、64銀74歩

ここも同じように進めると86歩同歩75銀

66銀と86銀があるので後手良し、評価値は-237です。四間飛車ならば6筋からの反撃があったところですが、三間飛車では弱いです。

74歩と突きだすのは疑問手だったので、65歩とするところでしょう。

77角成同飛65銀67飛

先手は銀を迎撃します。76銀66飛87銀成

この銀成の感触が悪いところですが。両取りの見える方ならば、83歩同飛65角としたいのでしょうが、84飛87角88角

香を取られるでしょうから、香歩と銀の交換で、馬と生角の違いがあります。評価値は-544の後手有利。87成銀という変な駒を相手にしてはいけないようです。

戻って

ここは55歩のほうが筋ですが、88角67飛78成銀 (青野先生は86歩ですが、AIによって修正しておきます) 54歩99角成

手が広い局面ですが、評価値は-190の後手もち、香得を生かして手堅く指す方針です。

また戻って、青野先生は触れていないのですが、

65歩ではなくて67銀も見ておきましょう。75銀65歩77角成同飛74歩

後手の74歩では76歩というのも形によってあるのですが。76歩86歩75歩87歩成

後手は銀を見捨てて攻めます。76飛86と79飛44角

74歩99角成73銀

ここは77歩82銀成78歩成もわずかに後手が指せるようですが、85飛62銀成88角

88同馬同飛44角は77角というのが面倒です。89馬11角成22銀を選んで

評価値は-140の後手ペース。12馬には76歩~77と と攻めます。

 

75同歩と取るのは後手がまずまずさせる展開になりました。

 

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SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(2)

2023-12-15 | 基本定跡の研究

先手が高美濃にするのは後手が攻めやすい意味もあったので、

98香と待ってみましょうか。普通の後手四間飛車に左46銀急戦の場合と比べると36歩と98香が入っています。後手が41金のまま仕掛けていないから、42金上と46歩の交換もあります。後手にとって条件が悪くなっているはずですが。76歩同銀72飛65歩

後手が86歩同歩を入れていない場合を先に調べてみます。65歩の所では88角とか67金の変化もありますが、省略します。77角成同飛53銀引(22角などとは打ちにくい) 67銀

77飛成同桂79角

この角打があるのが先手陣の欠陥でした。57角同角成同金76歩同金78飛67銀98飛成

先手陣を乱して、先に香を取った図です。評価値は+35、互角です。

後手が8筋の突き捨てを入れた場合は、

76歩同銀86歩同歩72飛65歩

65歩の所では74歩同飛65歩もあるのでしたね。77角成同飛22角64歩77角成73歩

73同飛74歩、同飛は65銀で先手有利になるので、76馬

73歩成同桂63歩成、普通は同銀ですが、AIによると63同金のほうが少し良いと。

61飛には41飛と合わせて、同飛成同金64歩同金61飛51銀打

91飛成98馬

(98香がマイナスになって) 後手だけ桂を取って駒得になりそうな展開です。評価値は-8の互角。

後手番でかなり遅れた仕掛けになるのですが、互角にはなるようです。後手四間飛車に対しても互角だったことを思えば善戦しているとはいえるでしょう。採用したいかどうかは人によります。振り飛車党としては、定跡の変化を知っていれば対応できるのですが、三間飛車専門だと、後手の急戦は想定していないかも。ちょっと勉強しておきましょう。

 

 

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SS2-6 先手三間飛車に左64銀急戦(1)

2023-12-14 | 基本定跡の研究

これも青野照市先生の定跡本に書いてあるのですが、

左64銀急戦はどうでしょうか。後手四間飛車よりも2手遅れているので、本筋とは思えませんが。後手四間飛車に対しては旗色が悪かった急戦です。先手は2手指せるわけですが、67銀75歩47金

36歩~47金の2手は、横からの攻めに弱くなっています。後手の攻めは成立するでしょうか? 定跡本の出版日の関係で、76歩同銀72飛

先に8筋を突き捨てるのは出始めた頃でした。メインの定跡に86歩同歩が入っていません。でもこれが幸いしているようなのです。65歩77角成同飛22角

64歩77角成同桂76飛は、67金とできないので後手有利になります。8筋の突き捨てが入っていないので、持ち歩の数が違うから、77角成の時に73歩同飛74歩という筋もありません。75歩が仕方なく、53銀45歩

45歩の所は他の手もあるのでしょうが、自陣角を打つためです。定跡本では74歩83角71飛74角成同飛同歩・・・と進むのですが、AIによると77角成同桂68飛だと。

69から打つのは、先手に66角を打たせないため。37角92飛85銀

76歩同銀99飛成

74歩44歩66角43金右75銀79竜

絶対手ではない手順ですが、この図の評価値は-46の互角です。後手番で仕掛けてこれくらいなら許容できるか、というくらいの差でしょう。

86歩同歩が入っている方の変化は

この図から76歩同銀86歩同歩72飛

65歩77角成73歩同飛74歩・・・もありますし、74歩同飛65歩77角成同飛もあります。

定跡のおさらいとしては、22角64歩77角成65銀

75飛77桂同飛成54銀

後手四間飛車の時とは先手陣の形が違いますが、はっきり先手有利です。評価値は+791

ということで

後手が角を打てないならば、53銀引75歩72飛78飛

44角77角同角成同桂87歩

87同銀67角79飛44歩

よくわからない手順が続いて、形勢は互角です。評価値は-27

他の変化も調べ出すときりがないですが、形勢は互角のようです。後手番の急戦と思って満足するか、振り飛車で互角ならば満足と見るか。

 

 

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