城南宮の菊水若水の井の水。古都・奈良に春を呼ぶ東大寺の「お水取り」(3月1日から2週間の本行)の香水は若狭・遠数川から「菊水若水」を通り、二月堂の若狭井に達すると伝えられています。
城南宮は国土守護の国常立尊、武勇に秀でた八千矛神(大国主命)、安産と育児の神様の息長帯比売命(神功皇后)をお祀りしています。熊野詣でに先立ち、道中の安全を祈って城南宮で身を清めて出発する慣わしとなり、方除・旅行安全等のお祓いやご祈祷を行っています。
城南宮神苑「春の山」。平安時代末期造営の城南(鳥羽)離宮は、極楽往生を夢みた上皇方の離宮で、洛南水郷の鳥羽の地に、源氏物語の世界の再現を試みた、その遺跡のひとつ「春の山」は紅・白のしだれ梅(150本)が植えられています。
平安時代、貴族の神殿造りの邸宅は池を備え、鑓水(やりみず)という小川が流れていました。管弦の苑、和歌の会と四季折々に風流を楽しんだのです。
平安貴族の装束を身につけた男女の歌人が、せせらぎの辺に座ると、川上から童子がおしどりのかたちをした「うしょう」に杯をのせて流し、歌人は流れて来るまでに和歌を詠み短冊にしたため、杯のお酒を戴きます。曲水の宴は4月29日、11月3日の午後2時から行われます。