今回は「コンコンおめでとう記念」で、コンコンが目立っている昔の曲から何か紹介して記事を書こうと思います。(本日の記事は写真の事を書いた記事と二本立てです)
という訳で選曲開始。コンコン活躍曲というと「カントリー娘。に紺野と藤本」かな。とか、やっぱりモーニング娘。の「涙が止まらない放課後」かなと思いましたが、敢えてこの曲を行ってみます。
「BE HAPPY 恋のやじろべえ」
三期タンポポ(石川梨華 柴田あゆみ 紺野あさ美 新垣里沙)の出した唯一のCDです。
タンポポは、飯田圭織 石黒彩 矢口真里 の一期時代は、ブラックコンテンポラリーミュージックを展開してクールにセクシーに歌っていました。彩っぺの卒業で新たに石川梨華 加護亜依が加入した二期からは、ブリティッシュポップで可愛い路線にシフト。これがヲタに好評で、タンポポはヲタから熱狂的な支持を受けます。
売上的にはプッチモニに負けていたものの、楽曲が評価されていたタンポポは、メンバーを一推しにしているヲタだけにとどまらず、ヲタの推しを超えた支持を受けていました。
それが、2002年7月のハロプロユニット再編でメンバーチェンジを行ない、前述の四人になる訳ですが、このユニット再編がハロプロの人気を揺るがすかのような大不評を買い、その影響で三期タンポポも拍手で迎えられずにスタートします。
ユニット再編のインパクトを、当時を知らない人に伝えるとすると、今ならモーニング娘。にBerryz工房に℃-uteのメンバーを大幅に入れ替えるようなインパクトと言えましょうか。もし、そんな事が発生したら批判が渦巻きますよね?つまり、それほど当時のヲタはうろたえ、怒りを露わにしたのです。
二期タンポポは「タンポポ編集部OH-SO-RO」というラジオ番組をやっていました。私はこのラジオ番組が大好きで、毎週楽しみにしていました。
メンバーチェンジを受けて、ラジオ番組もその年の秋から三期タンポポに移行します。それに合わせるかのように、他のユニットに先駆けてシングルが発売されました。それが「BE HAPPY 恋のやじろべえ」です。
【HQ PV】「BE HAPPY 恋のたじろべえ」
私は、三期タンポポによるラジオ番組も面白いと感じ、変わらずに毎週聴き続けました。
エース的存在の石川さん。石川さんの親友であり良きお姉さん的存在のしっかり者の柴ちゃん。キャラクター的にはモーニング娘。五期メンバーの中でも地味に思われていたものの、ラジオでは楽しいキャラクターを出し始めていたコンコンに豆(ガキさん)。良い意味でまったりしていて良いグループだなと思ったものです。
曲も、そんな四人に合わせて可愛くほのぼのとした曲。ゆったりとしたダンス、ピンクに統一された四人の衣装、いずれも可愛い仕上がりで、三期タンポポは一期や二期とは違う魅力を十分に出せていました。
しかし、売上的には今一つな結果と事務所に受け止められたのか、結局シングルは一枚で終わり、アルバムは出ませんでした(これは二期タンポポもそうですが)。CDを一枚も出せなかった三期プッチモニよりは良いとも言えるものの、これは残念な結果。何故、こうなってしまったのか。
当時、ヲタはユニット再編に対してナーバスになり過ぎました。新しい編成は、モーニング娘。五期メンバーにスポットを当てる意味合いも感じられ、その事がヲタを更に否定的な気持ちにさせた事も一因でした。
当時はまだ五期メンバーは風当たりが強く、タンポポもプッチモニもミニモニ。も、いずれのユニットは四期メンバーが活躍するユニットであり、当時のモーニング娘。の人気の中心の一角が四期メンバーでした。そこに五期メンバーを無理矢理押し込んだ。そして、うまくユニットが回っている時にそれを崩すのはおかしいという考えが多数派を占めたため、ユニットのメンバー構成について冷静に論じられる事が少なく、とにかく新編成はNOとなってしまい、楽曲までもが正当評価を受けなかった悲しき例を作ってしまった。
これは自分の分析ですが、この三期タンポポの辺りから、だんだんとヲタの楽曲評価というものがブレ始めたような気がします。歌っているメンバーが気に入らないから駄曲。センターを張るメンバーの人選に納得がいかないから駄曲。この曲以降、そういう見方が珍しくなくなってきたような気がします。
アイドルを応援するという行為は、思い入れを強く持つ事で楽しむものですから、そういう感情論も致し方ないとも言えます。
でも、その感情論によって押し潰されてしまった曲、ユニット、メンバーがその後いくつかあった事を想いながら、あの時もっと多くのヲタが冷静に判断と評価を三期タンポポ(プッチモニ、ミニモニ。)に出来ていればと思うのです。
それまでは比較的穏やかな信頼関係を構築していたヲタと事務所の想いが、微妙なズレを見せ始めた。そして、いつしか「事務所が新提案するものは、とりあえず叩いてから話が始まる」みたいな風潮が出来上がったのでした。
楽曲的には、アイドルソングとしてなかなか良く出来ているし、歌唱力的には難があったメンバー達で、如何に聴きたくなる曲を作るかという点に於いて、つんくPも力を込めて回答を示した曲と思えます。
この記事を書くために久々に動画を見たら、コンコンもガキさんもとても良い表情で歌っていると改めて思いました。そして、柴ちゃんも石川さんも。
その後、ハロプロコンサートなどで復活する事はなかった三期タンポポでしたが、もし当時人気と支持を受けて長続きしていたらどんな曲を歌っていったのだろうか?なんて妄想を抱きたくなるような魅力はあったのは確かです。
編曲が、二期タンポポやミニモニ。の一部の曲でヲタに高評価を受けていた永井ルイさんだった事を、記事を書くにあたって思い出しました。サウンド的にもマルです。
BE HAPPY 恋のやじろべえ (2002.9.26発売)
作詞・作曲/つんく♂ 編曲/永井ルイ