「動く鉄道博物館」というと、何を思い浮かべるでしょうか。それを、「鉄道会社である」、とするならば、多分多くのファンは、迷うことなく「琴電」と答えるでしょう。それもそのはず、琴電には色々な鉄道会社の旧式車両が集まり、自社オリジナル車両と相俟って、「博物館」の様相を呈していました。
しかしながら、それら歴史ある車両は冷房化できず、冷房化率の向上のため、イベント用を除き新車に置き換え、ということになってしまいました。そのため、毎年必ず何両かが引退し、その度に引退記念イベントが開催されました。
私が初めて参加したのは、平成17年6月、丁度関東の人が皆参加して大行列した、三鷹電車区でのイベント翌日の、日曜日のイベントでした。この時は一気に6両が引退しました。写真は1060形1061、完全に阪神のスタイル、そのとおり「ジェットカー」の末裔です。琴電は軌間が標準軌で、関西の私鉄や京急と同じ、それで阪神もそのまま走ります。1061は、増結用の1両編成です。
同車が琴電琴平に到着(写真)。編成は3両になっています。
あとの2両も元阪神、1053形1053(手前)、1054の2両です(写真)。これも完全に「ジェットカー」のスタイルです。
後で1063を切り離し、1054が先頭に出ます(写真、高松築港)。
この日に同時に引退したのは、1063(写真手前)、1016、1054です(写真、琴電琴平)。こちらは元三岐鉄道、台車を履き替え入線しました。1063は、単行運転可能な両運転台車で、1063形とされます。先ほどの1053形と、ヘッドマークが異なるのが注目点です。そこが、琴電の思い入れの現れか。
2連は、1013形1015(写真手前)、1016です(写真、琴電琴平)。
そして、1063も切り離され、1016が先頭に出ました(写真、高松築港)。
当時は、車内の様子を記録する、という発想もなく、まして駆動音を録音する機器もなく、今の装備があれば撮り直したい、という気がしますが、残念ながら、もう残っていません。
これらも古い車両ですが、これよりもっと古い車両が、当時は現役でした。追って、掲載したいと思います。
それでは、次回をお楽しみに。