それでは、連載第104夜は、根室本線(旧線)途中にあった新内駅(廃止)跡地に保存される車両をお届けします。
同駅には、SL9600形59672と、20系客車が3両保存されます(写真)。20系客車は、ナハネ20 132、ナロネ21 551、ナロネ22 153です。
「あさかぜ」専用であった全個室寝台ナロネ20はありませんが、当時を偲ぶことができる車両たちです。
ナハネ20が入口ですが、客室内は完全に撤去され、イベントスペースになっています。
続いてはナロネ21、プルマン式(開放式)A寝台、展示スペースですが座席や寝台の撤去は無く、一部は寝台がセットされ、当時が偲ばれます。500番代は北海道対応改造車の番号で、元は51番(日立製)です。20系で一番多いA寝台車です。
続いて、ナロネ22の車内です(写真)。開放寝台部分、ボックスが減り半分です。
奥半分(写真)。仕切り扉の向こう、両側が個室になっています。
ナロネ22は、「あさかぜ」他九州特急用のA寝台車で、プルマン式開放寝台と一人個室「ルーメット」の合造車で、博多行き「あさかぜ」の1本はナロネ20の次位、他の九州特急は基本編成のA寝台に使用されました。落成後の改造で+100され、この番号、つまり0番代日車製では無く、50番代日立製です。
個室「ルーメット」の昼の姿(写真)。完全に一人用個室です。折りたたみ式のテーブルと洗面台が目を引きます。
反対の個室は夜の姿、ベッドメークがされた状態になっています(写真)。報道取材の直後だったそうで、これはタナボタでした。
夜行列車の一般利用者の大半がB寝台、下手すれば座席車であった時代、A寝台で十分な贅沢、増して個室など、外国人旅行者等一部の人達だけの寝台でした。
個室と開放寝台の間にはドアがあり、そこには「喫煙席」と書かれ、シートが横並びに2+2席あります(写真)。今では考えられないことですが、当時喫煙は大人の常識でした。
そして、現地を発ちました。
20系の時代には私は乳幼児、全く記憶がありません。初めて乗った寝台も24系、25形でした。かつては、これだけ夜間移動にも格差があったのだ、と思います。今は寝台列車自体がほぼ絶滅し、残念でした。
それでは、次回をお楽しみに。