バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

バスde軍艦@舞鶴

2014-02-23 22:17:15 | ☆バスde温泉(近畿)


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まだ6月だというのに、真夏のような暑さに辟易としていた頃、妻殿がなんかのTV番組で舞鶴に本格的なフレンチが評判のオーベルジュがあることを知ったらしく、気になって詳しく調べたら値段もそんなに高くないとのこと。「行ってみいひん?」っと。なるほど、舞鶴へは高速バスで行けるしフレンチは魅力的。しかし肝心の温泉がないやん。「これでは『バスde温泉』にならへん…」っと渋っていたが、よくよく考えてみると、舞鶴には軍港があるな…( ̄▽ ̄)



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そんなわけで高速バスとオーベルジュの予約を取って、一週間後に出発しました。スタートは難波のO-CAT。10:30発、京都交通の高速バスで舞鶴までノンストップです。車両は最新型のふそうエアロエース、高速路線仕様のハイウェイライナーです。さすが新車、舞鶴道の上り坂でもスピードが落ちません。



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道中、天王寺で仕入れたお寿司でブランチを。今夜に備えてお昼は軽く。



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お昼過ぎに東舞鶴駅前に着きました。舞鶴の市街は五老岳を隔てて西舞鶴と東舞鶴に分かれており、城下町で商業地域なのは西舞鶴。東舞鶴は軍港から発達した工業地域です。



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駅前から歩いて数分のところに廃線址があります。これは軍需物資を運ぶために建設された旧中舞鶴線。



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列車が行き交ったであろうトンネルは格調ある赤レンガ。出征する兵士や引揚者もこのトンネルを通ったのでしょうか。



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ここ舞鶴には今や貴重な赤レンガの倉庫が建ち並んでいます。


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倉庫のひとつは「赤れんが博物館」として、内部も公開しています。この倉庫群は明治期から大正期にかけて、海軍の軍需倉庫として建てられたもので、この「赤れんが博物館」はもとの魚雷庫です。



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これらの倉庫の一部はコンサートホールなどに改装されてはいるが、残りは今でも海上自衛隊の倉庫として使われています。また、その景観を活かして、映画のロケも行われているとのこと。「男たちの大和」や「バルトの楽園」の重要なシーンがここで撮影されたとか。



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今夜のお宿は市街地から離れたところにあるのでバスに乗っていこうとしたが、ここの路線バス、話にならん本数の少なさ。待ってられんのでブラブラ歩いていくことにしました。舞鶴湾がのどかです。




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宿泊のオーベルジュはたった最大2組までの小規模なものだが、お部屋は広々です。このときの宿泊は我々のみだったので、一軒家貸し切り状態です。



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夕食は別の棟のレストランへ。このレストランは障害を持つ人たちの作業所に併設する形になっていて、ここの運営は社会福祉が主目的なんですね。


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朝食はオーベルジュでいただきます。シェフがわざわざ足を運んで我々のために調理する…なんという贅沢!


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舞鶴周遊観光ループバスに乗って舞鶴市内を巡ることにします。ループバスは「まちなかループ」、「おおうらループ」の2系統があり、最初は「おおうらループ」で市街より東側の臨海ルートを一回り。



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舞鶴引揚記念館は舞鶴港が政府の在外邦人引き揚げ港に指定されことにより、終戦の年から13年に渡って66万人余りの引揚者が舞鶴に降り立ち、懐かしの母国の土を踏みしめたことを記憶するために設立されたもの。ここを舞台にした「岸壁の母」の故事は有名ですね。


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対岸の巨大な施設は関西電力の舞鶴発電所です。関西電力としては約30年ぶりとなる石炭火力発電所で、2004年8月に1号機が運転を開始。


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今さら石炭火力発電とは時代遅れにも感じるが、石炭を輸入する中国からも近い舞鶴の地の利を活かしているんですね。もちろん最新鋭だけあって超々臨界圧のボイラーおよび蒸気タービンなど最新の技術により高効率の発電能力を誇るとともに、最先端の環境技術によりクリーンな発電所になっています。煙モクモク…といったイメージはもう古いんですね。原発が再稼働できていない今、最も頼りになる発電所です。


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向こうのほうからしずしずと巨大な艦がこちらに向かってきた。巨大な艦橋はどう見ても最新のイージス艦。艦首の番号を見ると「173」。スマホで検索すると「こんごう」です。この「こんごう」(DDG-173)は海上自衛隊の主力護衛艦で、こんごう型護衛艦のネームシップです。一般的には「イージス艦」として知られていますね。艦名は金剛山に因み、旧海軍の金剛型コルベット「金剛」、金剛型戦艦「金剛」に続き日本の艦艇としては3代目。デカい艦橋は帝国海軍の高雄型みたいでカッコエー!これから母港の佐世保に帰るのか、それとも秘密の作戦に従事するのか…

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舞鶴湾めぐり遊覧船に乗って海からウォッチングしてみます。遊覧船は土・日・祝日のみの運航なので、前回の時には乗れなかったんですね。船は小樽行のフェリー乗り場やユニバーサル造船のドックの沖を通って、軍港に近づきました。


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海上自衛隊舞鶴総監部内にある海軍記念館は、旧海軍機関学校大講堂の一部を利用して設置されたもので、舞鶴の鎮守府に初代司令長官として赴任した東郷平八郎元帥に関する資料の他に、旧日本海軍の資料が約500点展示されています。


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このあと、舞鶴周遊観光ループバスの「まちなかループ」に乗って西舞鶴に向かいます。


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東舞鶴が基地の街なら、西舞鶴は城下町で商業の街。こちらには大きな商店街もあります。賑わってるとは言いがたいが…表示類にロシア語を見かけるのは、ここの港はロシアとの貿易が盛んなことを現しています。


イギリスのウスターに留学していた東郷平八郎が、日本の材料でビーフシチューを作らせたのが原型といわれる肉じゃがは、この舞鶴が発祥地とされています。(広島の呉という説もある)。なのでここでは肉じゃがで町興しを図っているようですね。

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西舞鶴駅前からは京都交通の高速バスに乗って帰ります。車両はふそうのエアロクイーンです。舞鶴を出て2時間ちょっとで難波のOCATに到着。大阪・舞鶴間は電車よりこっちのほうが速いのですね。この旅行では温泉こそなかったが、護衛艦をたっぷり見れたし旨いもんもあったし…まあええか。今回は「バスde軍艦」でした。

  • 訪問日:2013年6月28・29日

日本最長路線バスの旅(4)@十津川・熊野

2011-09-16 00:24:12 | ☆バスde温泉(近畿)

バスde温泉@十津川温泉~湯の峰温泉の続きです。

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話題がちょっと横道にそれるが、熊野古道の「中辺路」に沿って、湯の峰と紀伊田辺の間を龍神自動車のバスが結んでいます。関西の都心から湯の峰に直接行くのなら、十津川を廻らずとも、整備された道を走るこっちのほうが所要時間が短くて済みます。JRの特急「くろしお」とバスの乗り継ぎで4時間以内。しかも曲がりくねった道を通らないので、乗り物に弱い人にはこちらの方がいいでしょう。

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また、この路線は中辺路に沿っているため、熊野古道巡りには大変便利。近露王子のバス停で降りると、ここのなかへち美術館や道の駅を拠点にして、熊野古道のおいしいとこだけ味わうことができます。古道のマスコット、「牛馬童子」がいてはるのもこの辺りです。

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話を戻して、大和八木から新宮を目指す我が特急バスは、日本最大級の露天風呂がある「わたらせ温泉」をかすめ、短いトンネルを越える。エメラルドブルーが美しい大塔川が見えてきたら川湯温泉。ここは川の底から湧いてくる温泉で、仙人風呂でよく知られていますね。

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バスは大塔川に沿って下っていき、再び熊野川と合流、道も再び国道168号線、以後はずっと改良工事の進んでいる道路を快調に下ります。上北山村から流れてきた北山川と合流してしばらく進むと志古の停留所。ここに瀞峡を巡るウォータージェット船乗り場があります。

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この船は熊野交通が運営していて、乗船の客には少しの追加料金で新宮駅までの熊野交通のシャトルバスに乗ることができる。一度これを利用したのだが、オフシーズンの所為なのか、トイレつき大型のシャトルバスに乗る乗客はワタシひとり。日産ディーゼル・西工「ネオロイヤル」を独り占めしたのは嬉しいやら、気まずいやら…

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特急バスはここでようやく特急らしくなり、バス停をすべて通過、ノンストップで新宮市街へ。熊野三山のひとつ、熊野速玉大社へは新宮駅の手前、権現前のバス停が最寄りです。熊野三山のあと二つは熊野本宮大社・熊野那智大社ですね。この熊野速玉大社の住所は新宮市新宮1。まさしくここが新宮なんです。

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権現前からあと僅か、ようやくの長い道のりもここで終了、新宮駅に到着しました。すべての乗客を降ろしたバスは、ワタシの感慨も知らず、さっさとドアを閉め、車庫に向かって走り去っていきました。運転士もさぞかしお疲れなんでしょうね。

  • 補遺

今年の8月末から9月初頭にかけて、台風12号がこの編で紹介している地域を襲い、大きな災いが降りかかりました。現在、このバスの通う道路は寸断され、当然バスも運休中です。残念ながら、ここしばらくは行くことができないでしょう。

最後に、お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、行方不明の方のいち早い救出と、この地域の復興を切に切に願っています。

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小さいバスで行く大峰山系・渓谷と温泉の旅

2011-01-31 23:58:31 | ☆バスde温泉(近畿)

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真冬のある日、突然のお休みが取れたので例によってひとり旅にでることにしました。なにぶん突然なのであまり遠くには行けない。なので近場、奈良県天川村の洞川温泉に決めました。早速、宿の予約状況をインターネットで検索することにしたものの、平日なのにどこも満室と表示されています。ようやく1軒の空室を見つけ、電話予約でこの日の宿を確保しました。よほどの混雑なんやろか?いささか警戒しながら近鉄の吉野特急に乗って、吉野の手前、下市口で降りました。

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下市口で待っていたのは奈良交通の洞川温泉行きのバスです。車両は小型バスのベストセラー、日野のリエッセです。しバスは下市町の街中の細い道を抜けると、すぐに山岳路線となります。

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国道309号線はバイパスが整備されていて、一般車はバイパスと長大トンネルで一気に抜ける。しかしバスは旧道で峠越え。急坂をぐんぐん上昇してサミットへ。てっぺん近くはシーズンに多くの観梅客が訪れる広橋梅林です。ここから急激に下り、やがてバイパスと合流すると黒滝村です。

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黒滝村でもバイパスが整備されているが、バスは律儀にも旧道を走ります。丹生川の村落を過ぎると再び山を登ります。しかし今度はバイパスの長大トンネルを抜けます。ふたつの長ーいトンネルを抜けると天川村。この村の中心地である川合で降りました。川合は「みたらい渓谷」の出発点。この渓谷はハイキングコースも整備されています。近鉄の発行する「てくてくマップ」を見ながら、日ごろの運動不足を少しでも解消するために、洞川まで歩くことにしました。

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みたらい渓谷は秋には紅葉で美しいらしいが、今は真冬。なので景色の色合いも単調です。しかし、こんなモノクロの風景の中に、エメラルド色の流れが美しさを主張します。この天ノ川が十津川を経て熊野川に名を変えて新宮まで流れていくと思うと、紀伊半島の雄大さに畏敬が深まります。

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天ノ川が三つに分かれるところがこの渓谷のハイライト。吊り橋と滝という絶景ポイントです。しかしオフシーズンなので誰もいない。歩きやすい平坦なハイキングコースはここまで。ここから延々登りです。

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そして足元は雪に覆われてきて歩きにくくなってきました。日ごろの運動不足がたたって息も絶え絶えです。そういえばここに来ることを誰にも言ってなかったなぁ…誰もいない、携帯の電波も通じない雪で滑りやすくなったこの道で、もし足を踏み外して谷底に落ちたとしても、冬の間中は誰からも発見されないのとちがうやろか…

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雪が深くなってきたのでハイキングコースを断念し、県道を歩くことにしました。時折すれ違う車の運転手もいぶかしげ。この時期、こんなところを歩く阿呆はいないのでしょう。やっとのことで洞川の町に到着。しかし人影はない。ここでようやく、どの旅館も満室だった意味を理解しました。オフシーズンの冬場は営業していないのです。

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洞川は修験道の行者たちの宿場として、江戸時代中期に開かれた歴史ある温泉です。以来、厳しい修行を終えた行者が、世俗に戻る前に湯に浸かって疲れを癒す、いわばリハビリ施設として今日まで栄えてきました。また、大峰山秘伝の胃腸薬「陀羅尼助丸」の生産地として知られていますね。

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宿泊の旅館は「あたらしや旅館」です。今夜の宿泊はワタシひとりのようです。部屋の窓から見える龍泉寺は、突然降り出した雪でを真っ白に変えられてしまいました。

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料理は山の幸がメインです。なかでも自然薯うまうま。宿のお風呂も掛け流しではありません。しかも加温しています。しかし、小さい旅館にしては大きめのお風呂。燃料費もかさむことでしょう。ひとりの宿泊客のためにお湯を温め続けるこの旅館の姿勢には頭が下がります。

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翌朝、前日からの雪で一面真っ白なままです。バスは早朝出発しかないのだが、なにぶん早朝のこと、除雪も行われていないので歩いてバス停に行くのは困難です。親切にも宿の主人がバス停まで軽トラで送ってくれることに。ツルツルに凍結したバス停にはバスが待っていました。今回は短い旅だったが、こんな近くで雪国体験ができるなんて…いやぁ、これは知りませんでした。

  • 訪問日:2005年2月25・26日
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幻の鉄道を辿るバス専用道の旅@吉野

2011-01-25 23:19:13 | ☆バスde温泉(近畿)

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鉄道未成線とは、鉄道の建設途上、何らかの理由で完成できなかった路線のこと。国鉄の末期には各地で建設計画が中止され、多くの幻の鉄道を作り出しました。関西にもこの幻の鉄道があります。

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紀伊半島の木材資源を運び出すことを目的に、奈良県五條市から紀伊山地を貫き、紀伊半島を縦断して熊野灘の新宮市を結ぶという、遠大な鉄道計画がありました。昭和初期、和歌山線の五条駅から大塔村阪本(現在は五條市)の間を先行開業させるために着工したものの、太平洋戦争のため、工事が中断。1957年に工事を再開し、1959年に五条駅から西吉野村城戸(ここも現在は五條市)まで路盤が完成し、五新線と仮称されていました。

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この完成した路盤を全国でも珍しいバス専用道路として暫定使用したのが国鉄バスの阪本線です。城戸~阪本は引き続き建設し、この区間の完成後にバスから鉄道に切り替えることとなっていたが、国鉄の解体により1982年に工事が完全に中止。結局いちども列車が走ることなく、運行が国鉄バスから西日本JRバスに引き継がれました。現在のバス乗り場に貼ってある古い地図にJRバス専用道路との表記があるが、これこそその専用道です。

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阪本線はそれ以後、並行道路の改良が進んだことによって専用道路の優位性がなくなり乗客が減少。JRが撤退した現在は、地元自治体の委託を受ける形で奈良交通による運行となっています。JR五条駅の駅舎の脇にあるバス乗り場の跡が国鉄バスの名残をとどめていますね。

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JR和歌山線の五条駅の駅前に、五條バスセンター始発のバスが定刻に現れました。バスは日野レインボーのショートボディ。およそ20人ぐらいが着席できるバスに6人が乗車し、寂れた駅前を通り過ぎて国道24号線にはいりました。ここは寂しげな駅前とは一転してかなり栄えています。スーパーやファミレス、パチンコ屋など、そのほとんどが駐車場を備え、それぞれ賑わっています。地方都市では今や鉄道より車…ということです。

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バスは国道24号線から離れ、吉野川を渡り、旧市街を通過。県立五條病院を過ぎるといよいよ専用道の入り口が現れます。専用道はレールの代わりにアスファルトを敷いているような感じで、ほとんど鉄道と変わらない。一般道と交差するところには踏切のような構造になっています。

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時おりトンネルもあるが、断面が馬蹄形で、まさしく鉄道トンネルです。梅林で有名な賀名生(あのお)でほとんどの乗客が降りました。現在、賀名生へのバスでのメインルートは国道168号線経由、十津川特急バスとなっており、梅林を訪れるなら、そちらのほうが便利です。

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賀名生を過ぎ、さらに山の中に入っていきます。やがて専用道の終点である城戸に着きました。城戸はいかにも駅という雰囲気で、レールがあれば今にもディーゼルカーが走り出しそうです。

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バスはここから一般道に入り、丹生川沿いを走って西吉野温泉に向かいます。
トンネルを越えたところでわき道に入り、村営の旅館の前で停車。ここが終点の西吉野温泉です。

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温泉の後はバスの運転手に教えてもらった「山里」という店でお楽しみの食事。釜飯が名物とのことなのでそれを注文しました。「20分ぐらい時間がかかるけどいいですか?」っと店の奥さんが聞いてきたが、米から炊くなら当然それぐらい時間はかかるでしょ。時間がゆっくり流れているときには20分は相対的に短いのか、それほど待たされた気がしないうちに「釜飯定食」が運ばれてきました。釜飯の蓋を開けるとホンマにいい匂い。勇んで一口目を食すると「ん!」少し芯が残る。米のアルデンテはいただけない。しかし、時間の経過とともに芯もなくなり、だんだんおいしくなってきました。蒸らしの時間が少なすぎたのかな?

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定食をきれいに平らげ、先ほどバスで通過した専用道の終点である城戸に歩いて向かいます。ここに紀伊半島を鉄道で縦断しようとした夢の跡があります。専用道の終点である城戸は鉄道開通時に城戸駅になるはずでした。ここまでは曲がりなりにもバス専用道として活用はされているが、ここから先は工事をしただけでまったく何の役にも立っていません。その役立たずの最初の部分がこのコンクリート橋です。

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橋の上に近づいてみると、その橋を村役場の駐車場として活用していました。なんだか無意味なことをしている。

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この巨大な橋は廃墟というには新しすぎるが、存在意義を失った以上、やはり廃墟に違いありません。橋の上を歩いて奥に進むとトンネルの入り口が迫ってきます。トンネルからの冷気が心地いい。入り口に立つと心地いいのを通り越して寒いぐらい。入り口には柵が設けられ、部外者は入れないようになっています。

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トンネル入り口のコンクリートには銅製の銘板があり、トンネル名とともに延長、着手、竣工などが記されており、トンネル名は「城戸トンネル」とされるはずだったことがわかります。竣工は昭和54年となっているので、けっこう新しい遺物といえるでしょう。

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コンクリート橋の手前は幻の城戸駅です。少し駅っぽい建物はあるが、今のところバスの停留所としての機能があるのみ。

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バスの出発の時間となり、駐車場代わりの巨大な高架橋の根元からバスに乗りこみ、再び専用道を通って五条駅へと戻りました。この幻の五新線、ここまで完成して打ち捨てられているのはもったいない感じがするが、これほど周りに人がいなければ、たとえ開通したとしても鉄道として維持できるだけの乗客が確保できたとは思えません。残念ではあるが、このまま徐々に朽ちていくのを見守るばかりです。

  • 訪問日:2003年7月29日
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和歌山線沿い・バスと電車の日帰り温泉旅@奈良・和歌山

2010-12-30 14:12:11 | ☆バスde温泉(近畿)

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JR西日本の和歌山線は、奈良県の王寺駅から奈良盆地と紀ノ川流域を結び和歌山駅に至る、電化されているものの全線単線のローカル線。王寺駅から高田駅までは大阪からの直通電車が走っていて、通勤ラッシュのある都市圏の電車だが、高田から先はいきなりローカル線の趣が漂う路線に変わります。この和歌山線の沿線を、バスや電車を乗り継いで日帰り温泉を巡ることにします。

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先ず始めは奈良交通の路線バスから。近鉄大和高田駅を出発したバスは、ほぼJR和歌山線に沿って、国道24号線で五條バスセンターに向かいます。

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奈良交通の葛城営業所のあたりでは、車窓からは葛城山がきれいに見える。標高959mのこの山の麓はなだらかで、古代には葛城氏、巨勢氏、鴨氏などの豪族が、大和盆地を隔てた東側の飛鳥・大和王朝と対峙し、覇権を競っていました。この麓を葛城古道が縦断し、その道沿いには今なお、古寺や神社、そして赴き深い町並みがあります。

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ここは一度、自転車でこの古道を散策したんだが、時折現れる集落に試飲もさせてくれる造り酒屋なんかがあったりして、のどかなサイクリングを楽しむことができます。

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また、この辺りからロープウェイで葛城山の山頂に一気に登って、山頂から大阪平野を一望することができます。

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御所を過ぎ、だんだん山に分け入ると葛城高原に入ってきます。金剛山が右手にえるあたりに2003年にオープンした「かもきみの湯」があります。

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五条駅に到着。五条駅は地方都市の玄関口というにはちと貧相であるが、その小ぶりな駅舎には柿の葉寿司専門の売店もある。さすがは本場。この五条駅からは珍しいバス専用道を走る奈良交通バスがでているんです。

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ここから電車に乗ってみます。電車は2両編成のワンマンカー、105系。路線は単線ながら意外にスピードを上げる。ただ、相当年季が入っているこの車両、ひどくガタガタ揺れる。それもそうでしょう、この車両は元は東京の常磐線を走っていた103系電車の1000番台を改造して使用しているもので、1970年製造、もう40年も走っているんですね。

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幻の五新線の路盤を見ながら、吉野川沿いを下るとすぐに和歌山県に入り、それとともに川は紀ノ川と名を変えます。そして、電車の線路をアンダークロスするとすぐに橋本駅です。ここは南海高野線との接続駅。特急電車や通勤電車が頻繁に発着する南海電車に比べて、こちらは2両編成のワンマンカー。JRが間借りする感があり、肩身が狭い。

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橋本から紀ノ川沿いをさらに下り、高田を出てから約一時間半、和歌山県かつらぎ町にある笠田駅に着きました。駅から徒歩で5分のところ、新しくできた複合施設の「野半の里」があります。

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野半の湯の近くのから、今度は和歌山バス那賀の路線バスに乗って粉河を目指します。バスはいすゞのキュービック、国道24号線を西に向かいます。交通量は多いが、スムーズです。

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粉河駅前に着くと、同じく和歌山バス那賀の熊取行きの特急バスが待っていました。これに乗り継ぎます。バスはふそうのエアロミディ。しばらく24号線を西に走り、打田駅の付近から今度は北に向かう県道で、和泉山地をぐんぐん登っていきます。サミットのところのトンネルを抜けると、今まで快適だった道も大阪府に入ると突然狭くなり、離合も危うい場所もしばしば。中規模の旅館が現れると程なく犬鳴山です。

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犬鳴山からは先ほどの特急バスだけでなく、日根野経由泉佐野行きの南海ウイングバスも走っています。これに乗れば日根野でJR阪和線に、泉佐野で南海本線に乗り継ぐことができます。車両はふそうのエアロミディです。

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JR和歌山線の終点は和歌山駅。この駅はこの和歌山線と阪和線、紀勢線が集合するターミナル駅。そして、このほど事業主体が南海から移管された和歌山電鉄もここから出発します。この駅の東側のバスターミナルから和歌山バスに乗り込みます。バスは日野レインボーのノンステップ。

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温泉から戻る途中に見つけた「井出商店」。ここはいわゆる和歌山ラーメン(当地ではラーメンではなく中華そばと呼ぶ)の元祖とされる店で、ご当地ラーメンの流行のはしりとなった、かなりの有名店です。中途半端な時間が幸いして行列もなく入店。6畳ぐらいの小さな店内では愛想のいいオバチャンが取り仕切っています。有名店にありがちな高飛車なところがなくっていい。

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手際よく出されたラーメンは、とんこつ醤油の濃厚な色と香ばしい匂い、味は意外とサッパリしている。んまいっ!押し寿司とともに食べるのが和歌山の慣わしだそうだが、胃のキャパシティーに自信がないのでやめときます。ところで、このスープの色、どこかで見たよな・・・・?あ!思い出した。「野半の里」の湯の色や!

  • 訪問日:2005年12月16日・2006年11月13日
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大人の修学旅行・近鉄と伊賀鉄道でいくグルメ旅@三重

2010-05-25 23:16:14 | ☆バスde温泉(近畿)

またまた最初のお断りなのだが、伊勢・志摩のくだりでは温泉が無かったのに続いて、今回はバスがありません。このふたつを合わせてようやく「バスde温泉」が成立するという…いささか強引な合わせ技。ご容赦を。

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今回は関西からはかなり近場ながら、泉質には定評のある古湯、榊原温泉に向かうことにします。榊原へはやはり近鉄。大阪からは1時間ぐらいです。このぐらいの距離なら特急に乗るほどでもない。急行でも時間はそんなに変わらないし、電車はリクライニングはないものの進行方向を向いたロマンスシートのことが多い。運賃だけなので実に安くたどり着くことができます。名張を過ぎ、青山トンネルを越えると、もう榊原温泉口です。

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駅から温泉へはけっこう離れているものの、路線バスは1日3本しかありません。これではちょっと使えないので旅館の送迎バスに乗ることにします。バスはトヨタのコースター。これでも一応はバス…かな?

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榊原はのどかな田園地帯で、盛り場は全くない。その中にポッカリ建っている旅館が今夜の宿です。この旅館、一人旅のプランがないんですよね。なので今回はオカンを連れての宿泊です。

榊原温泉にはこれ以後にも職場の旅行で再び来ています。そのときの温泉はこちら。

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翌日は近くの伊賀を観光することにしました。榊原温泉口駅から近鉄電車で伊賀神戸駅へ。
ここから伊賀鉄道で伊賀上野に向かいます。この伊賀鉄道は、少し前までは近鉄伊賀線だった路線。乗客数の減少で近鉄の収益の足を引張る赤字路線となったため、廃止も取りざたされていたのだが、伊賀市等の支援で近鉄から分離、第三セクターで存続されることになった路線です。

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ここの電車にはボディーペインティングで忍者が描かれ、観光客を呼び寄せようとしています。デザインは松本零士とのことで、確かに「くノ一」の目元は森雪やメーテルに似ていますね。

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伊賀上野城は3層の天守閣からなる城郭で、現在の天守は昭和10年に復興されたもので、史的には正確なものではないものの、「白鳳城」と称される美しいお城です。また、復興した地元名士の強い想いから木造で建造され、正式には「伊賀文化産業城」という、その姿に似つかわしくないものの、その時代背景を表す名称です。

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高さが30mの内堀の石垣はで日本一だそうで、身を乗り出して写真を撮ったものの、落ちたら確実に死ぬ。高いところには自信があるワタシでも少々恐怖を感じました。高所恐怖症の人は近づかないほうが賢明です。

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伊賀上野は松尾芭蕉が誕生した地。城内には松尾芭蕉生誕300年を記念して昭和17年に建てられた俳聖殿があります。この建物は、屋根は笠を、八角形のひさしは袈裟を、柱は杖をイメージしているという、なかなか洒落の効いている造りです。

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職場の旅行の際には、伊賀上野の洋食の名店を訪ねてみることにしました。

今回は珍しく団体旅行。独りではなかなか泊まれない旅館や、食する機会のないお料理もいただくことができたが、やはりワタシには気ままな一人旅が性に合うようです。

  • 訪問日:2007年4月15・16日および2009年2月7・8日
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北近畿・名泉と近代遺産をめぐるバスの旅@但馬・丹後

2010-04-17 15:16:57 | ☆バスde温泉(近畿)

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「北近畿・岬と名泉をめぐるバスの旅」で丹後半島をめぐったとき、その存在を知らなかった円山川温泉。ここを確かめてみるため、再びこの地を訪ねてみることにしました。近鉄で鶴橋に出て、ここから大阪環状線で大阪駅に向かいます。大阪から豊岡方面へは福知山線経由の特急「北近畿」を使うのが普通なのだが、今回はわざわざ遠回りの播但線経由の特急「はまかぜ」です。「はまかぜ」の車両は残り少なくなってきた国鉄型ディーゼル特急の181系。今乗っておかないと最後っと思い、この「はまかぜ」に。大阪駅を出発した列車は、JR神戸線の複々線区間を姫路に向かって走ります。

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車内は多少リニューアルしているものの国鉄そのもの。昭和臭が漂います。この列車、音ばかり景気いいが加速は伸びない。それでもスピードに乗ってくればけっこう速い。姫路までは新快速に抜かれることはありませんでした。姫路から進行方向が変わり播但線に入ります。途端に速度が遅くなり、しかもガタガタ揺れる。さすがにもう限界でしょうか。

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ウトウトするうちに豊岡に到着。駅前のバス乗り場で出石行きを待っているとすぐに全但バスが来ました。バスは出石川の堤防をすいすい走る。しきりに護岸工事をしているのは例の水害対策なのでしょう。出石は北近畿で稀有な城下町で、落ち着いた町並みが多くの観光客を集め、賑わっています。

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出石のシンボル、辰鼓櫓は、札幌のと並ぶ日本最古の時計台です。和風な姿と洋風の時計との取り合わせが面白いですね。

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でもここに寄り道した最大の目的はやはりこれ!お蕎麦です。手近な蕎麦屋に飛び込みました。出石の蕎麦は皿そばと称して、小さく盛ったそばをさまざまな薬味で味わうことができるのです。そばつゆは醤油の効いた辛口。1枚目はそのまま、2枚目はおろし、3枚目はとろろ、4枚5枚目は卵入り。このとき卵を全部すくっとかないと蕎麦湯のときに濁る。

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再び豊岡へ戻り、ここからは城崎経由日和山行きのバスに乗ります。バスはいすゞのキュービック。全但バスはいすゞが主流ですね。

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田園地帯や円山川の河原を走りぬけるバスは実にのどか。それより豊岡といえばコウノトリ。どこかで舞っていないか期待して、ズーっと空を眺めていました。しかし、たまたま訪れる旅行者に姿を見せてくれる訳ないですよね。城崎を少しだけ通り越したところで降りました。ここに実に濃厚な温泉があるんです。 

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円山川で泊まることができないので、近くの城崎の旅館で宿泊です。外湯の泉質はいいとは言えないが、その中で最小規模の「柳湯」が落ち着く。一般的に浴槽が深い温泉は客の回転を速めるためと聞くが、この「柳湯」も深い。最小規模なので仕方がないのでしょう。

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翌朝は城崎駅から舞鶴に向かって北近畿タンゴ鉄道のタンゴ・ディスカバリーに乗ります。車両は1996年製造のKTR8000形。
 

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この列車は2両編成のかわいらしいディーゼルカーなのだが、車齢も若く、走りも力強い。線路が決していいとは言えないローカル線でもそれほど揺れずに飛ばしてゆきます。製造初年が1968年の181系を使っている特急「はまかぜ」と、その差は歴然です。前面展望を考慮した室内はシックで、シートカバーが丹後ちりめんなのが泣かせる。

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前回ここを訪れたとき、「天橋立」を素通りしてしまいましたが、今回も同様。車窓から松並木の砂嘴を眺めます。

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北近畿タンゴ鉄道の終点は「西舞鶴」、ここで列車を降り、東舞鶴に向かうバスに乗り換えます。舞鶴の市街は五老岳を隔てて西舞鶴と東舞鶴に分かれており、城下町で商業地域なのは西舞鶴。東舞鶴は軍港から発達した工業地域です。

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五老岳の東側の麓、中舞鶴のあたりでバスを降りました。ここには造船所と、海上自衛隊の舞鶴地方隊があります。公道からおっかなびっくり写真に収めました。

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この基地は日本海側の最も重要な守りの拠点で、最新鋭のイージス艦「あたご」が配備されています。写真の手前にあるのは旗艦のDDH「はるな」、マストと煙突が見える奥側の艦はDDG「みょうこう」です。この「みょうこう」は最新鋭のイージス艦。デカい艦橋は帝国海軍の高雄型みたいでカッコエー!

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傍らには小型艇が並んでいます。木造の掃海艇「ながしま」ですね。木造なのは磁気機雷から身を守るため。

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舷側では隊員たちが訓練に勤しんでいます。

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補給艦の「ましゅう」です。 この艦、テロ対策特措法によって、たびたびインド洋に派遣されています。

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ここ舞鶴には今や貴重な赤レンガの倉庫が建ち並んでいます。倉庫のひとつは「赤れんが博物館」として、内部も公開しています。この倉庫群は明治期から大正期にかけて、海軍の軍需倉庫として建てられたもので、この「赤れんが博物館」はもとの魚雷庫です。

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これらの倉庫の一部はコンサートホールなどに改装されてはいるが、残りは今でも海上自衛隊の倉庫として使われています。また、その景観を活かして、映画のロケも行われているとのこと。「男たちの大和」や「バルトの楽園」の重要なシーンがここで撮影されたとか。

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東舞鶴の駅までバスで行こうと思ったが、次のバスまでまだまだ時間がある。いっそ歩こうかと思い、周辺地図で駅までの近道を探したら、不思議な遊歩道があることに気づきました。もしや、っと思いその遊歩道に行ってみると…やはり。中舞鶴線の廃線址でした。

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列車が行き交ったであろうトンネルは、これも赤レンガ。倉庫群に負けず劣らず存在感を主張しています。出征する兵士や引揚者のがこのトンネルを通ったのでしょうか。

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東舞鶴駅前からは京都交通の大阪行き高速バスに乗って帰ります。車両はふそうのエアロクイーンです。舞鶴を出て2時間ちょっとで難波のOCATに到着。電車よりこっちのほうが速いのですね。

  • 訪問日:2007年5月7・8日
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北近畿・岬と名泉をめぐるバスの旅@丹後・但馬

2010-04-14 23:18:49 | ☆バスde温泉(近畿)

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いつものようにボンヤリテレビを眺めていたとき、BGMに「岬めぐり」が流れてきました。「悲しみ深く胸に鎮めてくれる」のどかな景色を歌った山本コータローの名曲……コレだ!!!早速時刻表の路線図を繰ってみる。風光明媚な岬を巡って、お約束の灯台があって、なおかつ温泉がある場所は…っと???そこで見つけたのが丹後半島。早速、次の休日に早速旅立つことにしました。岬めぐりの気楽な旅なので軽装がいちばん。サンダル履きで京都から特急「はしだて」に乗りこみます。

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列車は山陰線と北近畿タンゴ鉄道を通って宮津に到着。ここで丹後海陸交通のバスに乗り込みます。車両はいすゞのワンステップ「エルガ」です。丹後海陸交通はその名の通り、丹後地方のバスと天橋立の観光船を運営する企業で、阪急阪神東宝グループの一員です。

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宮津市内を抜けるとすぐに日本三景のひとつ、天橋立が見えてくる。阿蘇海をぐるっと回って橋立の反対側へ。バスの窓から見える碧い海はまさに「岬めぐり」そのもの。頭の中であのメロディーがループしています。

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バスはやがて家と船庫が一体となった独特の家の造りの舟屋で知られる伊根を通過。狭い町並みを超絶技巧ですり抜ける運転手さんは女性です。しかし、バスの車窓から見える舟屋はあまり面白くない。ここでは海側から望むのが正しいのでしょう。伊根からまたひとつ峠を越し、再び日本海に出会います。

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断崖に沿って走ると終点の経ガ岬に着きました。案内表示では灯台まで3キロほどの道程とのことなので歩くことに。断崖の上のバス停からどんどん坂を下っていき、波打ち際まで降りてきました。目の前には透き通った海。期待が高まるぞ!

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ここから反対に上り坂。ところが上れども上れども灯台が見えてこない。アレレ?おかしいな。そのうち道は悪くなってくるし、生い茂った枝を掻き分けるような状態になってくる。今さらサンダル履きを呪えどもいまさら仕方ない。汗は滝のように流れ、息も絶え絶えになり、不安感が最高潮になってきたとき、いきなり視界が広がりました。眼前に白い灯台と青い空、そして、紺碧の海が…(しばし無言)

感動を深めてくれたシチュエーションに感謝しながら来た道を戻り乗りバス停にたどり着くと、そこにさっきのバスの運転手さんがいました。「え!灯台に行ってきたの?しんどかったでしょ。普通行かないよ…教えてあげればよかったわね」ニヤリ

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バスを乗り換え、途中、カニがここで水揚げされただけで値段の跳ね上がる間人(たいざ)を通過して網野に到着。ここから北近畿タンゴ鉄道で木津温泉に向かいます。

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木津温泉は旅館が5軒ほどしかない小ぢんまりした温泉です。このときはまだ「志らさぎ荘」があって、ここの水に近い温さだが、しっとりとしたお湯がマニア向けで実によかったんだが、閉館してしまいました。建物も廃墟の一歩手前で実に味があったんですがね。残念です。

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翌朝、木津温泉駅から北近畿タンゴ鉄道で豊岡へ。ここで山陰線に乗り換え、円山川沿いをしばらく走るとまもなく、終点の城崎。この電化区間の末端では113系3800番台が走っています。この電車、中間車を無理やり先頭車に改造した代物で、日本一のブサイク電車と言ってもいいでしょう。だいたいJR西日本は他のJR各社に比べて車両を永く使う傾向にあるが、ここまで醜い姿に変えてまで使い続けるっちゅうのはどうなんだか…(現在は廃車されています)

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城崎からは非電化区間になるため乗り換えです。プラットフォームの先に1両だけのディーゼルカー・キハ41が待っていました。

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座席もほぼ埋まり、出発。城崎の温泉街の中をとおり、トンネルを越え、日本海が見えてくると竹野です。漁港の香住から団体客が乗ってきて車内はいっぱいに。しばらく進むと餘部鉄橋です。

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ここは日本一高く作られた鉄の橋で、強風にあおられた客車が落下し、大惨事になった記憶も新しい。長いトンネルを抜けると突然に突然鉄橋が現れ、眼下の視界が広がります。
あっという間に通り過ぎて餘部駅に停車。ここで団体客も一気に降ります。たぶん鉄橋の下を観光するのでしょう。

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ディーゼルカーは再び出発し、すぐに終点浜坂に到着。浜坂の名物はなんと言ってもカニ。シーズンには関西から多くのお客が訪れます。しかし今はオフシーズンの夏なので、駅前は閑散としています。おみやげ屋も休業しており、カニの絵の看板もどこか寂しげ。駅前には浜坂温泉の発見を記念するモニュメントが建っています。消雪用の地下水を得るために井戸を掘ったら、60度近い温泉が沸いて出たとのこと。実にうらやましい。

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浜坂駅からは湯村温泉行きの全但バスに乗ります。温泉に行くバスにしては、乗客が通学の高校生か老人ばかりで観光客の姿はない。最近、どこのバスに乗ってもそうで、ここも然り。みんなマイカーか旅館の送迎なんでしょうね。湯村温泉へ向かうこのバスは、途中、浜坂の町外れにある七釜温泉を経由、ここで下車しました。

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再び山陰線で城崎駅へ。城崎は言うまでもなく日本の代表的な温泉地のひとつ、超メジャーな温泉。しかし、現実は源泉を集中管理していて、どの旅館や外湯も全く同じお湯が流れています。しかもそのすべてが塩素投入の循環式。源泉かけ流し原理主義者のワタシは今までスルーしていましたが、温泉街の雰囲気を楽しみたいので、いっぺん城崎に泊まってみることにしました。旅館組合の運営する案内所で旅館を紹介してもらい、旅館を決めた後、外湯を巡ってみました。

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城崎はこれで終了。掛け流し原理主義の私には不満足でしたが、ここは風情や情緒を楽しむところなんでしょう・・・アッ!旅館の風呂に入るの忘れてた!

  • 訪問日:2005年9月15・16日
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温泉と灯台・本州最南端をゆくバスの旅(2)@勝浦・串本

2010-04-09 19:50:58 | ☆バスde温泉(近畿)

温泉と灯台・本州最南端をゆくバスの旅(1)の続きです。

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適当な時間のバスがなく、仕方なくタクシーを使って勝浦温泉から車で10分ほど、美しい湖…実は海水の潟、「ゆかし潟」に向かいます。この美しい潟の畔にはの滔々と湧き出る、恐ろしいほどの湯量を誇る温泉があるからですね。湯川温泉です。

ゆかし潟の反対側には、海のホテル「一の滝」が運営する立ち寄り湯も…

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湯川温泉から歩いて小さい峠を越えると、ここは太地町の飛び地の夏山地区。ここにも温泉があるんです。

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湯川温泉からは昨日「特急スーパーくろしお」で通過したルートを、今度はバスで辿ります。バスはまたまたレインボー。ただし今度はノンステップの最新の車です。

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クジラ漁で今、国際的に議論を沸騰させている太地を過ぎ再び海沿いへ。関西屈指の清流を誇る古座川を渡るとJR古座駅前に着きます。ここには清流で育てられた旨いうなぎがあるんですね。

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古座からの車窓には広がる海と、時折現れる奇岩が見える。鯛島は、鯛の形というか、鯛焼きみたいです。これは癒し系の奇岩ですね!

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紀伊半島から対岸の大島に向かって端の杭の如く、点々と連なっている奇岩が見えます。橋杭岩ですね。

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串本駅を経由して、そのまま潮岬へ向かいます。バスは広い観光道路をではなく、町内の狭い道をユルユルと抜けていきます。車両は日野の中型バス「レインボー」。こんな狭い道には大型車は入れません。潮岬の集落では、どの家も石やレンガのがっしりした塀に囲まれています。この辺り、太平洋に突き出しているので風が強いからですね。

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集落をすり抜けたら車窓に太平洋が広がっています。灯台前でバスを降りました。ここから歩いて直ぐのところの潮岬灯台へ。根元は灯台の資料館になっていて、海上交通を守る灯台の役割について詳しい展示があって興味深い。

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この灯台は登れるようになっており、そこは360度の眺望です。海には黒潮に乗って、あるいは黒潮に抗って多数の船舶が往来、ここは海上交通の要衝です。

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灯台から潮岬の先端に向かって歩いてみました。岬の先端にある潮岬タワーは、昭和の香りがむんむん漂う一時代前の観光施設といった感じの建物で、今は閑散としています。それでも、付随する食堂は団体バスツアーのお客で賑わっています。団体客の話す言葉は中国語。外国人観光客も多くなりましたね…

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いっぽう、串本駅から樫野崎行きのバスに乗れば、「ここはぁ串本ぉ・向かいはぁ大島ぁ…」の大島の先端、樫野崎に行くことができます。バスは日野のリエッセ、地元の老人や、幼稚園児を乗せて走ります。

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以前なら「仲をぉ取り持つぅ巡航船」に乗って島に渡っていたのだが、くしもと大橋の開通によって、バスで直行することができるようになりました。運転士は足元の覚束ない老人や、元気いっぱいの幼稚園児に細かな目配りをしている。これは福祉バスと言ってもいいな。

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終点の樫野崎では青い空、碧い海、そして白い灯台のコントラストが目を楽しませてくれる。この日(11月1日)はたまたま「灯台の日」とのことで、普段は入れない灯台の内部を公開しています。超ラッキー!

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この樫野崎は明治23年にトルコの軍艦が遭難し、580名余が殉職するという大惨事がありました。この事故で地元の人たちが献身的に救難・看護・埋葬を行ったことにより、日本とトルコとの友好が深まった故事から、例を見ないほどの立派な慰霊碑と共に、トルコ記念館が開設されています。

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来たときと同じバスに乗って串本に戻り、ここから「オーシャンアロー」で帰宅です。電車は283系。さすがに新しい車両なので振り子動作もスムーズで、騒音も無くシートの座り心地も上々。20年の進歩を感じますね。

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車内販売の小鯛雀寿司が旨い!それにしても、この旅ではいっぱい魚食ったなぁ…

  • 最新訪問日:2010年3月27・28日
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温泉と灯台・本州最南端をゆくバスの旅(1)@勝浦・串本

2010-04-08 09:30:16 | ☆バスde温泉(近畿)

黒潮あらう熊野灘に沿って、那智から潮岬へ、バスで縦走しながらの温泉めぐりです。この辺り、以前からちょくちょく訪れています。なので、この「バスde温泉」は何回かの分を寄せ集めての掲載なのでご了承を…

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串本方面へは高速バスがないので電車でいきます。朝の8時、天王寺駅からきのくに線の特急「スーパーくろしお」に乗り込んで南へ。電車は381系。この電車は振り子電車です。普通の電車ならカーブにさしかかると、車体はカーブの外側に傾くが、この振り子電車は特殊な構造によってカーブの内側に車体が傾く。自転車のようですね。

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この機能によって普通の電車より曲線区間を速く走り抜けることができ、到着時間の短縮が図れるとのこと。ただし、この381系は振り子電車の初期の車両なので、傾く動作が不自然で、それによって導入当初は乗り物酔いが多発し、「特急くろしお」ならぬ、「特急げろしお」と揶揄されました。さすがに現在では調整によって乗り物酔いはなくなったが、さすがに古さは隠せません。床下からはガタガタと異音を発しているし、シートはヘタってベコベコです。もう限界だな。

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天王寺駅で手に入れた巻き寿司とお茶で朝食です。列車の旅はこれに限る。関西風の甘く味付けられたお寿司は心和みます。そして、古い電車特有の「キョエー」と鳴くフォーンの音にちょっとした旅情を感じます。これに冷凍みかんがあれば最強なんだが…

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天王寺を出てから3時間半、ようやく紀伊勝浦駅に到着しました。やっぱり勝浦は遠いわ…ここから路線バスで那智へ向かいます。車両は日野のレインボー。最初は平坦な国道42号線を進むが、那智駅のところからは山道、バスはあえぎあえぎ登っていきます。

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終点でバスを降りて、ここから急な石段を登ります。少し登っただけで息が切れる…日ごろの運動不足を痛感!

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熊野三山のうちの一社、熊野那智大社を参拝。後の二社は熊野本宮大社と熊野速玉大社で、こちらは「バスde温泉・日本最長路線バスの旅」で訪れていますね。

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この時期、境内から見る桜が見事です。

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このあと隣にある青岸渡寺を参拝します。ここは天台宗のお寺で、西国三十三箇所第一番札所。やはり一番ということでかなり賑わっています。とにかく最初だけはお参りする人も多いのでしょうね。

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この青岸渡寺から見える那智の滝は、塔と見事に調和していて美しいですね。

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参拝後、日本一の高低差を誇る那智の滝を間近に見える場所まで歩きます。昨日の雨で水量が増えたためか滝の迫力もパワーアップ!

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路線バスで紀伊勝浦駅へ戻ります。車両はまたまたレインボーです。

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ここ勝浦は生鮮マグロの水揚げ日本一を誇る漁港であるとともに、大旅館の建ち並ぶ一大温泉観光地。そんな旅館で甲斐甲斐しくサーヴィスされるのは好きぢゃない。こんな地元の共同湯や小料理店がええねん!

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宿は勝浦では小さい部類の旅館です。ここは口うるさい温泉マニアのなかでも評価の高いところなんですね。

続く…

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