博多港からジェットフォイル船で1時間ちょっと。また、唐津東港からはフェリーで1時間45分ほどで、玄界灘にぽつんと浮かぶ島、壱岐に渡ることができます。壱岐の玄関口、郷ノ浦港から車で20分ほどのところの壱岐島北西岸、壱岐交通・湯ノ本BSのあたり、壱岐湯ノ本温泉一帯には、湯煙の立つ自噴泉がみられる鄙びた温泉街の風情が漂います。
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神功皇后が三韓出兵の帰路に立ち寄ったときに温泉を発見したと伝えられているこの温泉、かつて温海(あたみ)と呼ばれ、1662年に温泉場として開発されたという歴史を持つ壱岐随一の自噴源泉として知られています。
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美しい島々に夕日が映える風光明媚な温泉郷には6軒の旅館と、1軒の国民宿舎が点在し、17ヶ所の源泉から流出するナトリウム-塩化物のお湯が自噴しています。泉温は66℃ほど。神経痛、リューマチ、婦人病をはじめ皮膚病、火傷、切り傷などにも効果があるといいます。
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今回、初めて訪れた壱岐での宿泊は、「壱岐島の千年湯」と称される自家源泉の旅館でお世話になることにしました。港まで迎えに来てくれた女将さん自ら運転する車で今夜の宿「平山旅館」に到着しました。
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旅館の規模は決して大きくはない。質素にも見えるエントランスながら、「日本秘湯を守る会」の提灯が誇らしげにぶら下がっています。
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お香の香りが漂う小さいロビーにはセンスよく和風の飾り付けがなされ、モダンな日本旅館の風情を醸成しています。
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案内されは部屋は2階。広々としたお部屋で 窓からは小庭が眺められます。面白いのはテレビが襖の奥に隠されていること。世俗から離れたいときにテレビは無粋な物体でしかありません。
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温泉は帳場の目の前の階段を下りたところの地下1階にあります。男湯の「応神の湯」は、内湯に大人5~6人がゆったり浸かれそうな2つの浴槽があり、それぞれ茶褐色のお湯が掛け流されています。
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湧出温度66.5℃のナトリウム-塩化物泉で、強い塩味と独特のエグみとともに僅かに鉄の臭いが感じられます。
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扉を開けたところに露店風呂があり、こちらも5~6人が入れそうな大きさ。海べりからやや離れたこの旅館の位置関係から、外の景色は眺められないので開放感は乏しいが、庭園風に丁寧に植栽されていて目にも優しいですね。浴槽の縁には析出物が著しく堆積していて、お湯の濃厚さを体現しています。
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この旅館には宿泊者専用の2つの貸切露天風呂があり、無料かつ予約不要で、空いていれば夜中でも利用できます。こちらにも南国風の樹木が植栽され離島ムードを漂わせています。お湯は「熱の湯」とされるナトリウム-塩化物だけあって、夏場は湯当たりに注意が必要。湯上りに脱衣場で体を拭いても拭いても汗が噴き出してきます。真冬にはよく温まっていいでしょうね。
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この旅館では壱岐の農産物、海産物をふんだんに使用した絶品のお料理も素晴らしいですね。詳細は食べログのワタシの投稿で。
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全国的にも珍しい離島の源泉かけ流し温泉、上質の温泉と上質のお料理、それに加えて本場の麦焼酎も味わえる…実に贅沢は温泉旅を愉しむことができました。