運よく他にに入浴客がいないので、この自己主張たっぷりの名湯をひとり占め!地元・関西にはこんな火山性の温泉が皆無なのでテンション上がります。やはり遠くに来た甲斐がありますね。
・場所:島原鉄道バス、長崎県営バス・雲仙お山の情報館BS
・泉質:含硫黄-単純酸性温泉 51.2℃
・訪問日:2006年8月21日
小浜のバスターミナルから国道を少し南に下がったところ、雲仙登山口のバス停近くにあるホテルです。ちょっと軽薄な名称が少し気になるこのホテルは、一泊朝食付きのみの片泊まり専用、つまり夕食なしのシステムになっています。海鮮お土産やさんの上部階がホテルになっているが、ビジネスホテルのような…いや、それよりもさらに愛想のない外観、しかも玄関は味気ないし、フロントレセプションも風呂屋の番台程度の大きさに一人だけ。これには萎えるな。
しかし、ひとたび客室に入ると、それまでの味気なさからは一転。部屋はシンプルながらスタイリッシュなインテリアで、窓からは橘湾が一望。そして、部屋付き露天風呂が標準装備されているのです。
でもまあそれだけなら、最近のはやりのちゃらちゃらしたホテルと変わらない。ここの白眉は、この部屋付き露天風呂が源泉かけ流しなことなのです。部屋に通された時にはすでに湯口からジャブジャブお湯が流れていて、浴槽の縁から余ったお湯が惜しげもなく流れ去っています。高温で湯量豊富な小浜だからこその技なんですね。
もちろんここでも小浜特有のちょっと磯のような香りのする澄明なお湯で、キレのある塩っ辛さは源泉そのまんまです。しかし湯口からジャブジャブ掛け流していると、すぐに熱く手すら漬けることができなくなるほどの高温になってしまうので油断できません。水で埋めることもできるが、ここは自分だけの温泉のこと、お湯を止めてほったらかしにしてるうちに自然に冷めて、濃厚かつ適温のお湯を楽しむことができます。
お湯に浸かりながら夕日が海に落ちていく様をジッと眺めているのは最上級の至福ですね。
朝食は、サラダ、卵、ハム、、ヨーグルト、フルーツと、焼きたてのパンが付いてくる。このパンが美味しいですね。近所から焼き立てを仕入れているのでしょうか。レストランからの眺めもいいが、部屋からの眺めと同じです。これなら料理を部屋に持ち帰って、温泉に浸かりながら食べたいような気もします。
このホテルでは夕食を用意してくれないのだが、小浜温泉は飲食店がけっこう充実しているので、夕食を探して彷徨ってしまうことはありません。しかも、ホテルで付近の飲食店を好みによって紹介もしてくれるようです。いい宿見つけた!
雲仙での宿泊は、この九州ホテルにしました。日本の国立公園第一号の雲仙の中で、ここは雲仙観光ホテルと並ぶ、明治時代から要人や外国人観光客を迎えてきた歴史あるホテルです。ワタシ、こういった近代建築が大好きなので、以前からあこがれていたんですね。ようやく念願叶いました。
天井の高い、広いロビーは昭和の良き時代の造作ながら、客室は今風に手が入れられていて、ベッドの質もいい。
化粧室もモダンな造りでアメニティーも充実。窓を開けると雲仙の公園が見渡せてリゾートに来たんだなぁ…と実感できます。これは質が高いな。
このホテルの温泉は男女それぞれの大浴場「大地の湯」、「四季の湯」と、夜は男性用、朝は女性用の「ひのき湯」、そして貸切用の「峰の湯」からなります。大浴場は内湯と露天があるが、地元の共同浴場に比べたら薄いという感は否めない。しかも、個々に仕切られた洗い場はスーパー銭湯のようで興ざめ。循環していて湯の花も見ることができないが、少しは白濁している。
露天はもう少し濃く白濁しているような気もするが、よく見ると浴槽の内側を白い漆喰仕上げにしている。これで白さを強調して薄さをごまかしているのでしょうか。
ところが悪いことばかりではない。この露天のすぐ隣が雲仙地獄になっており、湯けむりが上がっているのが見えるとともに、地獄からの匂いが入り込んでくる。この匂いが極上。これは借景ならぬ借臭かな。これは値打ちあります。
「ひのき湯」は癒しの効果の檜風呂なんだが、それほど香りがあるわけではないし、中途半端なお風呂ではある。ただ、奥にある庭園露天風呂は少しだけ濃厚なような気がします。ただしここも循環です。お湯の質は評価に値しないが、丁寧な接客や歴史に裏打ちされた風格など、ホテルとしての総合的なポテンシャルは高いといえるでしょうね
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温泉街から少し入った、住宅や個人商店が入り組んだ、古湯地区の一角にある共同浴場です。ここは雲仙に3箇所ある地元の共同浴場のうちの最も古く、そしていちばん地元に密着した浴場といえるんではないかな?
浴室の中央にある小判型の浴槽は10人足らずが入れる程度の大きさ。やや深めの浴槽には乳白色のお湯が掛け流されています。よく見ると少し青みがかっても見えるのはアルミニウム、いわゆる明礬が含まれる所為でしょうか。
匂いはやや硫化水素臭を感じるが、この辺り一帯がこの匂いで包まれているので、麻痺してしまってよく判りません。しかし、舐めてみると独特の金気臭と酸味を感じることができる。地中の成分が沁みてくるように感じるのは火山地帯の温泉特有の感覚です。
湯の花の舞う濃厚な温泉と、話し出したら止まらない人懐っこい地元のオヤジさんたち…これだから共同湯巡りが止められないんやなぁ…
宮崎旅館や九州ホテルなど、由緒ある高級ホテルや旅館の並びに、ひっそり存在する地元の共同湯です。雲仙で共同湯をいただくには、あらかじめ近所の店舗で1回100円の入湯券を買っておく必要があるとガイドブックに書いてある。なのでバス停近くのタバコ屋で買っておいたのだが、この共同湯の入り口に自動券売機がある。どっちやねん!?観光客の利便のために最近になって設置されたようです。
石張りの浴室に長方形の湯船があり、白濁したお湯が満たされている。すぐ近くの地獄から引いているらしく、少し硫化水素臭があるが、意外にマイルド。舐めてみたら酸っぱい。酸性のお湯のようです。石鹸やボディーソープの類は置いていないが、あったとしても意味を成さないですね。
運よく他にに入浴客がいないので、この自己主張たっぷりの名湯をひとり占め!ウシシシ…関西にはこんな火山性の温泉がまったくないのテンション上がる上がる!!遠くに来た甲斐がありますね。
泉質:含硫黄-単純酸性温泉 51.2度
場所:島原鉄道バス、長崎県営バス・雲仙お山の情報館BS
訪問日:2006年8月21日